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共著の英語論文が公開されました。

大学院時代の指導教官との共著論文が先日ようやく公開されました。

論文の概要

掲載されたのはNational University of Singaporeが発行する『Asian Journal of Social Science』で、
タイトルは「Body-mind discipline for life: The non-conformity of contemporary Japanese tea ceremony practitioners」
(「non-conformity」は「非服従」のような意味で使っています。)

今回の英語論文の根拠となっている修論でのフィールドワーク調査やインタビューは、オンラインで全文公開しています。そのため今回の論文と修論で重複する箇所は多々あるのですが、特にPart Ⅱの「The autonomous life of tea practitioners」は新情報を元に執筆しています。

Part Ⅰは指導教官による1996年頃の調査結果、Part Ⅱは2016年頃の私の調査を元に書かれています。
いずれも調査対象は茶道修練者ですが、それぞれ家庭における主婦(Part Ⅰ)や会社における会社員(Part Ⅱ)として、いかなる文脈の上で彼らが茶道をしているのか分析しています。そして、20年を経た二つの調査を結合しました。

茶道に限らず家庭や会社など家父長制が残る組織・集団は多くあるのですが、心身の規律(お点前)を習い極めることは組織への服従を意味しないのではという関心のもと、心身の規律を極めたものは、組織への服従を必要としない、という結びに繋げていきます。

注意事項

修論公開時の反省から予め申し上げておくと、大前提として、加藤・矢島両者ともに茶道バンザイ的な執筆内容ではありません。事前にご承知おきいただけますと、読後のギャップや落胆も少ないのでは…と思います。お読みいただいた時間は返せませんので…。

何も礼賛せず、当然何を貶す意図もなく、事実と分析を書いています。何をどう変えたいという主張も、一切ありません。

初稿は2020年頃に執筆しています

↑思えばこの論文の初稿は2020年に提出しており、査読に1年、他の研究者さんの論文が揃うのに1年弱かかり、公開されたのはもう2022年も終わりが見えてきた頃…。そのため、私の所属先も執筆当時のものです。

修論で集中的に携わった研究対象について、そして修論の続きとも言える自身の社会人生活(生データ?)について、まとめる機会を指導教官からいただけて、いい区切りとなりました。

今後論文の形でアウトプットするかは分かりませんが、関心の対象も移っていきますし、既に移っていると感じています。

何度も修正してくださった指導教官と、辛抱強く英文校正をしてくださったサラさんに、特別感謝申し上げます。
また、予想外の場所に着地する論文にご興味を持っていたける方がもしいらっしゃいましたら、謹んで感謝いたします。


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