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「ミドリムシの力で人と地球を健康にする」永田暁彦さん(後編)


「ミドリムシ」の会社・ユーグレナの副社長でありつつこれから世界を変えるかもしれないベンチャーに出資するファンドの代表も務める永田暁彦さん。日本の技術力について、どのように評価しているのか聞いてみました。


気になるニュース

ミイナ:最近自分の中で気になったニュースとかってありますか?

永田:気になったニュースですか?そうですね・・・僕はまあリアルテックっていう立場からすると、そのファーウェイ。

ミイナ:使いやすいですか?

永田:もう画面とか滅茶苦茶綺麗ですよ。カメラとか。

ミイナ:そうなんだ。

永田:なんかあれですね、ブランドというよりは本質的価値が高いものを安く売ってるので特に先進国よりもその発展途上国とかそういうところでどんどんどんどん売れてるメーカーだと思いますね。

ミイナ:なるほど、色々何か政治的な意味でも話題になってますけど・・・

永田:僕たちは結構仲いいんですよ。で、すごく技術の話をしていて素晴らしい技術たくさん持ってるんですよね。でも、多分日本の人って例えば中国の携帯っていうだけで何か壊れやすそうとか、あと今5G、次の通信の世代に変わっていく物に関して日本もアメリカもファーウェイは使わないって
いう方向
になってますけど、ファーウェイの技術使わなかったら多分日本って遅れていくんですけど・・・。ニュースとしては最近ドイツやイギリスがファーウェイの5G使うって方向に関して妨げないという風になってますけど僕はこれ、本当にきちんと技術開発をしているとそういう政治的な問題を乗り越えて社会に実装されていくっていう非常に分かりやすいニュースだなという風に思っていて。

永田:日本ってまだまだそういうチャンスいっぱいあるんじゃないかなと思うんですよ。技術立国って言われてた日本が技術を高めてくっていうことに集中してると世界からもう一回日本の技術が欲しいって言われるタイミングってもっと増えてくんじゃないかなっていう風に思ってますね。

ミイナ:なるほど。シリコンバレーにもう負けたと思ってたんですけどこれからまだまだ巻き返せる。

永田:いや、もう巻き返せるどころか圧勝してますよ。

ミイナ:本当ですか?

永田:だってもう、まだまだ世界中の人たちは日本って技術がたくさんあるって信じてますもん。僕はいつも思います。日本のこと一番信じてないの日本人だなと思ってますね。先々週もシンガポール行って、アジアの起業家たちと話をしたんですけど、みんなシリコンバレーじゃなくて日本に行きたいって言うんですよね。「だって俺たちの国にはソニーもトヨタもパナソニックもない」と。でも日本に行けばそれがある。これって日本でウェブサービスやってる人たちがシリコンバレーのGoogleとかFacebookに会いたいって思う憧れをアジアの学生たちは日本に持ってるっていう事実はもっともっと日本人って気付くべきで、だから今日本にいる若者たちって最高の場にいるんだって意識を変えたらアクション変わるかもしれないじゃないですか。それをもう一回再認識しようっていうのはすごい大切だと思うんですよね。もったいないと思います。こんなに近くにすごいものがたくさんあるのに、それを活かしてないって言うこと自体がですね。

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企業に所属するということ

永田:「ミドリムシで会社作ろうと思いましたね」って言われるんですよ。
自分自身もその投資ファンドにいて当時僕が移ったユーグレナっていうのはもう本当につぶれそうな会社だったので、みんなから「よくその意思決定ができましたね」って言われるんですけど、僕全然簡単だったんですね。なぜかというと、じゃあ次の日にユーグレナっていう会社がつぶれても自分で泳いでいけるっていう自信があったんですよね。

永田:その企業に所属するっていうことをどういう意味かと捉えるべきかっていう風に考えると、船に乗ってその船がどっかに連れてってくれるって考えるんじゃなくて、船に乗ったうえで一生懸命その船を漕いで自分に筋肉をつけていくっていう風に考えたら、その会社が倒れようとどういう環境だろうとまた次のチャレンジがしやすくなる。なので今の大企業ってこうだよねっていう言葉ってよく語られるんですけど、その一歩手前に自分自身がどうなっていけばどんな状況でも生きていけるのか、大企業にいる以上に楽しいことが起こせるのかっていう風に考えると、取ってく一手一手が変わるんじゃないかなっていう風に思ってます。

ミイナ:乗ってるだけで筋肉が鍛えられるから。

永田:筋肉鍛えるつもりで乗らないと

ミイナ:鍛えるつもりで乗らないと。なるほど。

永田:ゴロゴロしてたらどんどん弱くなっちゃうんで。

ミイナ:そうですよね。就活の時とかやった良い企業に入ったっていう所で結構目標達成みたいになっちゃいがちじゃないですか。

永田:いや、そうですよね。

ミイナ:でも実はそこからがスタートというか。

永田:会社ってのがいつまでもあるとかそういうことではない、自分自身がどう泳げるかっていう風に考え続けないと、でも逆に言えばそう考えてれば色んな楽しいことができるチャンスがあふれてるのも今の時代だと思うので、そこはすごく僕は逆に楽しい時代になったなと思ってますね。

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誰かと比較しない

ミイナ:10代、20代の若者に伝えたいことってありますか?
  
永田:一部上場企業の経営をやってますとか、そのファンドを自分で作る代表をしますとか言うと何かスーパーマンに思われることが多いんですけど。

ミイナ:いや、私もスーパーマンだと思ってました。

永田:いやいや、僕もう全然もう、中学生の時いじめられっ子ですし。

ミイナ:え、本当ですか?

永田:高校の時僕一年間引きこもってますし。

ミイナ:えー。

永田:大学一年生3回やってますし、なんて言うんですかね、こうみんな色々背負ってるし、何もない人っていない。その中で自分のできる範囲の夢を追い続けてる積み重ねがやっぱり今にあるんだなと思ってるので、まずは何よりも誰かと比較したり相対感で自分の人生を決めないってすごい大切だなと思っています。

永田:だから僕は自分の見てる自分といつも戦おうと思っていて、君はなんでこれをしてるのかっていうことを自分と問い合わせ続けるってことをしてますね。そうすると自分として納得ができる選択ができるっていうことはあるなって思ってます。誰かが良い会社だって言ったからとかではなくて、そうなるとどのシチュエーションになっても、幸せに生きる方法ってあるなと思っているので、僕はこれを「足る」を知る、「足りてる」って状況を知ろうっていつも言っていて、あの人がこうだから足りないではなくて、今足りてるものを見ながら常に自分と見つめ合うって事がすごく大切かな、その結果僕は今があるって思ってますね。

ミイナ:いや、今ってついSNSとかもあってほかの人がどうなのかとか、そんなのばっかり見ちゃうじゃないですか。比べちゃうというか。

永田:そうなんですよね。でもね、バーベキューしてるって写真、実は他人のバーベキューかもしれないですからね。

ミイナ:他人のバーベキュー?(笑)

永田:だから表面上に見えるものと比較していると、すごくつらい人生ばっかり来るなって思ってます


気になる若手、立川君

ミイナ:気になる若手とかっていらっしゃるんですか。

永田:ユーグレナって会社を辞めた立川くんって子がいるんですけど。彼、うちの会社入って1~2年で辞めたのかな。何をやってるかというと、クラウドファンディングでお金を集めて、日本中の酒蔵をめぐるっていう旅をずっとやってるんですよね。

ミイナ:彼が巡る?

永田:うん、彼自身が。

ミイナ:そのためのクラウドファンディング。

永田:しかも成立して旅してるんですけど。

ミイナ:え、本当ですか?僕の旅資金くださいみたいな。

永田:そうです。例えば彼が旅終わるじゃないですか。「永田さんあの戻っていいですか?」って言われたら多分僕「良いよ」って言うと思うんですよ。これって3つの事が含まれてて、これまで会社ってものはずっと勤めなくちゃいけないっていう物から、そういう目的で辞めて良いんだってことと、辞めた後にその目的でお金集まるんだってことと、それやった人って何かそれ以上に魅力的に見えてまたやりたいって思えるんだっていういくつかの要素が入ってるなと思っていて。そういう選択肢が取れる社会になったってすごく素敵だなって思ってるし、それを実践してる人たちがいるって言うこと、事実が何か魅力的だなって思いますね。

永田:それでなんなんだって言われても分かんないんですよね。だけど、何かいいじゃんっていうのが許される世界って僕はすごく素敵だなと思ってますね。

ミイナ:でも、お金が集まってる時点でやっぱり立川さんの魅力があるっていうことだし、あとやりたいことを好きなことをちゃんとやってるっていうそれも一つありますよね。

永田:そうですね。まあそれと何かお金の使い方っていうのが変わってきたんだろうなと思っていて。今ってだって、テレビがないとか冷蔵庫が無いとかっていうことで悩む家ってまあ基本的になくなってきていて。お金の使い方っていうのを・・・誰かを応援するとか、そういうことにお金が使われ始めてること自体が多分日本として人類として文化として、ちょっと一歩前に進んできたんだと思うんですよね。その社会を表してるってのもすごく面白いなと思います。僕らもチャレンジバック制度ってのがあって、選挙に出ますとか、NPOで働きたいですとか、そういうのでやめて行った後に戻れるっていう制度を作ったりとか。あとまあ人付き合いも一緒ですけど一つの会社しか知らないって結構不安になるじゃないですか。だから今積極的に、例えば大企業とかに出向出してるんですよ。で一年間やってみて、帰ってきてみるとか。そうすると人って大体、何かこう内側しか見てないといいとこ悪いとこ見えないんだけど、外に出ると「あー、あそこ良かったな」とか「やっぱり、こここっちの方がいいな」っていうのが分かって帰ってこれるとか。で、僕は究極、自分の会社に居続けてほしいというよりは社会が変わるきっかけにみんなでなっていったらいいなって思っているんですよね。僕は常に思っているのは、経営者として思ってるのは、一人二人辞めて会社としてどうかなるような状況を作ってる方がダメだと思ってるので、その選択肢を
みんなが選べるような環境にするってのも、自分の経営者としての役割
だなって思ってますね。

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死ぬまでにやりたいこと

ミイナ:死ぬまでにやってみたいことってありますか?

永田:あの、めっちゃあります。

ミイナ:めっちゃあった。

永田:めっちゃあります。めっちゃあるんでちょっと難しいんすけど、僕、解決したい課題が社会にたくさんあるんですけど、まず僕らは今健康とかエネルギーの問題をやってるんですよね。これをあとまあそうですね・・・エネルギーの問題10年で日本に今までないものを生み出したいんですけど、これに合計20年かかってるわけですよ。でも、それに成功したら多分次ね、10年で違う課題解決できると思うんですよ。なぜなら会社も力をつけてるし、僕も経験を積んでるし、そうするとその次の課題が5年でできると思うんですよね。その次3年で出来て、そしたら積分地で死ぬまでに自分がやっぱり課題だなと思ってることほとんど解決できるんじゃないかなと思ってて。この意思を持ち続けた人生を歩みたいっていうのはすごい強いですね。何か、良くしたいです、世界を。やりたいことです。

社会課題の捉え方

ミイナ:やっぱりそうなってくると課題ばっかり見えてくるわけですか?

永田:何か課題ってそれがさっきの人類の課題が解決したらどういう世界になるのかっていう所がすごく大切で。何かこうマイナスをプラス、何かゼロにしたいっていう話じゃなくて、これが無ければこんな楽しいこと起こるんじゃないの?って思う課題にすると、すごくいいと思うんですよ。だから地球温暖化何とかしたいっていうのは当然なんですけど、それって即ち自分の孫の世代も同じ魚が食えるって世界だよねとか、そこをイメージして目の前の課題を解決すると思った瞬間に一つ一つの何かこう色彩が変わるというか。黒いものをつぶしてくんじゃなくて、鮮やかなものを守りたいっていう発想に変わるんじゃないかなと思っています。

ミイナ:あるいは鮮やかな可能性があるよって言うことですよね。タケコプターとかあるかもよみたいな。

永田:めっちゃ楽しくないっすか、タケコプターあったら。

ミイナ:タケコプターあったら超楽しいですよね。

永田:っていう想像とか、わくわくとか好奇心で課題に向き合ってるって感じですね。


ミートテックって何?

ミイナ:あのちょっと気になってるのが、ミートテック(Meat Tech)

永田:ミートテック?

ミイナ:はい。気になってるんですけど。割と最近アメリカでそういうのにすごく注目が集まってるじゃないですか。どう思いますか。

永田:あのミートテックって今は一番ホットな技術領域の一つで、さすがっすね。

ミイナ:ありがとうございます。肉食べたかっただけです。

細胞を培養して肉を作る技術

永田:ミートテックって今2種類あって、一つが動物の肉を使わずにその肉として食べれるものを作りましょうっていうことなんですね。

永田:大体まあ大豆とか色んなたんぱく源に、あとは肉っぽい味をつけるためには色々成分だいぶ分かってきていて、で鉄分とか加えると肉っぽくなってくんですけど、っていうチーム。もう一つが、肉の細胞を培養して肉を作るっていうチームがあるんですよ。

ミイナ:そう、そっち興味あるんですよね。

永田:これ滅茶苦茶大切な技術で。

ミイナ:何か豆腐ハンバーグとかそういう話じゃなくて、細胞から肉を組成するみたいな話ですよね。

永田:そうです。ブクブクブクブク、肉の1個の細胞が増幅していって、最後はもう肉になるんですけど。これ何が素晴らしいかって言うと、その動物を食べるっていうことは動物を育てて大きくするって事じゃないですか。動物を大きくする過程にはものすごいたくさんの植物を使ってるんですよね。だから本当は牛を1kg食べるんだったら大豆を10kg食べれるはずなのに人間は肉を食べたいので、牛を育てると。これすごく地球環境に負荷を与えていて、だけどもう細胞1個を増幅していくって言うことをやったら、実は牛を育てるよりも遥かに低エネルギーで肉を食べられるっていうことで、どちらかというと結構地球環境とかのテーマになってます。あとは常に科学者と話してるとあるのは火星なんすよね。

念頭にあるのは火星

ミイナ:火星なんですね。

永田:「宇宙で肉食いたいじゃないですか」「うん、確かに」みたいな「牛連れてきます?」みたいな。「火星で牛育てられるかな」とか。だけど火星で細胞の培養ならできると。

ミイナ:そういう発想なんですね。

永田:そういう発想です。

ミイナ:ちなみにもうできるんですか?

永田:もう食べれますよ。高いけど。

ミイナ:でもそれはだから肉ってことですよね。

永田:肉自身ってことです。だからさっきのお肉が食べられない人っていうよりは・・・

ミイナ:よりは肉が食べたい人、けど環境に負荷かけたくない人。

永田:そう、で火星で食べたい人。

ミイナ:で、火星で食べたい人。おいしいっていうか味はどんな感じなんですか?

永田:これがその人間ってやっぱり美味しいって感じるものが複合的でそれこそ一つの肉の細胞じゃなくて色んな肉の細胞、脂の細胞、これが混ざって人間って美味しく感じてるのでここが難しいですね。一つの細胞だけを増幅させても美味しい肉にはならないので。

ミイナ:そうですよね。何かたんぱく質の細胞だけ増幅させても巨大なたんぱく質の塊になっちゃって、きっとおいしくないですよね。

永田:それをどうやれば美味しくできるかってのも研究テーマですね。

ミイナ:なかなか難しそうですね。

永田:難しいけど、でも面白いし火星で肉食いたい。

ミイナ:え、ユーグレナはそれの材料になったりする可能性は?

永田:滅茶苦茶良いこと言いますね。細胞が増えるために必要な培養液。まあこれに何を入れるかってのはものすごい秘密がたくさん詰まってるんですけど、そこにはミドリムシって物自体も単細胞の生物が増えてくっていうプロセスがあるので色んな技術が使えるという風に思ってますね。

永田:だからこういう単純に肉増やす技術だって話が、実は火星なんですみたいな話ってやっぱり知ると面白いじゃないですか。そういう、目線の切り替わりとか実はこういう世界なんだっていうことを知れば知るほど僕はその目の前のものが面白くなると思っていて。これもう1個話していいですか?

ミイナ:お願いします。

永田:最近有名な話でそのispaceって会社が、月に探査機を送るっていうプロジェクトを民間企業でずっとやってたんですよね。HAKUTOっていうプロジェクトやってて。月にそのラジコンみたいな車送ってどうすんのって話ですよね。

ミイナ:転がしてどうするのって。

永田:そう。あれも何のためにやってるかというと月の中には地中に水があるんですよね。で水を発見するプロジェクトなんですよね。

ミイナ:本当にあるんですね。

永田:あります。氷が埋まってるので、でそれを見つけると何に使うかというと飲み水じゃなくて月から今度はもっと向こうの宇宙に飛び立つための出発点にしようとしてるんですよ。水を分解すると水素と酸素に分かれるじゃないですか。そうすると水素がエネルギーになって、水素エネルギーで宇宙の果てに飛んでいける。だから月を探索してる理由って宇宙の果てを探索するための一歩目の基地を作ってるってなった瞬間に、もうわくわくするーって感じじゃないですか。あ、僕はわくわくするんですけど。

ミイナ:夢しかないですね。夢しかない。

永田:宇宙の果てに行くエネルギーを探す旅なんですよね、あれは。


ミドリムシの味

ミイナ:野菜と乳酸菌。

永田:これミドリムシが入っているんですよ。1.5億個。

ミイナ:石垣産・・・。「ユーグレナの大きさには個体差がございます」って書いてありますけどこれは消費者に伝えることでどういう意味があるんですか?

永田:まず生物なんでそれぞれの個体差があるっていうのと、グラムじゃなくて何億個で説明しているってことなんですよね。乳酸とかもそういう方がお客さんは喜んでくれるらしいですよ。僕にはわかるんですけど、ちょっとミドリムシの味しています。

ミイナ:ほんとですか?ミドリムシの味がわからない。


リュックサック背負ってテキサスへ・・・

ミイナ:この美しい景色はどちらなんでしょうか。

永田:メキシコですね。実は・・・何しにここに来たかなんですよ。バイオジェット燃料を実現したいっていうのを考えたときにミドリムシから油を搾って今度はジェット燃料に変換しなきゃいけないんですよね。そのためには製油所が必要なんですけど、その製油所の技術を持っているのって日本だと大きな石油会社しかもっていないんですよ。僕たちはベンチャーなので製油所を作らせてくださいとか、これやってくださいって言ってもなかなか応えてもらえなくて。その時に「よしっ」って言って決めたのが「世界で一番大きな石油会社のシェブロンにお願いしに行こう」って言ってリュック背負ってテキサスまで行ってきたときの写真です。そんな感じないじゃないですか?

ミイナ:ないですね。

永田:なぜかというと、いい話ができたあとだったからですね。僕たちは・・・リュック背負った青年が世界最大の石油会社に行って「石油を精製する技術を僕たちに教えてください」ってお願いしに行ったんですよ。そうしたらテキサスおやじみたいな人たちで「面白い若者が来たからやってやろう」って言って今僕ら日本でバイオジェット燃料の製油所作ったんですよ。それってシェブロンと作ってるんですよ。

永田:きちんと夢をもってベンチャースプリットを持ってやることを応援してやろうって思ってもらえて、すごいことだなと思ったんですよね。

ミイナ:いい話ですよね。

永田:逆に言うとこの写真に至るまでにはほかにいっぱい失敗していて「ばかやろう、できるわけないだろ」って言った大きい会社もあるわけですよ。それをやってくれたのがテキサスにあるシェブロンで。シェブロンと交渉するために行ったんですけどテキサスにメキシコが接していて、早朝抜け出して国境を越えてメキシコに行ったのが写真です。思い出のつまった写真ですね。チャレンジだったし、ビジネスだけじゃなくて人の心でやりあっているのが楽しかったですね。

ミイナ:ほんとに今日はありがとうございました。



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