ユージニアを何度も読む。

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読んでから数年経つとまた読みたくなる作品です。面白かったんだけど内容って結構忘れちゃってるので何度も読んでます(≧∀≦)

(舞台であろう金沢へは一度行った事があるけど、内容通り突然かなりの雨に降られた事を思い出しました^ ^)

で、今回のブームでまた2巡目なのですが、冒頭のプロローグの後、『忘れられた祝祭』の作者と聞き手がいるわけだけど、この聞き手の人物は誰なのかという問題、一度読んだだけでは分からないんですよね。その後にも出てくる、関係者の話を聞いている人物。

その時点で話を聞いても、もうどうにもならないんだけど、読者の私たちには新事実がどんどん明らかになってきて「真犯人は緋紗子なのか?」と思わせてゆく…

思えば、プロローグの詩を2人で考えている時の“兄さん“の心情と、“第9章 幾つかの断片“はとても繊細な美しさが漂っているけれど、結局はね……

真犯人と言われる人物が判明して解決したことになっても、事件の関係者や事件をしつこく追っていた刑事にとっては決して終わった事にならなかった。ある人物が取材すればするほど思いがけない展開になってゆく。

この物語の悲しさや美しさや切なさは、ある意味中毒になると思うんですよね。そうして何度読み返したことか。

今は『灰の劇場』の構成が話題になっているけど、私はユージニアの方がより引き込まれていったかも。






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