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【1話完結小説】プレッピー

耳を澄ませてよくよく聞いていると
クルックー
と鳴いている公園の鳩たちの中に一羽だけ
プレッピー
と鳴いている鳩がいた。きっと良いところの出身なのだろう。育ちの良さを感じさせる佇まい。優等生的なカラーリング。
どうか周りに流されずそのままを貫いて欲しいと願うばかりだったが、一週間後、公園へ行くとどの鳩もみんな
クルックー
と鳴いていた。
やはり生き物というのは周りに染まってしまうものなのか…と僕が寂しく思っていると、傍らのベンチで読書していた女子大生がパタンと小説を閉じ立ち上がった。
その佇まいとカラーリングはまさしく先週見かけたプレッピーな鳩そのもので、彼女は僕に向かってひとこと
プレッピー
と笑いかけ立ち去って行った。
…そうか君は鳩じゃなくなったんだな。
僕は思わず笑顔になりその後ろ姿を見送った。

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆

参考:プレッピーとは
https://www.fashion-press.net/words/215

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