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小学生のように素直に学びたい

「よおし、脱サラして個人事業主としてがんばるぞ!」
と、脱サラする前後に、いろんなセミナーを受講しました。
けっこう出費もしましたし、時間も費やしました。

その結果はどうかというと、受講料の元をとるどころか、何倍もの収穫が得られたと感じられるものや、ドブに捨てたなと思うものもありました。

何年も経過してみると、いまさらながら「なんであんなの受講したんだろう」と思うものもあれば、自分自身がちゃんと学んで実践していなかったと、大いに反省するものもあります。

どんないい内容であっても、素直に学び、素直に実践しないと身につかないと、あらためて反省するわけですが、
「あれっ? 昔、同じことを感じたことあったな」
と、思い出したことがあります。


火災現場に捨てられていた未使用の消火器

私が消防士時代、火災原因調査もやっていたんですが、出火した場所を調査していると、焼けて金属部分が変色した消火器が転がっていることがよくありました。

そんな消火器を見てみると、安全栓の抜かれていない未使用状態である場合がたまにあります。
消火器が使えず、そのまま何本も火元に投げ込まれていた現場もありました。

中には、噴射させるときに握る黒いレバーがグニャリと曲がっていた消火器もありました。安全栓を抜かずに、力まかせに握ったわけですね。
火事場のクソ力のスゴさに驚きますが、安全栓を抜くことを知っていれば、ボヤですんだ可能性が高いのになぁ、ととても残念に思いました。

消火しようとして消火器が使えなかった人は、一生悔やみ続けているんだろうと思います。


話を聞くだけでやれる気になってしまう

消火訓練指導によく出かけていました。

工場、病院、旅館、公民館、学校、パチンコ店など、さまざまなところに行って、消火器の説明もして、実際に放射してもらっていました。

ところが、説明は真剣に聞くのに、尻込みして実際に放射しての練習はやりたがらない人が多いのです。

今は環境の問題もあるので、操作練習のための水消火器を使うことが多いのですが、これさえもやりたがらない人がけっこう多いのです。

たくさんの人の前で失敗したら恥ずかしいという気持ちもわかるのですが、話を聞いて見ているだけでは、あんな簡単な操作手順さえ忘れてしまいます。

おそらく、消火器があるのに実際の火災現場で使えなかった人の悔しさは、想像を絶するものがあると思います。


みごとに火災を消火した小学生

逆に、実際の火災をみごとに消火した小学生がいました。

その小学生は、たまたま学校であった消火訓練のときに、実際に放射したそうです。
おそらくその生徒は、訓練の場で、手をあげて自分から進んでやってみたのでしょう。

その生徒が、クラスメートの後ろで尻込みしていてやっていなかったら、大きな火災になっていた可能性が大です。

そのことがあってから、消火器の取り扱いについて説明するときには、必ずその生徒の話をしていました。

私自身、大人になると知識だけは蓄積して、
「あっ、それ知ってる」
「いや、わかってるよそんなこと」

と、虚心に学ぶ心が薄らいでいたのだと思います。

学びも、事前にしっかり選択することも大切ですが、せっかく学ぶのであれば、貪欲に学び、実践しないといけないな、と自分をいましめる今日この頃です。

もしサポートしていただけたら、さらなる精進のためのエネルギーとさせていただきたいと思います!!