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セブ島の山奥での嘘みたいなできごと~フィリピン自転車旅8日目~

 フィリピン自転車旅11日間の旅行記の8日目です。全日程は以下のnoteにまとめています。距離は短いですが、この日は最もハードな1日になりまし。

走行ログ(900m弱まで登ってます。まじキツかった。)

ボホール島を経由しないルートに変更を決定

 当初はドゥマゲッティからボホール島に渡り、チョコレート・ヒルズを見てフェリーでセブ市にゴール、という予定でした。ですが旅の中でフェリーが時間通りに出航してくれないことを学びます。ドゥマゲッティ発、ボホール島のタビクラン港着のフェリーが送れるとすると、ボホール島での深夜ライドになる、ということを考え、ボホール島を経由しないルートに変更することを決定します。途中でのルート変更にはためらいもありましたが、走行距離ではむしろ伸びるので、決して妥協ではないということで良しとします。セブ島最高峰のオスメニアピークに登りたいと思ったのもこのルート編この理由です。
 前日からだいたい決めてはいましたが、最終決断は当日の朝。その日の気分でルートを決められるのはソロ自転車旅のメリットです。

最高の朝食

 前日に注文しておいた朝食が部屋に届きました。ビックリするくらいおいしい朝食でした。これで1100円は安すぎる!魚はサバヒーという日本では食べられない養殖魚です。これが美味かった。。。台湾やフィリピンで人気らしいです。自分の部屋のバルコニーで外を眺めながら食べる朝食、最高でした。

HOTEL BREAKFAST SPECIAL(右のお皿とコーヒーのセット、300ペソ), FRUIT PANCAKES(左のお皿、120ペソ), FRUIT JUICE(45ペソ)で計465ペソ(約1100円)です。

港でいろんな人に絡まれる

 少しだけ走ってシブラン港に到着。こういうところでは、チャリできてるというだけでチヤホヤされます。外の外国人観光客もいるなかで自分だけチヤホヤされるのはちょっとした優越感です。サイクリストの特権ですね。

シブラン港①
これまでにない快晴で、暑かったです。
シブラン港②
この自転車はチューブラーか?クリンチャーか?とハイレベルな質問をされました
港の近くの自転車屋です。
船を待つ間に空気入れでもしようと思いましたが、ないと言われましたw

 港でドヤっていると「すごいね」といきなり日本語で話しかけられました。オリンパスに勤めていたというフィリピン人男性42歳です。いまはベトナムに移転してしまったため、別の会社に勤めているとのことです。ドゥマゲッティにきていたのは、大学のときの友だちとのイベントに参加するためとのことでした。名刺を渡してくれ、何かあったらここに連絡して、と言ってくれました。今日はオスメニアピークに登るつもりだというと、4時頃が一番景色いいよ、自転車担いで登ったらいい写真撮れるよ、とアドバイスもくれました。
 男性はノリノリだったのに奥さんのほうはあんまり喋ってくれなかったのは、顔が日焼け止めで真っ白だったからかな。

元オリンパスの男性。日焼け止めで顔がこんなに真っ白担っていることは写真を見て気づきました。なんで誰も教えてくれなかったんだ。
12時に定刻通り乗船。逆に驚きました。
小さめの船です。
船内の様子
ネグロス島に別れを告げます。

オスメニア・ピークを目指す

 セブ島に到着。セブ島最高峰(標高1042m)のオスメニア・ピークを目指します。西から登っても、東から登っても距離は同じくらいのようだったので、セブ島を横断できる東からのルートを選びます。普段はStravaのマップを見て自転車でよく走られているルートを選ぶのですが、このときは気の緩みか、GoogleMapで検索してでてきたルートをそのまま選んでしまいました。

KabutonganFallsへの道の入口のひとたち。ちょっと寄ってかないか?と声をかけられたのですが、オスメニア・ピークに登るから、と答えて先を急ぎます。
振り返ってカメラを向けるとこの様子。なぜか嬉しそうです。
そんなに歩きたくないの?と思ってしまう乗り物。
写真右の公民館(Municipal Hall)に入っていきました
SEBU CHAにて飲み物とピザで補給

 登りに入ります。道が悪く、斜度もきつかったですが、はじめだけだろ、と甘く見て先に進みました。川の水がめちゃめちゃキレイで驚きました。セブというと海を連想しますが、川もいいです。

透き通った水のキレイな川

 暑すぎて登り始めてすぐに水が切れました。水を切らしたらマジで死ぬと思いました。道中ニコッとしてくれた人を見逃さず、水をくれ~と言ったら、家からこのボトルを持ってきて補給させてくれました。100ペソ置いてこうとしましたが受け取ってくれず。記念に写真まで撮らせてもらい大感謝!

水をくれた方
ひでえ道を選んでしまった。
たまーに舗装された道に出る。
きつすぎて写真を撮る余裕もありませんでしたが、西側に見える海が綺麗でした。

地元少年達に応援されながら走る

 下校時間になり、また道が子どもたちで溢れます。田舎の山道ということもあり外国人に慣れていないのか、国旗を見て「ジャポネー!ジャポネー!」と声をかけてきます。通り過ぎてから手を降っただけで後ろから歓声があがるという、嘘のようなホントの出来事もありました。まるでツール・ド・フランスです。
 ルート決めが甘くて厳しい道を選んでしまいましたが、こんな貴重な経験ができ、結果オーライです。

のどかな風景です。
追いかけてきた少年達です。全く話せないけど笑顔です。
激坂+舗装悪いで、こういうところはほぼ押して歩きました
海外を走ってるな~って感じがする風景でした

暗くなり、霧も出てきて不安になる

 暗くなってきてからは少し焦りました。見知らぬ山奥で一人。ですが民家、サリサリストアが常にあったのがメンタルの支えでした。いざトラブルがあったら駆け込んで助けてもらえばいいか、と思って気持ちを落ち着けるように心がけました。
 霧もでてきて視界がすごく悪くなりました。焦らず安全第一で走ることを心がけてはいたものの、下り坂でスピードを出しすぎ、正面から来たバイクとぶつかりそうになりました。幸い事故にはあいませんでしたが、危ない瞬間でした。ピンチのときには焦ってしまいますが、そういうときこそゆっくり走るメンタルコントロールが重要です。

ボホール島のチョコレート・ヒルズ的なコブはセブ島にもあるようです。
霧が出てきて視界が悪くなりました。
見知らぬ山奥で暗くなると、さすがに不安になります

 オスメニアピークへのベースキャンプ的なところに到着。ここまでくればあとは下り。ホッとしました。思いの外賑わってます。観光地ですね。本当はここからさらに自転車を担いででもオスメニアピークに登りたかったですが、夜になってしまっては仕方ないです。

オスメニアピークへのベースキャンプ①
オスメニアピークへのベースキャンプ②
セブ島の東側からオスメナピークに向かう道路は常にきれいに舗装されていました。
こっちから登ってればピークまで登れたなー。距離はほとんど変わらないし。
無事にダウンヒル完了。

Seeview Mansion Dalaguete Apartmentさんに宿泊

 他に良さそうなところが見つからずということで、初めてホテルではなく、貸アパート的なところに泊まりました。朝食なし5500円です。ホテルのように受付があるわけではなく、現地から電話すると、車で鍵を届けてくれるシステムです。部屋の説明を一通り受けたあと、食べ物買いたいんだけどどうすりゃいい?ときくと、トライシクルを呼んでくれました。優しいぜ。
 海辺から100mほど登る必要があり、もう1回ここまで登るのは地獄です

翌日翌日撮った写真です。この1階を借りました。2回は別のグループが泊まっていたようです。
部屋からの風景です。名前の通り、SeeViewです。
二段ベッド。寝心地は微妙でした・・・
水回りはキレイでしたが、洗面台の建付けが悪く、洗濯のために水を貯めると漏れてきました。

 トライシクルで海辺のセブンイレブンに向かいます。運転手のロイと話していると、日本人なのに英語うまいね!と褒められました。フィリピン人の先生とオンラインで練習したからね、それでフィリピンにきたんだよ、と伝えておきました。
 セブンイレブンで買い物を済ませ、また乗ろうとするときにロイの顔を覚えておらず、別のトライシクルと勘違いしたのは本当に申し訳ない。悪いトライシクルが騙して載せようとしてると勘違いしました・・・自分も疲れて頭働いてなかったのかな。帰り道は気まずくなってしまった。
 でもアパートに着いて、フルーツジュースをお礼にあげたところ、子供にプレゼントするわ!と喜んでました。ロイには翌日もお世話になります。

セブンイレブンまで送り迎えしてくれたトライシクルの運転手ロイ。
コンビニ店員さんに「これは夕食かい?」と絡まれました。
「サイクリストだからプロテインたくさんとらないといけないんや。マニラからきてるからね。」とドヤると「グットエクスペリエンスだね。」とのこと。
あんたみたいに絡んでくれる人がいるからです。
タンパク質を摂るために肉、ビタミンを取るためにフルーツジュース。糖分を取るためにコーラ。
野菜がないのは売ってないからです!
セブンイレブンのコンビニ弁当。日本のものとはかなり違い、自分の口には合いませんでした。
同じセブンイレブンなのにどうしてこう違うんでしょう。

翌日に続く

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