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詩 祖父

祖父は田を耕し、畝を作っては何かの種を植えていた。

ボロボロの下着に靴下には穴が空いていた。

いつもと変わらぬ帽子は色褪せ、肌は黒く、日の光がそこから感じられた。

握る手の皮はゴツゴツしていて、僕のより厚く感じた。

特別なものを感じたことはない。

むしろ、薄汚くどこか物足りなさを感じた。

生活することとはと考え始めた時、ふとそういった祖父の姿が目に浮かんだ。

僕は何となく身を委ね今を生きている。

しかし、本当に生きているのだろうか。

何かに動かされ、何かに従って生きているだけではないだろうか。

そんなことを考えた時、生活することとは今あるものとは違ったもののように思えた。

僕は、祖父の生きた時間を少しでも生きることが出来るのだろうか。

手の先で感じたであろう営みを同じように感じることが出来るのだろうか。

僕たちは遥か遠くに来てしまったのかもしれない。

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