僕の君だった


僕の君だった


僕の君のはずだった


僕の君だと思い込んでいた


僕の君だと思っていたのは僕だけだった


君はいつだって縛り付けられることなんか許さなかった


君はいつだって軽やかで、淡く浮かれた春のようで、同時に冷たく遠くの見えない冬のようでもあった


去年より暑い10月から動けない僕は君が眩しかった


君の僕になりたかった


君の僕になれたら、僕もあんな風になれると思い込んでいた


君の僕にはなれなかった


誰のでもない、ただの僕だった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?