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【オバケレインコート】#毎週ショートショートnote

ハロウィンが終わったと思ったら来年に向けての商品企画会議だ。
ずっとあたためていた企画を出してみる。
「オバケレインコート」
ハロウィンが雨でも楽しめる。
試作品もある。
見ての通り着るとオバケに見える。
え?見えない。
あぁ、失礼。照明を消して…と。
蓄光、並びに光の反射でオバケに見える。
これは人だけではなく、犬用もある。
ハロウィンだけでなく、普段の夜散歩でもすれ違う人をドキリとさせることができる。
「犬用いいね」
滅多に褒めない企画部長が言った。
「サイズは何種類か用意できる?」
「可能です」
「ふむ」
企画部長が顎を撫でる。
「そのオバケレインコート。先にペットショップで展開して、お揃いを着たいという話がでたら人間用も用意するはどうだろう?」
「え?ハロウィン向けでは?」
「来年のハロウィンが必ず雨とは限らないだろう?ここ10年雨のハロウィンは2回だけだ」部長は言う。
「君の残念なところはそういうところだよ」
部長はそう言って肩をすくめた。