超簡単な問題に全然答えられなかった話


 

「常識とは、十八歳までに身に付けた偏見のコレクションでしかない」相対性理論で有名なアインシュタインの言葉だ。

 こんな話がある。息子と父親が交通事故に遭った。父親は即死。息子も意識不明の重体。だが幸運にも天才外科医と呼び声の高い医師(病院の院長)が直々に手術をすることになった。
 病院の手術室に運び込まれた子どもを見た院長は息を吞む。「手術は(とても辛いので)できない。この子は私の息子だから。」一体全体どういうことだろうか。





 あなたはどんな複雑な家庭を想像しただろう。正解はシンプルで、「院長は子どもの母親」である。ドキッとした方も多いと思う。かく言う私もその一員だ。

 私たちは少なからずアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見 この場合は外科医といえば男性。院長といえば男性。など)を持っている。

 これは大枠を掴む上で決して悪いだけのものではないが、無意識の内に私たちの思考や意思決定に根深く作用している。

 問題なのはこれによって視野が狭まり、様々な場面で多様性が失われてしまうことだ。多様性のあるグループは発想力に優れ、生産性も高いことが別のデータで示されている。まずは自分に無意識の偏見があることを自覚することから始めてみてはどうだろうか。

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