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【技術教師旅】印刷博物館

今回は、東京都文京区にある「印刷博物館」に行ってきた。
半年ほど前、ラジオで印刷博物館というものがあると知り、印刷技術にはどのような歴史・文化があるのか気になっていた。
 
設立から20年の歴史ある印刷博物館、企業が運営する博物館は専門性が高く、とてもユニークなので見ていて楽しい。
 
入り口を入ると、壁一面に古代から現代までの、壁画、印鑑、木版、印刷物が展示されている。全てレプリカで作られており、ショーケースに入れずにダイナミックに展示されている。思わず一つ一つの作品に引き込まれてしまう。
 


印刷の日本史コーナー
 


日本における印刷の起源は、製紙術が610年に高句麗から日本に伝えられたとされるが、現在に残る印刷物は少なく、不明な点が多いようだ。鎌倉時代から、木版での印刷が本格的に行われるようになり、奈良や京都、和歌山、鎌倉の寺院が書を印刷していた。当時は、寺院が多くの職人を抱える技術の集積地だったようだ。宗派に関する書物、詩文集などが印刷された。袋とじ製本もこの頃に取り入れられ、本の基本形態として後の時代に引き継がれていく。
 


16世紀、時代が安土桃山から江戸時代にかけて活字印刷が日本に伝えられた。
これまでの木版印刷では、文章がかわるごとに版を彫りなおさなければならなかったが、活字印刷は、活字の組み合わせを変えるだけで、様々な文章を作ることができるため、飛躍的に印刷技術が進歩した。徳川家康はじめ、後陽成天皇や豊臣秀吉がこぞって印刷事業をおこし、覇権争いをしたとされている。
 


このブログで、あまりたくさん内容を書きすぎると、見にいく楽しみが減ってしまってはいけない。ここから現代にいたるまで、布教活動・覇権争いに使われてきた印刷物は、啓蒙書・新聞・広告・学術書など内容は多岐にわたるようになる。印刷技術の進化が、一部の人々に限られていた書物の恩恵を広く普及させ、人々に知識を与え、産業、文化を作り上げてきたと言っても過言ではない。
 
 
 
【印刷博物館HP】
https://www.printing-museum.org
【印刷博物館ポッドキャスト】
https://anchor.fm/printing-museum/episodes/4-1-Part1-e130jhf
【印刷博物館副館長の論文】
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsik/17/3/17_3_182/_pdf/-char/ja

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