ゴチャ庭めぐりのススメ③
「ゴチャ庭」とは「ゴチャゴチャした庭」、つまり「家の庭先にプランターや植木鉢が無秩序に多数置かれた状態」のことだ。ーゴチャ庭巡りのススメ①
ゴチャ庭の魅力、それは秩序と無秩序、意図と偶発、意識と無意識、人為と自然、そうした二項のあわいをたゆたう曖昧模糊とした美である。ひとつひとつの営為は意図的であっても、それらが時間を経て堆積していくごとに、限りなく無秩序へと近接していき、そこから解釈不能な美が立ち上がるのだ。ー ゴチャ庭巡りのススメ①
台風が来そうで来なかった別府の町に、今日もゴチャ庭めぐりに繰り出した。
限られたスペースでも、ひとは庭にできる。
手前の存在感がある方がアスファルトの隙間から出た雑草。
なんて美しいんだろう。ため息が出る。
犬も何事かと訝しむ。庭木と渾然一体のプランター。
駐車場だって、ビールケースだって、活用できる。
プランターに繁茂した雑草がたまらないのです。
整然とゴチャゴチャしていてもいい。
店は開く気配がないけど、手入れはされている。
ブロック塀づたいのプランター行列はいつも壮観だ。
積み方にもガーデニストの個性が出る。
排水管をのぼっていくツタもいい。
たとえ数が少なくても雑然とはできる。
発泡スチロールはどこでもらうのだろう。
この家は四方をゴチャ庭が取り囲んでいて最高だった。
2枚は同じ家。絶妙に意図と無為が入り混じる。
パワーをもらえる。雑草と雑然の雑パワー。
像の置物はインドのお土産だろうか。
ゴチャ庭に救われる。ゴチャ庭に支えてもらっている。ゴチャ庭は大抵のことは肯定してくれる。
ディテールに神など宿らない。日常はあくまで日常として、日常的に流れ過ぎ去っていく。それがこんなにも、いとおしい。
近いうちに、また出かけよう。
ゴチャ庭の唄を口ずさみながら。
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