たつきち

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たつきち

或いは「達吉」/ 紹介するもの何もないんですよ、自分 / 100%創作垢 /毎日一本「お話」アップ続けてます。20230814で1000本達成!/日記アカウント( https://note.com/tatsukichi_24_02)

マガジン

  • 掌編2024

    2024年の創作物です

  • 日記2024

    • 120本

    2024の日記・雑記です。

  • 任務遂行中

    連作短編。上の方が古いお話です。

  • ふたりのはなし・番外編

    「ふたりのはなし」の番外編がだいぶ増えてきたので時系列で並べています。 上の方が幼い頃のお話です。

  • ラジオの時間

    とあるラジオ番組。お昼前の30分。食べ物に関する話が多いようです。

最近の記事

  • 固定された記事

そういえば…(最終更新20240126)

はじめに この自己紹介以外、アップしている文章は全てフィクション・創作物です。 そのあたりのご理解よろしくお願い致します<(_ _)> ▪️▪️▪️ 自己紹介的なもの何もしてませんでした<(_ _)> 「たつきち」と申します。「たつきち」は「達吉」とも書きます。 何処かのSNSでひょっとしたらお目にかかっているかもしれません。まぁ、あちこちに出没しております。 その昔は「鉄砲玉の達」と呼ばれていました。いやいや、決して他人様にご迷惑をおかけするような、そういう生業をいたし

    • 時計屋-【小さなオルゴール】#青ブラ文学部

      港町。漁港と貿易港を持つ町だった。 その漁港付近には古い時計屋が何軒かある。 町全体の半分近くがあるといっていい。 いずれの店主も老齢だが修理の腕は確かだ。 「絡繰時計なら水川の店に持っていくといい」 老眼鏡をずらした店主が言う。 「ミズカワ?」 「店を出て左に歩く。時計屋がいくつかあるが3軒目の店だ」 ライバルとかではなく、それぞれが得意とする分野があるらしく、修理してほしい時計・内容で、あっちの店、そっちの店、と紹介されることが常だった。 「この店から数えて3軒目ですか?

      • 【ラムネ炭酸寝顔】#毎週ショートショートnote

        『夏ラムネ 炭酸寝顔 淡く消ゆ』 「ラムネも炭酸も同じじゃん」 「炭酸は酒。ビール、酎ハイ、ハイボール」 そう答えると君は「ふーん」とストローでアイスティーを吸い上げた。 「じゃあ、寝顔は?」 「君の寝顔だ」 「バッカじゃないのぉ?」 顔を真っ赤にして、ストローでグラスの中の氷を突く。 可愛いなぁ…なんて言ってやらない。 そんなストレートな言葉は君にも僕にも似合わない。 さんざんな夏に出会ったはずの君と僕は、こうして無事にまたふたりで夏を迎えようとしている。 こんな奇跡を信

        • 【トラネキサム酸笑顔】#毎週ショートショートnote

          野々隅は大学を卒業してから13年、広告代理店勤務。 どちらかといえばイベンターとしての仕事が多い。 現在、新人研修を兼ねた会議にオブザーバーとして参加している。 「ご当地アイドルのキャッチコピー並びにデビューイベントの企画立案」 デビューイベントの方は野々隅の分野であるが…「キャッチコピーねぇ」と新人たちが考えてきたコピー案のプリントを眺めた。 「なにこれ?」 トラネキサム酸笑顔 「どういうこと?」 思わず隣に座る高橋に訊ねる。 「英田のですね」 新卒の英田をそっと指差す

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        そういえば…(最終更新20240126)

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        記事

          特殊機関-【小さなオルゴール】#青ブラ文学部

          「これって…?」 見覚えのある小さなオルゴールがFのデスクの上に乗っていた。 少し前の任務で使った家にあったオルゴールにとてもよく似ていた。 空き家になっていた家だった。 環境汚染。人は住めません。早くこの地から出ていってください。 国はそう謳い、人々長く住んだ故郷を捨てさせた。 人が出ていった後、国は大規模な軍事工場を建設しようとしていた。 自分たちは、その建設の前準備として進めていた地下通路の掘削を寸断。地上にある川の水を掘り進めた地下通路に流すことで、掘削前の状態以上の

          特殊機関-【小さなオルゴール】#青ブラ文学部

          【春の夢】#シロクマ文芸部

          「春の夢、終日のたりのたりかな」 「それを言うなら春の海だ」 助手席の蒼月がチラリと青藍を見た 「知ってますよ。与謝蕪村」 「ほう」蒼月は意外だと言うように声を上げるが、その顔は笑っている。 「じゃあ、なんで春の夢なんだ?」 「随分な夢を見たんだ」 「随分な夢?」 ひどい夢でも、こわい夢でもなく、随分な夢という言い方が青藍らしいと思ったが、どんな夢なのか蒼月は気になった。 「多分あれはイギリスの庭なんだ」と青藍は語り出した。 広い庭を青藍は見ていた。 芝生の向こうの森の木々

          【春の夢】#シロクマ文芸部

          【64 三階建て】#100のシリーズ

          「そうそう。そこを真っ直ぐ来ると三叉路がある。君が間違っていなければ正面に三階建ての建物が見える」 住宅地というものは、道路を整備してから建物を建てていくものだと思っていたが、どうやらここはそうではないらしい。 「碁盤の目のように整備された道路というのも、あれはあれで厄介だよ」 道案内の地図を書きながら先輩は言う。 「何本目の角を右に。とか、左に。って感じでさ。地図を書く時目印みたいなものがなくて」 「でも、先輩の書く地図はとてもわかりやすいです。下手なナビシステムよりか全然

          【64 三階建て】#100のシリーズ

          飲み屋-【やせたガールの日常】#青ブラ文学部

          店を閉めた後、精算やら何やらその日の帳簿付けをしながらテレビを見る。 深夜2時。月曜日から金曜日までの30分番組。 地元局制作の奇妙な番組「やせたガールの日常」。 それが終わると一度その日の放送は終わる。 「やせたガール」は何人かいる。 中にはスレンダーな子もいるが平均して痩せてはいないし決して痩せたがっているわけでもない。 「やせたガール」は地元・八瀬田市のアイドルユニット。 彼女らの日常というドキュメンタリーっぽい台本ありきのバラエティだ。 こんなことが日常的に起きていた

          飲み屋-【やせたガールの日常】#青ブラ文学部

          【雪解けアルペジオ】#毎週ショートショートnote

          練習曲の「雪解けアルペジオ」はギター教室の大橋先生のオリジナルだ。 繰り返すアルペジオは曲名の雪解けの情景を思い浮かべながら弾くとうまく弾ける。 一定のリズムで爪弾いていくのだが、途中からテンポアップの指示がある。 少しずつ雪が解け、水となり流れる。 雪解けが進む感じで弾いていて楽しくなる。 「練習曲に楽しいも何もないだろう?」 作った本人がそんなことを言っていいのだろうか? 大橋先生の奏でる「雪解けアルペジオ」は美しい。 その音に春の訪れを感じると言えば「そうかな?」と首を

          【雪解けアルペジオ】#毎週ショートショートnote

          【春ギター】#毎週ショートショートnote

          板塀を挟んだお隣のおじさんのご機嫌な歌声。 「春が来た♪春が来た♪」と歌っているのはわかる。 音程は正しい。 嗄れた声が歌うそれは「春ギター♪春ギター♪」に聞こえる。 おじさんはひとり暮らしらしい。でも時折近所の人と会話で「ケンちゃんはどうしてる?」「おう。倅は元気にしてるようだ」と答えるから天涯孤独の身の上ではないようだ。 どうやらおじさんは庭いじりの際に歌を歌うようだ。 「春が来た」の次は「夏が来れば思い出す」となり続いて「小さい秋見つけた」となる。不思議なことにここまで

          【春ギター】#毎週ショートショートnote

          春の嵐

          窓にくっついて外を見ていた青藍が言った。 「何?」 「紙吹雪だ」 「下で結婚式してたからな」 「結婚式?」 ホテルの敷地内にチャペルがあり、このあたりでは人気の結婚式場でもある。 「だから下が賑やかだったんだね」 そう言って青藍は窓から離れた。 代わりにというように窓の外を見る。 数枚だけど白い小さな紙が漂っている。 こんなところまで紙吹雪が舞い上がるものなのだと妙に感心する。 17階建のホテルの15階はかなり遠くまで見える。この辺りだと一番高い建物だ。 風が強くなってきたの

          【花吹雪】#シロクマ文芸部

          花吹雪の中に立つ彼を私は眺めていた。 映画の撮影を見学していた。 そこにいるのは私の小説に主人公だった。 僕が書いていた時に頭の中にいた彼がそのまま、そこにいた。 明るい空色の中舞う花びらは白く光って見えた。 その中で黒いスーツに身を包んだその人がとても異質で、とても美しいと思った。 まさか彼と「運命共同体」みたいな関係になるとは思ってもいなかった。 私に仕事の相方は俳優である。 そこそこ人気のある今風に言うならイケメン俳優。僕はイケメンという言葉はあまり好きではない。 「イ

          【花吹雪】#シロクマ文芸部

          いつもと違う日

          卵焼き占いの結果は凶といっていいだろう。 卵を割る時点で最悪だった。 いつも通りに卵をまな板の縁にぶつけたけど、ヒビがちょっと入るだけだった。仕方なく少しチカラを入れて再度叩いたら「グシャ」とつぶれて大半はシンクに流れてしまった。 「最悪」 仕方がないので、割らずにいたもうひとつの卵は茹で卵にした。 午前中はクライアントとのwebミーティングに費やされた。 クライアントと代理店の営業と自分。 クライアントの話は前回の打ち合わせとガラリと変わっていた。 「またか」 うんざりして

          いつもと違う日

          葬儀屋 - 【祈りの雨】#青ブラ文芸部

          この町の名士である辰野の家の人間は雨男・雨女ばかりだ。と、親戚一同誰もが言う。いや、辰野の親戚だけではない。葬儀屋たちも密かにそう思っている。 亡くなった日も、火葬・通夜・葬式も皆雨が降る。 それが冬場だったら、滅多に降らない雪までも派手に降らせる。 「本家の千介くんが亡くなったって?」 「だからこの雨か」 「ということは千介くんも紛れもなく辰野の人間だったということだ」と誰かが言った。 「で?急な病気か何かかい?」 「テレビでもやってるよ。事件に巻き込まれたらしい」 「立

          葬儀屋 - 【祈りの雨】#青ブラ文芸部

          【花冷え全員集合】#毎週ショートショートnote

          北国の春はのんびりと訪れる。 関東で花見が終わった頃、梅・桃・桜の三春どころか、木蓮や蓮行、雪柳と木々が一斉に花をつける。 贅沢な花見だ。 「だがこの花冷えである」 場所取りをしていた本郷は震えていた。 酒も入り、みんなとドンチャンしているとこのくらいの気温の低さは気にならない。だが、ひとりブルーシートの上で待つ身には寒さが身に染みる。 見上げる桜は美しいが、体を温めてはくれない。 皆が来る前からひとり呑むわけにもいかない。 せめてポットに熱いコーヒーでも入れてくればよかった

          【花冷え全員集合】#毎週ショートショートnote

          【オバケレインコート】#毎週ショートショートnote

          ハロウィンが終わったと思ったら来年に向けての商品企画会議だ。 ずっとあたためていた企画を出してみる。 「オバケレインコート」 ハロウィンが雨でも楽しめる。 試作品もある。 見ての通り着るとオバケに見える。 え?見えない。 あぁ、失礼。照明を消して…と。 蓄光、並びに光の反射でオバケに見える。 これは人だけではなく、犬用もある。 ハロウィンだけでなく、普段の夜散歩でもすれ違う人をドキリとさせることができる。 「犬用いいね」 滅多に褒めない企画部長が言った。 「サイズは何種類か用

          【オバケレインコート】#毎週ショートショートnote