見出し画像

怪談小説という名の小説怪談(ネタバレなし)

澤村伊智さんの小説は『ぼぎわんが、来る』『怖ガラセ屋サン』に次いで3冊目です(アンソロジーで短編も読んでる)

七つの短編集、それぞれ文章の構成が素晴らしく、感情移入し自分も登場人物と同じ世界でゾクゾクしてしまった。怪談を聞いてるというより今まさに恐怖体験に遭遇してしまっている…

日常にある何でもない出来事のようで、だんだん不気味さがあらわになって『・・・え?』と暗転する。『え?冒頭のあれは・・・』とページを戻す。

これはこの後ああいう展開かな、と思っても『は?』となり読後も延々と考えずにはいられないし。
それぞれの短編それぞれ読んだ後に考えずにはいられない、でもモヤモヤしたものでない『素晴らしい物語を読んでしまった喜び』で唸ってしまう、しかも今まで味わったことのないような恐怖に包まれた嬉しい余韻に浸れる。

そして七篇読み終わりたくないけど一気に読まずにはいられなくなってしまい、そしてまたあの恐怖体験ができる世界に嬉々として戻ってしまう。
この先何度でもこの世界に帰ってくる事になると思う。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?