見出し画像

夏の山菜採り 北海道しか勝たん

 名人に連れられ、山菜採りに出かけた。6月も中旬。そろそろ山菜も終わりかと思っていたら、いい意味で予想を裏切られた。
 この日のメインターゲットはタケノコ。とは言っても、孟宗竹は道内にほぼ生えておらず、道産子にとっては「根曲がり竹(ネガマリタケ)」のことを指す。
 採取場所は後志地方の某山。登山口の駐車場は満杯で、林道に縦列駐車ができるほどタケノコハンターでごった返していた。
 登山道を歩き始めると、すぐ両脇にネマガリダケの群落が見えてくる。ただ、ふもとはハンターが収穫を終えているため、やや太めのタケノコがにょきにょきと顔を出す5~6合目まで歩を進め、採取を始めた。
 さらに上へ。7合目付近まで登ると、まだ雪渓が残っている。


 名人の案内で竹林をかきわけ、小川に出ると、辺り一面に臭~い香りが漂う。通称「アイヌネギ」と呼ばれる行者ニンニクだ。しばしタケノコを忘れ、「ネギは神」「行者ニンニクしか勝たん」などと叫びながら、腰をかがめて摘み取り作業を進めた。


 下山の際には、ウドをはじめ、名人が「天ぷらにするとおいしい」と太鼓判を押すヤマブドウの若芽も採取。地球環境を脅かさない程度で山菜採りを終えた。


 温泉につかって札幌へ戻ると、名人がオーナーを務める店でタケノコ焼き、ジンギスカンと行者ニンニク炒め、ウドとヤマブドウの天ぷらなどを味わった。




 自分で採った行者ニンニクを口にするなんて、ニセコに住んでいた20年前以来。雪渓のある標高まで登れば、真夏でも行者ニンニクが採れるかもしれない。「夏は北海道しか勝たん」と思えた1日だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?