君はやさしい。

会いたい、なんて言ったら君はどんな顔をするだろう。暇人だなって馬鹿にして、少し困った声で笑って、それでも迎えに来てくれるんだろう。

君のその中途半端な優しさにいつまでもしがみついてぶらさがって、離れられないのはわたしだ。

いっそこの糸を思いきり切って、地の底に落としてほしいとさえ思う。

でも君はきっと知ってるんだ。この糸を失ったあとのわたしのことを。
わたしが怖くて怖くて想像することすら拒んでしまうわたしのことを。


ほら、君はやさしい。


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