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【コーチインタビュー #1】コミュニケーションを学んで180°変わった自分との向き合い方。全ての人が自分の色を出せる世界へ。

徐々に日本でも主流になりつつあるコーチング。
コーチングを受けたことがある人は多いと思いますが、コーチとして活動している人の話を聞く機会は意外に少ないのではないでしょうか。

実はコミュニケーションのプロである「コーチ」としての活動は、コーチングセッションや研修の提供だけではありません。日常のあらゆるコミュニケーションや仕事の中でも学びを活かして活躍しているコーチもいます。

そこで、本特集「コーチになって拓けた新しい視点」では、一般社団法人トラストコーチングで活躍されているコーチへのインタビューを通じて、コミュニケーションを学ぶことの魅力や「コーチ」としての様々な活動のあり方をお伝えしていきます!

末竹 哲也さん TCS認定コーチ
精密機器メーカーのエンジニア。自身のキャリアに迷った時にコーチングと出会う。もっと応援してもらえる仕事にしたい、と継続的にコーチングセッションを受講。家族との関係性が仕事のやりがいに強く影響することを肌で実感し、コーチングを学び始める。『働く人にパートナーシップの視点を』をテーマに、TCS認定コーチ、MCS認定マザーズティーチャーとして活動している。


なぜ、コーチングだったのか?

ー 末竹さんがコーチングを学び始めようと思ったきっかけについて教えてください。

末竹  私は今エンジニアをやっているのですが、以前すごく仕事がしんどかった時期があって・・・。その時に、たまたま出会ったのがコーチングでした。それまでずっとしんどかったのですが、コーチングに出会ってから、少しずつ自分の気持ちが楽になる感覚があった。それが学び始めようとしたきっかけでした。

その感覚があったからこそ、今までずっとコーチングを通じてコミュニケーションを学び続けられているんだと思います。

ー 当時、どのようなしんどさを感じていたのでしょうか?

末竹  当時を振り返ると表向きには「上司が厳しい」みたいな感情だったと思います。でも本音では、自分が周囲の期待に応えられないというか、もっと成果を出したいのにうまくいかないみたいな感覚でした。

理想の自分とのすれ違いというか、自分を認められない感覚とも言えるかもしれません。

周りの人も気にかけてくれて「焦らず、一つひとつ取り組めばいいんじゃない?」と声をかけてくれたんですが、自分でもわかっているけどなかなかできないことにもどかしさを感じていた。
この状態から抜け出せない状態が続いていたので苦しかったですね。

このままじゃいけない、なんとかしなくちゃ!と思って、何をやったか覚えてないぐらいいろんなことにチャレンジしました笑

ー その中でもコーチングがご自身の心に残ったのは何故でしょうか。

末竹  ある時、信頼している人から「自分の視野を広げる意味でも転職活動をしてみたら?」と言われたことがあったんです。

たまたま縁あって、コーチングやコミュニケーション研修を提供している会社の面接を受ける機会がありました。
面接官は当然ながら普段コーチをされている方です。面接中に「これまでの人生で心に残ったフィードバックはありますか?」と聞かれて、何かしら答えたんです。

そしたら面接官から「末竹さんはフィードバックを受けたことがないんですね」とさらっと言われた笑

自分ではフィードバックくらい受けたことあるわ!という気持ちもあったから、むかつくかと思いきや、嫌な気持ちは一切なく、面接官の言葉をスッと受け入れていた。

この感覚が自分にはすごく不思議でした。「なんやこれ!」みたいな笑 
それからしばらくその面接官のフィードバックが頭の中に残っていました。
コミュニケーションってこんな力があるのか!面白いな!と思いました。

ー いきなりそんなことを言われながらも全くイラッとしなかった末竹さんがいた。

末竹  そうなんですよ。多分この体験が今の僕のベースになっていて、コミュニケーションをもっと深めていきたいと感じているんだと思います。

180°変わった自分との向き合い方

ー そう感じた末竹さんが引き続き同じ仕事を本業として続けながら、社外ではコーチの資格も取得し今に至るまで様々な活動を続けていらっしゃいますが、コーチングを学び始める前と後で何か変化はありましたか?

末竹  そうですね・・・。自分との向き合い方も含めて、コミュニケーションを見直す中で変わったことがあります。

人って誰しも「自分のここを直したい」「もっとこう変わりたい」みたいな想いを持っていると思います。
以前の自分は「変わりたいけど、変われない。そんな自分はダメなんだ」と自分にダメレッテルを貼り続けていました。

でもコミュニケーションを学び続ける中で、昔と今どちらが良い悪いみたいに自分をジャッジする感覚がどんどん薄くなっていったんです。同時に気持ちもどんどん楽になった。
そのままの自分でもいいんだと考えられるようになったんですね。

ー 何がそのような気持ちの変化を生んだのでしょう?

末竹  一言で言うと「視点が増えた」ことが大きいと思います。コミュニケーションについて考える機会が増えたことで、色々な捉え方があることを学びました。

そして物事をいろんな視点で見れるようになった。良い悪いみたいな単純な捉え方じゃなくて、複数の視点で自分をみた時に今まで頑張り続けてきた自分もいたわけで、「ありのままの自分で大丈夫」と思えるようになったんだと思います。

もちろん、今でも心のどこかで誰かに認められたい、今のままじゃダメだって感じる時はありますけどね笑

末竹さんは誰に認められたいと感じているんですか?

末竹  何人かいますけど・・・笑 やっぱりまずは家族ですね。もちろん、家族は既に私のことを認めてくれていると思っていますが、この前印象的な出来事があって。

今、私がコーチになってコミュニケーションを本格的に学び始めてから3年半ぐらい経ちましたが、確か2年くらいたった時です。
ある日、妻から「何かあなた、ちょっと変わったよね」って言われたんです笑

自分はもっと前から変わったつもりだったけど笑、2年経ってようやく一番身近な人からそう言ってもらえてとても嬉しかったというか、ほっとした自分がいました。

やっぱり身近であればある程、自然体で向き合うって難しいと思うんです。コミュニケーションをどれだけ学んでも素直になれない時がある。
でも学び続けたことで家族にも変わったと感じてもらえたことで、なんだか肩の荷が下りた気がしました。

ー 末竹さんは何にほっとしたんですかね?

末竹  う〜ん・・・。うまく言えないですけど、何だかようやく妻と横に並べた感覚でしょうか笑

もちろん、前から対等な感覚はあったと思います。でもどこか、家族との向き合い方に関して引け目を感じている自分が心のどこかにいたようで・・・。

自分の中でありたい夫像や父親像があって「俺、夫として、父親としてほんまに大丈夫かな」みたいな感覚がありました。
「ありたい自分になれていない」と感じている自分を必死に守っていたんでしょうね。自分を守ることに必死にエネルギーを使っていた。
でも、先ほどの妻の言葉を聞いて「あ、大丈夫だ」ってスッと肩の力が抜けた。自分を守るために使うエネルギーが一気に減った感覚がありました。

ー ご自身に向いていたエネルギーが徐々に減って、その分ご家族と向き合える状態になっていったんですね。

末竹  はい。不思議ですけど、今思うと以前思っていた「ありたい夫/父親像」って実は本当にそうなりたいとは思っていなかったことに気づいたんです笑

もしかしたら自分のありたい姿ではなく、単なる憧れを追っていたのかもしれませんね。自分には合わない、追う必要のなかった憧れを捨てることができたことが大きかった。



変わった職場の人間関係

ー それではご家族とのお話から変わり、職場での過ごし方で変わったことはありましたか?

末竹  なんだろう・・・今まで以上に気軽に話しかけてくれたり、相談してくれる人が増えたんです。

ー 今までと比べて末竹さんに話しかけやすくなったのでしょうか?

末竹  それはあるかもしれません。しんどそうにしている人を見ると、冒頭でお話しした、自分がしんどかった時期と重ねる時があるんですよね。

あの時の自分も気軽に話せる人がいたら違ったかもなって感じることがあって。もちろん、当時仮にそういう人がいてくれたとしても自分が相談できたかは分かりません。でも、せめて自分はいつでも気軽に話ができる存在でありたい。もしそれによって誰かが楽になるのであれば、それ以上に嬉しいことはない。

ー ご自身と同じような境遇、同じような想いをされる方を少しでも減らしたいのですね。

末竹  はい、そうだと思います。ただ、それだけじゃなくて別の想いもあることに気づきました。

エンジニアとしてモノづくりの面で私より他にもっとすごい社員がたくさんいます。そう思った時に、私は優れたモノは作れないかもしれないけど、その分そこで仕事をする人たちの「心の交通整理」をすることで力になりたいなと考えているんです。

誰しも何かしら情熱を燃やせることがあるはずです。やる気が出る秘訣って意外とシンプルなことだったりする。私はチームがイキイキと働けるような環境を作ることに使命感を感じているのかも知れません。

モノづくりの現場って設計時に仕様が決まっているから自由度が限られているんですが、私と関わった方々が少しでも自分の色を出せるようになったらとても嬉しいですね!

ー 「心の交通整理」、素敵ですね。相手が末竹さんとお話しする中で、無意識に背負っていた心の重りが無くなり、本当にやりたいことに熱中できるイメージでしょうか。

末竹  そんな感じかもしれません。例えば「不安」な気持ちをどう処理するかってとても難しいと思うんです。

人によっては不安な気持ちを外に出してしまった方が楽になることもある。この「不安な気持ちの出し方」は人によって全然違いますが、とても大切だと思っています。それぞれの人が抱えている不安な気持ちに対して、自分にあった出し方ができるようになるとチームとしても落ち着くと思うんですよね。


ヘルスケア×コミュニケーションを生み出す未来

ー とても温かいチームですね。最後にこれから末竹さんはどんなチャレンジをしてみたいですか? どんなことをやっている自分に一番ワクワクするでしょうか。

末竹  何でしょうね・・・。でも今とそんなに大きく変わらないような気がするんですよ。やり方は変わるかもしれないですけど。

きっとどれだけお金を稼いだとしても今の会社を辞めないと思います笑
今の会社にはヘルスケア領域の取り組みがあるんですが、実は私が学び続けているコミュニケーションとは相性が良いと考えています。

例えば、より健康になるためには意識や行動を変える必要がありますよね。こうした領域において自分との向き合い方や物事の捉え方も含めたコミュニケーションの知見を活かせるはずです。
物事の捉え方が変わって「あ、自分でもできるかも」と思えると、行動も変わって徐々に健康になっていく。ものづくりだけでは行動変容にまで至りません。

こういう視点を持つと、人と接点のあるロボットの開発のあり方も変わると思います。健康に関係する機器の仕様を決める人たちに「健康×コミュニケーション」の視点が増えていくと、世の中はとても良い方向に動くと考えています。



以上、いかがでしたでしょうか。

インタビューの中で、自分のことより、自分にとって大切な人の話をしている時の表情がとてもイキイキされていることが印象的でした。

私たちの生活の豊かさは自分が世界を「どう捉えるか」によって大きく変わるのかも知れない、と末竹さんのお話を聞いて感じました。


トラストコーチングは10年以上の実績と第一線で活躍するビジネスパーソンに選ばれ続けてきたコーチングブランドです。

2015年より《誰もがコミュニケーション(コーチング)を学ぶ文化を創る》というミッションを掲げ、より多くの方に、もっと身近にコーチングを体感して頂きたくTCSが誕生しました。


コミュニケーションを学んでみたい!と思われた方はぜひHPをご覧ください!

また、気になる点などございましたらお気軽に事務局までご連絡ください。


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