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【意外と知らない?】CD-DAとCD-ROMって何が違うの?

ちょっと前にテックトランスのTwitterでも投稿したんですが、
CDの事で、知ってる人は知ってる事なんですが、よく電話やメールでお問合せ頂く事が多いので、改めてnoteでもご案内しておこうかなって思った事がありました。
CDを作られる方の参考になれば幸いです。


CDって?

そもそも「CD」って聞いて、何を思い浮かべます?
そうです、あの円盤です。片側が印刷されていて、裏返すともう片側がキラキラと鏡の様になっている円盤です。
(円盤だとややこしいので、以後はディスクと呼びます。)

そしてたいてい思い浮かぶCDの用途は、
「CDプレイヤーにセットし、収録された音楽(音声)を再生するためのディスク」というイメージかもしれませんが、これは半分正解で、半分不正解でもあります。
(今回はCDとDVDの違いについては割愛します。)

どういう事言うかと、
実は「CD」は大きく分けて、「CD-DA」「CD-ROM」の2種類の規格(フォーマット)に分かれます。
CDプレス/CD-Rコピーの製作作業時には、お客様が作られたいCDの規格に沿って作業を行いますし、お客様が御入稿頂くマスターもそれぞれの規格に沿ったマスターを作成頂く必要があります。
逆に言うと、製作作業時にはマスターの内容に手を加える事はできないので、それぞれ作られたい規格のマスターを御用意して頂いて、御入稿頂く必要があります。


以下で詳しく説明していきます。



いわゆる音楽CD

■CD-DA(音楽CD/Audio CD)

「音楽CD(Audio CD)」と呼ばれている、CDプレイヤーで音楽/音声が再生可能な規格(フォーマット)のCDです。
レコードショップ等で販売されているCDは、殆どがこの規格のCDなので、上記でも記載した様に一般的にCDというと、この規格のCDをイメージされる方が多いと思います。
ちなみにDAは「Digital Audio」の略です。
逆に言ってしまうと、この規格で作られたCDでなければ、一般的なCDプレイヤーでは音楽/音声が再生できません。

CD-DAは最大99のトラック(曲)、計74分の収録時間を規格上では納めることが可能です。
※CDの容量内であれば74分以上の分数も収録する事は可能ですが、その場合は規格外となりますので、製作後に何かしろの不備やエラーが起こっていた場合でも、各プレス工場は補償対象外となります。

御入稿頂くマスターも「音楽CD(Audio CD)」の形式で書き込まれたCD-Rが必要となります。もしくはCDプレスでの製作であれば、DDP(Disc Discription Protocol)マスターでも対応可能です。
※WAV等の音楽データのまま御入稿頂いても、CDプレス/CD-Rコピー共に工場で製作作業が行えないので対応不可となります。
(DDPマスターの説明はまた改めて)

どの様にマスターを作られているか全てを把握しておりませんが、テックトランスに御入稿頂くお客様は、マスタリングスタジオにマスター作成を依頼する方もいれば、御自分でマスターを作成される方もいらっしゃいます。

作成方法もマスタリングソフトを使用されてマスターを作成される方もいらっしゃいますし、「音楽CD(Audio CD)」の形式であればiTunesやWindows Media Player等でCDプレイヤーで再生できる状態のCD-Rを作成し、それをマスターとして御入稿されている方もいらっしゃる様です。


簡単にいうとデータが保存されたCD

■CD-ROM(データCD)

「CD-ROM」や「データCD」と呼ばれている、CD内にデータが保存された規格(フォーマット)のCDで、
USBメモリやSDカードにデータを保管されるのと同じ様に、CD内にデータが保存された状態のCDです。
PCにUSBメモリを挿すとPC上にフォルダが表示されますが、それと同じと考えて頂けるとイメージしやすいと思います。
※ただ後からデータを追加する事はできません。

基本はUSBメモリと同様なので、JPG画像やPDFデータ、ExcelやWordなどのPCで扱われるデータ等は保存できます。


それぞれの規格の使用用途

上記で「CD-DA」「CD-ROM」の2種類の規格(フォーマット)の簡単な説明をしましたが、作られたそれぞれのCDが使用されているか、簡単に説明します。
(あくまで一例です)


■CD-DAの用途

こちらについては説明不要かと思いますが、多くの方がイメージされている「音楽/音声を聴くためのCD」となります。

テックトランスにご発注/製作したCDは、お客様それぞれでその後の取り扱いが異なる様ですが、やはり御自分で作られた音楽/音声を他の人に聞いてもらう為にCDを作られているので、

  1. レコードショップで販売(全国流通/個人委託)

  2. ライブ/イベント会場で販売

  3. 有名ECサイトで販売

  4. 個人ECサイトで販売

  5. 手渡しで販売/配布

  6. 学校で配布(合唱コンクールなど学校行事のCD)

  7. 同人イベントで頒布

記事を書きながら思いついた項目だけ書いたので、その他にも色々とあると思いますが、様々な方法で更に先の方の手に渡っている様です。


■CD-ROMの用途

USBメモリ等と同様にデータを保管する事ができるので、写真画像(JPG等)やPDFやExcel&Wordデータ等が保存されたCDを作られる方もいらっしゃいます。

例えば写真画像が収録されたCDでしたら、学校などの行事風景やモデルさんが写ったの写真画像を保存し写真集代わりのCDを作られています。
学校の行事でしたら運動会や入学~卒業までの写真集など、最近ではコスプレイヤーの方の写真集CDとして、ご発注頂く場合もあります。

企業内の配布資料用のCDとして、PDFやExcel&Wordデータが保存された作られたりしてます。
USBメモリと違って保存された後からデータを追加したり、データ内の変更/更新ができないので、企業内の資料としてはむしろ都合が良いという理由で、この用途でのCDを作られる企業もいらっしゃいます。

また一昔前の市販のゲーム機のソフトの様に、自作のゲームソフトが収録されたCDを作られる方もいらっしゃいますが、その場合もこの規格でのマスター作成/ご発注となります。

WAV/Aiff/MP3等の音楽データも保存できますが、あくまで「CDの中にデータが保存されただけ」の状態なので、その状態のCDではCDプレイヤーでは再生できません。
※上記のCDを音楽再生用のプレイヤーにセットすると、読み込まれずエラー表示が出るか、(恐くて試した事はありませんが)機器によっては故障の原因になるという話も聞いた事があります。


ただCDに音楽データの状態で保存していけないのかというと、必ずしもダメではなく、CD容量内に収める事ができる総データ容量であれば、トラック数や収録時間に係わらず音楽データを保存する事ができるので、
CDプレイヤーでの音楽/音声の再生を意図していないCD、例えば効果音やBGM用の音素材の販売/配布用のWAVなどの音楽データが保存されたCDとして製作されるお客様もいらっしゃいます。

また以前にいらっしゃった方で、配布用としてご自分の楽曲を他の方にRIMIXしてもらう事を目的に、ミキシング前の各楽器ごとのパラデータの状態を1曲まるごと書き出したWAVが保存されたCDを作られた方もいらっしゃいました。
(かなり稀なケースですが、「用途が興味深いな~」と思った記憶があります。)


その他

■それ以外の規格ってないの?

「CD-DA」「CD-ROM」の2種類の規格(フォーマット)の説明をしましたが、実はそれ以外にも規格は存在しています。
その代表的な物が「CD-EXTRA」です。
どういったものかというと

「CD-DA(音楽)とデータを共存させているマルチセッションCD」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%82%A

Wikipediaより引用


要は、音楽CDにCDの容量内で別の機能を追加したCDになります。
一昔前には「CDプレイヤーにセットすると音楽/音声を再生でき、PCにセットすると動画が視聴できる」CDをCD-EXTRAでよく製作されていました。
ただCD-EXTRAはマスターを作るのに知識が必要なため、だんだんと製作される方は減り、ここ最近ではほとんどいらっしゃないかなという印象です。


終わりに

ちょっと長くなってしまいましたが、今回は「CD-DA」「CD-ROM」の2種類の規格(フォーマット)について、簡単に説明致しました。

説明するとまだまだ長くなってしまいますが、それぞれの規格によってマスターの作成方法も異なり、御発注時に誤って御発注されると、意図していないCDとなってしまいますので御注意下さいね。