言葉を重ねる度にするっとずれていくような気がする 胸からこぼれ続ける思いを 溢れ続ける思いを そのままあなたに贈ることが出来ればどれほど良いか いつの間にか日は沈み 少し肌寒い風が体をすり抜けていく また、朝日を迎えることを 何となく心が避けている 痛みが絶えず胸を襲い 温もりがその周りを覆う 隣にいれば言葉を尽すのに それでも食い違うしかないのかもしれない 両手で抱き寄せれたら それでも埋まらないのかもしれない これほどの思いはどこに行くのだろう
否定したものがいつのまにか、僕らの内側にあることに気付く 身につけたフィルターから自由にはなれない 与えられたレンズを否定しては、またそれに囚われている 自分を過信してはならない いつだって、否定した自分は舞い戻り、無意識のうちに重なっていく 絶えず自身を疑わなければならない 拒絶したものを内包してしまっていないのか それを誰かに向けてしまっているのではないのかと それほどまでに、僕達は社会というものに包まれ絡めとられているのだから 働くことが正しいことでは
梅の花が咲き春の爪先が見えたように思う 日が肌を覆う感覚は懐かしく また、暖かな季節が始まるのかと 嬉しくもあり、不安でもある 新しい季節は来る度に新鮮で 時間の経過を前向きに感じさせてくれる それは生きているということを 実感させてくれるからだろうか 季節への感覚はいつ身に付いたものなのだろう 1年を何度か繰り返していく内に身に付いたのだろうか 振り返れば季節と共に沢山の記憶が写される それは季節と共に身体に染み付いた記憶 そんな記憶をいつの間にかこ
何度、扉を叩けば君は出てきてくれるだろうか 君が出たくないだけなのに 執拗に僕は扉を叩き続ける 呆れた顔ならそれでいい 笑っているならもちろんそれでいい ただ悲しい顔ならどうしよう そう思うと思わず叩いてしまう 何度も何度も 僕にはどうする力もないのかもしれないのに ひたすらに君の表情を想像する 君の感情を想像する そのうちに想像は膨張して 僕を埋め尽くしていく 近くにいるなら抱き締めてしまえば それだけで大丈夫な気がするのに こんな風に体に君を
祖父は田を耕し、畝を作っては何かの種を植えていた。 ボロボロの下着に靴下には穴が空いていた。 いつもと変わらぬ帽子は色褪せ、肌は黒く、日の光がそこから感じられた。 握る手の皮はゴツゴツしていて、僕のより厚く感じた。 特別なものを感じたことはない。 むしろ、薄汚くどこか物足りなさを感じた。 生活することとはと考え始めた時、ふとそういった祖父の姿が目に浮かんだ。 僕は何となく身を委ね今を生きている。 しかし、本当に生きているのだろうか。 何かに動かされ、何かに従
止まぬ雨に両手を広げ笑う 濡れた靴を遠くへ投げ捨て 足手まといの靴下を放り投げ 無愛想なアスファルトを蹴り飛ばす 訝しげな視線を受け止め 笑顔で挨拶すれば良い 君の内側と何が違うというのかしら お前はあいつを嫌い 僕はお前を愛す お前は僕を拒絶し 僕はお前を愛す 走り出した 足の裏にアスファルトの跡が刻まれる 赤くぼこぼこに凹んだ一つから血が滲み アスファルトに僕の形跡が残されていく 足跡などとは程遠い赤い点が 不規則に雨上に浮遊して それは
自分自身を愛してほしい 君はとても素敵だから 思いを素直に伝えてほしい その思いは大切なものだから わがままを言ってほしい それはその人を信じるということだから 自由であってほしい それは自分を大切にするということだから 内にいないで出ておいでよ 世界は広くて面白いさ 君を否定する人もいれば 君を認める人もいて 君が否定する人もいれば 君が認める人もいる 君のことを嫌う人もいれば 君を好きな人もいる 君が嫌う人もいれば 君が好きな人もいる
闇雲に探してた何かが もう無いのかなと思っていた何かを 僕は見つけることが出来たのかもしれない 君を思うと鼓動が不自然で 君に触れると更に加速する なんなんだろうね 思い、感情、全ての反応が君に支配される あても無く歩いてきた 一歩一歩、何かを信じて歩いて来た その足跡を振り返りながら 僕たちは生きている 夕日が僕らを覆い 暗闇が僕らを隠す 朝日を迎えることはもう怖くない 明日も君の香りが漂うから 重なることのない僕らの歩みは 不思議と同じリズ
いつも出会う曲がり角で君を待つ いくら待っても現れない君はどうしているのだろうか ふと今日が祝日であることに気付く それでももしかしたらと待ってしまう なんてバカなんだろうか 祝日が嫌いだ 風は僕の体温を遥か遠くへと奪い去ってしまう 横殴りの雹は僕の体に留まりながら溶けてゆく それでももしかしたら君が現れるかもしれない この感情はどうしようもなく 僕には制御できないようだ ただひたすらに君に会いたいと思う 雲の切れ間からぼんやりと赤い夕日が世界を変える