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この世で一番広いものは何ですか?

TBSラジオ「全国こども電話相談室」アーカイブ

Q:この世で一番広いものは何ですか? (小6、女の子)

女の子:近くでは一番広いものは宇宙なんですけど、心も広いんじゃないかと思って…。

おねえさん:なるほどね。世界で一番広いもの…。先生方、何でしょうね?

広瀬先生:ぼくは広いの大好きですね。私は今、富士山に住んでいるんですけど、なぜ富士山に住んでいるかと言うと地平線が見えるということで住んでいるんです。地平線って分かるかな?

女の子:はい。

広瀬先生:地平線というのは目で見てずっと空と地面のはじっこ方、そこまで見渡せる世界というのがとても好きだったんです。というのは、ぼくは若いころ、アジアの国々で暮らしていて、そこは地平線だらけだったの。それで、地平線が見えると本当に気持ちが良くなって、その広さは心をとても柔らかくしてくれるから、私は広いものが好きなんですね。でも、心の中にも地平線ってきっとあるよね。

森田先生:でも、心が広いって優しいとかそういう意味もありますよね。ぼくの場合は彼女が「宇宙と心」が広いと言ったけど、それに尽きると思いますね。だから、物質的な広さ、つまり、物質的というのは、私たちが存在している中ということで、宇宙より広いものはないですね。宇宙はどこに限りがあるか分からないんですから。それで、なおかつ、その広さをどうして広いのかと、考えたりするのかが人間だったりするよね。もし、人間がいなかったら宇宙があっても無くても一緒ですから。あるいは自分だけと言い換えても良いよね。つまり、自分が存在していなかったら宇宙があろうが無かろうが意味がないからね。そう考えると自分の心の中が一番広いのかなって思うよね。だから、その2つが双璧じゃないかな。

おねえさん:今、自分の眼で見えるものと見えないものの2つが出てきていますけど…。

ヒサ先生:今、森田先生のおっしゃったことに尽きると思いますけど、例えば宇宙の広さとか時代の古さ。地球の歴史が46億年あるとかそういうことは、人間は心で思って、初めてそう考えるわけだよね。今の現代には恐竜は存在していないし、宇宙の広さだって勉強・研究した人が、これだけ広いんだよと教えてくれるんだけど、その広さって実際には分からないし、実感がわかないよね。空に星が見えるけど、その星がすごく遠くにあると学校では教えてはくれるけど、本当はどの程度遠いのか中々分からないよね。でも、そういうことを全部人間が知っているのは、私たちの頭にあるこの小さな脳のおかげなんですよ。この脳の活動がなければ、普段の広さも宇宙の広さも時間の長さも全部分からないんだよね。ですから、人間の脳が見た目はそれほど大きくないけれど、一番広いものなんじゃないかな。

おねえさん:どうかしら? 人間の脳が一番広いという先生のお話も出たけど…。

女の子:はい。

広瀬先生:サイズと言うと、この世の中には色んなサイズがあって、虫のサイズ、人間のサイズとそれからとてつもなく巨大な生き物がいるとしたら、その生き物のサイズというのを考えてみると面白いかもしれませんね。

ヒサ先生:子供のころ、六畳一間がすごく広く感じたんですよね。でも大人になるとすごく六畳が狭くなるんだよね。だから自分の体の大きさによっても違う風に見えると思うよ。

森田先生:確かにそうですね。私も二階建てがものすごく高いと思っていました。

おねえさん:そうですよね。プールも深いと思っていたら、大人になるとそうでもなかったり。自分が広いと思うものとお母さんやお父さんが広いと思うものを比べて違いがあるのを調べて見るのも面白いかもしれませんね。


ホールアース自然学校代表の広瀬敏通先生/恐竜博士でイラストレーターのヒサクニヒコ先生/お天気キャスターの森田正光 先生

注:「全国こども電話相談室」は1964年7月から2008年9月まで全国各地のTBSラジオの系列局で放送された番組です。回答内容及び回答者の肩書・役職等は放送当時ものであることをご了承ください。

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