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「消費動向」の新しい兆し

column vol.465

昨日の衆議院選挙ではZ世代の若者たちにスポットが当たっていましたが、経済界でもこの世代が注目されていることは言うまでもありません。

そんなZ世代の消費特性が上手くまとまっている記事を見つけたので共有させていただきます。

〈J CAST 会社ウオッチ / 2021年10月24日〉

こちらの記事はジェイソン・ドーシー、デニス・ヴィラさんの著書『Z世代マーケティング』をもとに書かれたものなのですが、アメリカの動向は必ず日本にも影響を与えるので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

合理的で社会性の高い消費スタイル

Z世代は1996~2012年生まれになるので、前提として幼い頃からスマホなどのデバイスで育ったデジタルネイティブということです。

生活の起点は「てのひら」にあり、情報収集コミュニケーションも、そして買い物もスマホを媒介にして行われます。

目が覚めて最初に行うことはインスタチェック。そんな若者は日本でもスタンダードではないでしょうか。

購入に対しても「ググったり」「タグったり」圧倒的な情報の中から必要なものを的確に抽出し、最適な選択を繰り返す。非常に合理的な消費スタイルです。

そんなZ世代の消費を促すためには3つのポイントがあります。

・価格
出費に値するか。保守的で現実的な経済感覚を身につけ、値段設定に敏感である。
・パーソナライゼーション
ターゲティングされていない一般的な広告には目もくれない
・社会的責任
利益以外のものにも心をくだき、自社が世の中の役に立つことを示すべきだと考えている。

アパレルでは、従来の服飾店の客足が減り、短いサイクルで安く売るファストファッションが好まれ、古着店の販売が伸長。

コスメ・美容ではハウツー動画が大好き。

どのコスメを使えばいいか分からないときはYouTubeTikTokを参考にする。

ロールモデルは身近な存在に求め、インフルエンサーには有名無名よりも自分と同じ感覚を望みます。

そして、社会問題への意識が高くパタゴニアLUSHなど倫理性の高い企業の商品を支持する傾向が見られます。

つまり、合理的でエシカルな消費スタイルを持っていると言えます。

メンズメイクが自己表現の一環に

ちなみに、若者の間でメンズメイクは一般的になってきています。

ホットペッパービューティーアカデミーが行った、「男性のメイクに関する意識調査」によれば、15~39歳男性「メイク経験者」550名の、直近1年間のメイク用品購入費は、平均約1万円という結果に。

〈WWD JAPAN / 2021年10月16日〉

また、20~24歳は1万3587円、30~34歳は1万3191円で、全体平均よりもやや高いという結果になりました。

ちなみに、20代男性下地コンシーラーの購入はコロナ前から大幅に伸びており、下地の利用は16%にも達しているそうですよ。

メンズメイクを牽引しているのが、K-POPアイドル

韓国の男性アイドルメイクでは、アイシャドウを使った中性的なアイメイクが特徴。そういった韓流ブームの影響を日本の男子は大きく受けているのです。

15~19歳のメイク購入においてもアイシャドウマスカラアイライナーが上位にきており、目元のメイクが重視されているとのこと。

眉毛の手入れもしない45歳おじさんの私。メイク男子からすると、原始人のように見られているかもしれませんね(笑)

今後は「仲間買い」に注目

最後は大人世代の話を1つ。

コロナによるお家需要が定着する中、贅沢な家飲みが増えていることは周知のところ。そんな中、ウイスキーの樽買いをする人も増加しているようです。

〈FNNプライムオンライン / 2021年10月16日〉

樽買いを仕掛けるのは静岡市葵区の山間部、玉川地区にある「ガイアフロー静岡蒸溜所」

今人気を集めているのが「プライベートカスク」で、ウイスキーを1樽まるごと購入し、3年間熟成させた後、自分の好きなタイミングでボトルに詰め、その味を楽しむことができます。

人気はうなぎ上りで、サービスが始まった2016年と比べ、9月現在、申し込み数は約10倍に増加オーナーになることができる倍率も10倍以上となっているそうです。

1樽50Lでボトル30~40本分は楽しめ、値段は約30万円…。なかなかのお値段ですが、友人や知人と購入する「仲間買い」も見られるとのこと。

私はこの「仲間買い」に注目しています。

サブスクリプションのような感覚で、一人(一家)では手が出ない贅沢品をみんなで楽しむ。

友人、知人だけではなく、SNSなどのオンラインで同じ趣味を持つ人をいかにグルーピングしてコミュニティ化を図り共同購入に繋げるかが、これからの重要な視点になると予測しています。

これまで企業は単身世帯向けの、お一人用サービス少量化戦略を行ってきました。

しかし、今は一人がたくさんの人と繋がる時代です。

新たに開始されたタクシーの相乗りサービスのように、今後はグルーピング戦略が新たな消費のスタンダードになりそうです。

今後も消費動向の変化にますます注視していきたいと思います。

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