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【材料学】象牙

テレビやラジオ、さらに手回し蓄音機もない時代、人々の娯楽器具といえばピアノでした。中産階級の家庭では、ピアノの周りにあつまり即興のコンサートをしたり、バーや酒場、レストランにはピアノが置かれていました。
このピアノの鍵盤には象牙が使われていました。工業化以前の時代には象牙は、軟らかく加工しやすいことから、彫刻して像や装飾品にしたり、箱、パイプ、印鑑、入れ歯にするなど様々な場所に使われていました。
しかし、人間が消費財や贅沢品としてゾウを大量に殺してしまったため、象牙の供給量が減り、それに危機感を感じたビリヤードの玉を製造していた企業フェラン・アンド・コランダー社は、合成の代替品を考案できた人に1万ドルの賞金を出すとしました。これにより生まれたのが、「セルロイド」現在のプラスチック製造技術でした。

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