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音楽を日常で満たすために ~一日一曲大作戦~

音楽を日常で満たすには

音楽は日常だろうか、非日常だろうか。聴くのは日常、弾くのは非日常って人もいるだろう。音源は日常、生は非日常なんてこともあるだろう。かくいう私は、何を隠そう、音楽を日常で満たしたいと思っている

日常を音楽で満たすのではない。音楽を日常で満たすのだ。音楽が元々、祭儀や呪術で使われていたという事実から考えるに、むしろ音楽は日常とは一線を画すものであることは理解している。本来的な音楽の役割やオリジンがどうであれ、それでも私は、音楽を日常で満たしたいと思うのだ。

そこで、一日一曲大作戦と名づけた奇行に打って出ることにした。当初は一日一曲プロジェクトとしたが、プロジェクトという言葉のもつ胡散臭さに耐えられなくなったのでやめた。大作戦の方が野暮ったいかもしれないが、なんか勢い任せで向こう見ずな感じがむしろよい。

ちなみに本日の一曲はコチラ(デンガクズとはユニット名である)


では、一日一曲大作戦のルールを説明しよう。ちなみにこのルールは私が勝手に設定したもので、状況に応じて改定される可能性もある。

①その場で作る

過去に作ったものは日常の一回性をとらえていない。録音寸前にメロディも歌詞も紡ぎ出す。その日の天候や体調や予定や世界の動向や、そんなものに露骨に影響されながら、出てきたものは着の身着のまま、お手元に。

②練習しない

練習は大事だ。一昨年の8月以来毎日欠かさず楽器を練習している。だが、練習することによって失われることもある。「音楽を日常で満たす」という目的から鑑みて、練習は大切な部分を損ねる可能性が高い。

③音を重ねない

たまたまそこに人がいて一緒にやることはあるかもしれない。ただ基本はひとりで演奏する。レコーディングとなると、みんなオーバーダブ(重ね録り)が好きだ。最近は生演奏でもループで音を重ねる人もいる。でも重ねない。生身のアナログの人間が、できるかぎりのことしかしない。

④1発録りのみ

noteのアプリを使用して、せーので録音する。別の録音機器や音声レコーダーアプリなどは使わない。またよっぽどのことが無い限り、録りなおしもしない。救急車の音が入っても、演奏中にヤマトの宅配が来ても、全て日常だから。

⑤毎日アップする

雨の日も風の日も、体調のいい日も悪い日も。楽器が手元になかったら声だけでも。とにかく毎日アップする。

⑥同じ楽器を二日続けない

手元にある楽器は、ブズーキ、ヴァイオリン、クレシックギター、沖縄三線、二胡、リコーダー、ティンホイッスル、カホンの8種類だ。その日降りてきたメロディー(リズム)に応じて楽器を選ぶ。同じ楽器は二日続けない。


どうだろうか。誰のどんなニーズに応えての奇行かと問いたくなるかもしれないが、正直、誰からも請われていないし、誰の喜ぶ顔も今のところ想像できない。それでもやる。ではどこへ行こうとしているのか。

目指すは、日替わり定食である。

定番メニューではなく、日替わり定食を楽しむように、その日の私の日常をエンジョイしてもらえれば、まさに幸甚である。アップする音楽の再現性はほぼゼロだと言ってよい。この日のこの楽曲を弾いてと言われてもすぐには弾けない。ごめんなさい。ただそこにこそ、あえて挑む意義がある。

自分が全く覚えていない、かつて自分から出てきた音楽。

それはどんな記録や記憶より、尊いものではなかろうか。そんな気がする。まるでタイムカプセルのような、自分に潜む他者性との邂逅。そんなものを少し夢見ている。

マガジンにもしてあるので、ご興味のある稀有なあなたはぜひフォローしてみてほしい。この奇行の顛末を見届ける、という興味本位も大歓迎だ。



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