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20年間のGKを通して得たもの

今日が国際ゴールキーパーデーということを今日知り、居ても立っても居られなくなりブログを書きました。(滑り込み

ゴールキーパーの経験を通して得られたものが自分の人生の99.9%を構築していて、キーパーというポジションへの愛と感謝を表現するべく、キーパーというポジションがいかに素晴らしいかを綴りたいと思います。

20年間もゴールを守り続けていると、さすがに得られるものもあります。笑

キーパーをやってて悩んでる人、キーパーにチャレンジしてみたいなと思ってる人、キーパーの子供を持つ親御さんに読んでもらえたら嬉しいです!

①『度胸』

この際だから白黒ハッキリさせると、キーパーはめちゃくちゃメンタルきついです。笑

小学3年生でキーパー始めた時には、試合が嫌いになるくらいズタボロになりました。

でも試合が嫌いなだけで、練習は好き。シュート練習でシュート止めて「ナイスキーパー」と言われるのはやっぱり嬉しい。

厳密に言うと、試合が嫌いというよりは怖い。自分のミス1つで負ける可能性がある。というのが小学生でも明らかに分かる。それがゴールキーパー。

良くも悪くも、試合は必ずやってくる。練習ばかりしてはいられない。「試合怖いなー、やだなー。」と思いつつも試合には出る。出るしかない。

時にはナイスキーパーと言われ、嬉しくなる。また試合に出て活躍したいという気持ちが少しずつ膨らむ。

時にはミスをしてしまい、試合後何となくコーチや仲間や親に気を使われる。それがすごい悔しくて情けなくて。二度とミスするものかと練習に打ち込む。

という2つの感情を行ったり来たりしている間に、キーパーが上手くなって大好きになって。ゴールを守ることに夢中になりました。

そうこうして、自分自身のレベルが上がると神奈川県大会で試合ができたり、横浜市選抜に入ることができたり、より緊張感やレベルの高い中でサッカーをすることで緊張を感じる閾値(ハードル)が高くなっていきました。

「そう簡単には緊張しなくなってきた」ってことですね。笑
練習試合や横浜市大会では緊張を感じることがほとんど無くなりました。

試合で普段の練習と同じ様な感覚でプレーを徐々に出来る様になり、試合が嫌い・怖いという感情が和らぎました。

キーパーを通して緊張する経験をより多くすることで、運動会の応援団長や、音楽会のリコーダーのソロパートや、中学入試など緊張を感じる瞬間でも自分の力を発揮することが出来ました。

キーパー以外にも、緊張するようなシチュエーションを率先してやりましたし、任せてももらいました。

「キーパーより緊張するものはない!」という不思議な自信がありました。笑

②『挫折』

そんなこんなで、キーパーのおかげで少しずつ神経が図太く、自信が深まってはいたものの、それをポキッと折られるのもまたキーパーを通してでした。笑

小学4年生の時、横浜市選抜には入ることが出来ても、神奈川県選抜には入れませんでした。

「自分より上手くて頑張ってるキーパーが沢山いる。」ということを初めて知りました。

「もっともっと頑張らなきゃ、、」と地元のキーパースクールに通い始めました。

中学生に上がる時、憧れのJリーグのユースチームのセレクションを受けました。

マリノス・ヴェルディ・フロンターレと、ことごとく落ちました。

ほんとギリギリ滑り込みで唯一、FC東京に受かることができましたが、高校生に上がるタイミングではFC東京で昇格することは出来ませんでした。

FC東京を見返してやろうと、当時同じプリンスリーグに所属する桐光に進学しましたが、3年間で1度も勝つことは出来ませんでした。

高校3年生、全国インターハイ準決勝の市船戦、後半ロスタイムの自分のミスで失点し決勝に進めませんでした。

大学4年生、全国大学選手権の2回戦、前半早々に自分のミスで失点しゲームを壊しました。結果、大敗し僕らは引退しました。

社会人1年目、あと一生で関東リーグ昇格という関東大会準決勝で敗退。

社会人2年目、前年の雪辱を晴らすべくシーズンに臨むもリーグ戦すら勝ち上がれず。

社会人3年目、今度こそ関東リーグ昇格へとリベンジに臨み関東大会で準優勝。例年だと昇格の権利があるものの、JFLから関東リーグへの降格チームが出たことでまさかの入替戦。そして惨敗。

改めて振り返ってみると、かなり挫折してます。
列挙して一つずつ思い出すと、やはり今でも「うっ、、」となります。笑

ですが、この全ての挫折が自分の努力の原動力であり、ここまでキーパーを続けることができています。

上記の通り、辛いことも沢山ありましたが、それと同じかそれ以上の達成感や充実感を得ることが出来たのも事実です。

挫折や失敗の量は、栄冠や成功の量と比例する。というのが僕の実感です。

もちろん、どうすれば栄冠と成功を多く得ることができるかというのは考えなければなりませんが。

尋常では無い「量」と「質」の失敗や挫折を経験することができるポジション。それがキーパーです。

③『課題解決力』

というわけで、ここまでを整理すると沢山緊張して沢山失敗するのがキーパーなのです。

そして、キーパーも同じ人類ですので防衛反応が働きます。

次はどうしたらミスをしないか、シュートを止められるか、試合に勝つことができるか、味方を上手く動かせるか、相手との駆け引きを制することができるか、などなど考えなくてはならないことが無限に飛んできます。

否応無しに、次から次へと課題が飛んできて、その課題がクリア出来ているかどうかに関わらず、もう既に目の前に新しい課題が飛んできて。という繰り返しです。課題の1000本ノックです。

正直、課題が飛んでくるのに耐えきれず、小学校の時には仮病で休んだり、大学入学時にはサッカーを辞めることさえ考えたこともあります。

それでも、やっぱりサッカーが好きだから。キーパーが好きだから、課題と向き合い続けてきました。

やはり「継続は力なり」というように、課題に向き合い続けていると成功失敗はさておき課題解決力が養われていきます。

そのスキルは、社会に出て働く今でも非常に役に立っています。

この「課題解決力」というのは非常に重要で、何故なら世の中の多くの企業の存在意義が顧客の課題解決だからです。

サッカー選手として成長するにも、会社で働くにも、起業して社長になるにも、課題解決力が求められます。

課題は多ければ多いほどに良いことだと考えます。

いわゆる「成長痛」となるからです。

〜おわりに〜

余談になりますが、サッカー界では「キーパーは変人が多い」と言われます。

皆さんの周りにもいわゆる「変わったヤツ」が存在すると思うのですが、キーパーは大抵のチームでそういう扱いを受けてます。

「何故、足でシュートして点を決めるスポーツで、手を使ってシュートを止めるポジションを選ぶのか?」

ほんとそう思います。

「10回のチャンスで1回でも得点すればヒーローなのがストライカー、10回のピンチで1回でもミスすれば戦犯なのがキーパー。」

そうなんですけど、辛いです。言わんといてください。

「ドMじゃないとできないポジション」

その認識に間違いありません。

これまで多くのキーパーと出会ってきました。

確かに、個性的で変わった人ばかりです。

同期や先輩や後輩、対戦相手やトレセン、そしてキーパーコーチも現役時代にキーパーをしてきた方々です。

試合に出れるキーパーはチームで1人だし、気が合わなくて仲良くなれない人も当然いますが、同じキーパーということでお互いに分かりあえることが沢山あります。

僕はキーパーというポジションが大好きですし、キーパーを選んだ人たちをリスペクトしています。

日本において、キーパーというポジションがもっと注目されて人気が出ると嬉しいです。

自分自身がこれからもキーパーを続けて、キーパーコーチとして選手を教えて、キーパー道を極めたいと思います。

その道中での学びや気づきを発信することで、ほんの少しでもキーパーというポジションのためになれば幸いです。

ちなみに、僕は変人ではありません。
ドMでもありません。

〜とっつきやすい保険屋〜

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