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【技術の歴史を読み解く】第1回:なぜ『技術の歴史(全14巻)』を奥さんと一緒に読もうと思ったのか

自分のツイッターの固定ツイートにもしてるんですが、2019年の頭に『技術の歴史(全14巻)』を買いました。しばらく積ん読状態になっていたのですが、時間を作って読み解いて、noteにしっかりまとめていこうと思います。

本記事は具体的な内容に入る前に、

・なぜ『技術の歴史』を読もうと思ったのか
・なぜ奥さんと一緒に読もうと思ったのか

といった、この企画の概要について書いていきたいと思います。

1. なんで『技術の歴史』を読もうと思ったのか

まず初めに、僕が『技術の歴史』を読もうと思った動機なんですが、

「テクノロジーというと、(自分の場合は)プロダクトとかサービスに意識が行きがち。なので、人類がこれまで生み出してきたテクノロジーを歴史を通じて眺めることで、テクノロジーに関して自分の目線を広げたい」

という気持ちがちょっと前からあったからです。

特に、ここから何年(何十年)かは「テクノロジーによって人間がこれまで生み出した営みがどんどんアップデートされていく」時代と考えているので、アップデートされうる対象について幅広くアンテナを張りたいという気持ちで『技術の歴史』を手に取った、という感じです。

どうせやるなら思いっきり昔から!ということで、人間になる前の話もちょっと含まれそうです(笑)

2. なんで奥さんと読もうと思ったのか

奥さんが

・技術に興味と知識がある(通信業界勤務経験、テック系のライター仕事経験など多数)
・歴史や文化に対する興味と知識がある(日本史、西洋音楽、ランドスケープデザインを大学で専攻→日本庭園史で修士もち&専攻分野のライター仕事もしている)

という人なので、自分1人で読み進めていくより深い理解や考察ができると思ったからです。

最近も『暗号解読』という本に夢中になってました。

3. 今後の予定

奥さんと相談して「まずは目次だけざっと読んで内容を想像してみる」ことにしました。で、最初から読むか最後から読むか迷ったんですが、現代に近い方がイメージしやすいだろうということで最後の方から読み始めました。

『「20世紀」をテーマにした10巻~14巻の目次を眺めながら話す会』は開催済みなので、近いうちに内容まとめて記事公開したいと思います。

参考:『技術の歴史』概要と全巻目次(大項目のみ)

以下、『技術の歴史』の概要になります。

発行年:増補版・翻訳書1巻の初版 1978年
出版社:筑摩書房
著者:チャールズ・シンガー, E.J.ホームヤード, A.R.ホール 編
その他補足:イギリスの著者中心のため、主に西欧での歴史が中心(初回の導入部分に著者からその旨記載あり)

1~2巻(原始時代から古代東方・前編~後編) ~BC500年頃

第1部:基礎となる社会的要因
1章 人類の技能
2章 初期の社会形態
3章 発見、発明、伝播
4章 言葉と言語
5章 原始的な時間の計算

第2部:食物採集の段階
6章 石器、骨器、木器
7章 筆写芸術と造形美術
8章 採取、狩猟、漁労

第3部:家庭生活をめぐる技術
9章 回転運動
10章 発火、燃料、照明
11章 化学技術、料理技術、化粧料技術
12章 小枝、木造、芝土による建物

第4部:産業の分化
13章 動物の家畜化
14章 植物の栽培
15章 窯器
16章 織物、籠、むしろ
17章 煉瓦(レンガ)造りと石造の建物
18章 非金属器具の分化
19章 給水、灌漑、農耕

第5部:金属の利用
20章 採鉱と採石
21章 採取、熔錬、合金
22章 金属製の用具と武器
23章 金属工芸
24章 象牙の美術品
25章 木工芸

第6部:運輸
26章 車輪によらない陸上運輸、道路と橋
27章 車輪をつけた乗物
28章 小舟と船

第7部:科学への準備段階
29章 記録と文字
30章 度量衡
31章 古代の数学と天文学

3~4巻(地中海文明と中世・前編~後編) BC500年頃~AD1500年頃

第1部:基本的生産
1章 採鉱と採石 -17世紀まで-
2章 冶金(やきん)術
3章 農具

第2部:製造業
4章 食物と飲料
5章 皮革
6章 紡績と機織り
7章 家具
8章 窯業
9章 ガラス、うわぐすり
10章 近代科学以前の工業化学

第3部:物質文明
11章 中世の職人
12章 建築構造
13章 金属工芸

第4部:運輸
14章 道路と陸上交通 付:港、ドック、燈台
15章 乗物と牽引具
16章 造船術

第5部:実用的な機械技術と化学
17章 動力
18章 機械
19章 水理工学と下水設備
20章 軍事技術
21章 錬金術の器具

結論 東西への回顧

5~6巻(ルネサンスから産業革命へ・前編~後編) 1500年頃~1750年頃

第1部:第1次生産1章 食物と飲料
2章 冶金術と試金法
3章 石炭の採掘と利用
4章 風車

第2部:製造業
5章 職人の道具 -1500~1850年-
6章 農具、運搬用具、馬具 -1500~1900年-
7章 紡績と織布
8章 紋織物
9章 ガラス

第3部:物質文明
10章 建築構造
11章 都市計画 -古代からルネサンスまで-
12章 土地の排水と干拓
13章 機械と機構
14章 軍事技術
15章 印刷術

第4部:運輸
16章 橋
17章 1750年以前の運河と河川の航行
18章 船と造船
19章 地図作成、測量、航海 -1400年まで-
20章 地図作成、測量、航海 -1400~1750年-

第5部:科学への接近
21章 暦
22章 精密器械 -1500年まで-
23章 科学機器の製作 -1500~1700年頃-
24章 機械時計
25章 化学工業における発明

結論 西欧の興隆

7~8巻(産業革命・前編~後編) 1750年頃~1850年頃

第1部:基本的生産
1章 農業
2章 魚の保存
3章 金属と石炭の採掘 -1750~1875年-
4章 金属の抽出と生産

第2部:エネルギーの形態
5章 動力 -1850年まで-
6章 蒸気機関 -1830年まで-
7章 水車 -1500~1850年頃まで-

第3部:製造業
8章 化学工業
9章 あかりと熱のためのガス
10章 繊維産業
11章 窯業
12章 ガラス
13章 精密器械
14章 工作機械

第4部:施設工学
15章 建築と土木の構築
16章 衛生工学

第5部:運輸通信
17章 道路 -1900年頃まで-
18章 運河
19章 造船
20章 地図学
21章 浚渫(しゅんせつ)
22章 電信

第6部:技術の科学的基礎
23章 技法的職技から技術の基礎としての科学への転換のはじまり

9~10巻(鋼鉄の時代・前編~後編) 1850年頃~1900年頃

第1部:基本的生産
1章 食糧生産の発達
2章 食品の処理加工と貯蔵
3章 鋼工業
4章 非鉄金属の新抽出法
5章 石油

第2部:原動機
6章 定置蒸気機関 -1830~1900年-
7章 船舶用蒸気機関
8章 内燃機関

第3部:電器産業の興隆
9章 発電
10章 電気の配分と利用

第4部:化学工業
11章 重化学
12章 19世紀における染料
13章 爆薬
14章 軽化学

第5部:運輸
15章 鉄道技術の発達
16章 造船
17章 航空
18章 自転車と自動車
19章 地図作成と航海補助手段

第6部:土木工学
20章 建築材料と建築技術
21章 橋とトンネル
22章 水力工学
23章 水道

第7部:製造業
24章 繊維産業
25章 金属の加工
26章 工作機械
27章 窯業
28章 ガラス工学
29章 印刷とその関連技術
30章 写真術
31章 ゴムの製造と利用

第8部:20世紀の始め
32章 技術時代のための教育
33章 技術と産業機構
34章 技術とその社会的帰結

11~14巻(20世紀・その1~4) 1900年頃~1950年頃

1章 世界史への位置づけ
2章 技術革新の源泉
3章 技術開発の経済学
4章 管理
5章 労働組合
6章 政府の役割
7章 工業化社会における教育
8章 化石燃料
9章 天然動力源
10章 原子力
11章 核兵器の開発
12章 電気
13章 農業
14章 漁労と捕鯨
15章 石炭の採掘
16章 石油と天然ガスの生産
17章 金属採鉱
18章 金属の利用
19章 鉄と鋼
20章 化学工業:概論
21章 化学工業
22章 ガラスの製造
23章 塗料
24章 製紙
25章 セラミックス
26章 繊維工業:概説
27章 繊維製造業
28章 衣服の製造
29章 世界運輸市場の発展
30章 自動車
31章 船と造船
32章 鉄道
33章 航空機とその運航
34章 航行援助方式
35章 宇宙技術
36章 土木技術
37章 建築と建築術
38章 都市計画
39章 工学:科学的な基礎
40章 内燃機関
41章 蒸気タービン
42章 工作機械
43章 生産工学
44章 流体動力
45章 発電、配電と電気の利用
46章 電子工学
47章 家庭用機器
48章 計算機
49章 計測機器
50章 電気通信
51章 印刷技術
52章 写真
53章 映画
54章 医療技術
55章 上水道と下水処理
56章 食品加工技術
57章 深海の技術
58章 技術と生活の質

サポートいただいた分は下記にまとめた本を読んで還元したいと思います! デジタルヘルスケア https://is.gd/4XCPtN スタートアップ×知財 https://is.gd/KHV8G8 中国スタートアップ https://is.gd/KG2zcF