アメリカでの新卒ソフトウェアエンジニア就活〜基本情報〜

この記事の対象者

・アメリカでソフトウェアエンジニア職をゲットしたい方
・プログラミングに興味のある学生の方
・数年ほどエンジニア経験がある中途の方

アメリカで仕事をゲットするには色々な方法がありますが、この記事は大学・大学院卒業からの新卒エンジニア就活に内容を絞っています。

目次

なぜ大学・大学院を卒業する必要があるのか?
卒業後は「中途採用」と「新卒採用」のどちらを選ぶべき?
新卒ソフトウェアエンジニアを多く採用している会社
アメリカ新卒エンジニア採用スケジュール

なぜ大学・大学院を卒業する必要があるのか?

アメリカで職を得るのに一番の障壁は就労ビザです。どんなにスキル・実力があろうが、適切な就労ビザがないとそもそも仕事ができません。

SiliconValleyWorkersのビザに関する記事が秀逸なので、この記事では各就労ビザに関する説明を省きます。

以下、アメリカエンジニア就活において、大学・大学院のルートを行くメリットです。

・OPT(Optional Practical Training)を利用して合法的に勤務できる。基本は1年で、専攻がSTEM(Science, Technology, Engineering Math)の場合は最大3年まで延長が可能。

・CPT(Curricular Practical Training)を利用して、夏休み中にフルタイムインターンシップや学期中にはパートタイムでインターンシップができる
(※上記ビザの詳細については弁護士等の専門家にご確認下さい)

・学生の期間中に英語力向上やアメリカ生活に慣れることができる

OPTを使って1年または3年勤務できるのが最大のメリットです。
また、アメリカ生活に慣れるのにはある程度時間がかかりますが、学生の期間中に生活に慣れることができるのも、個人的にはメリットだと感じています。

卒業後は「中途採用」 と「新卒採用」のどちらを選ぶべき?

既にソフトウェアエンジニアとしての経験がある方は、大学・大学院卒業後に中途採用枠のポジションを狙うという選択肢もあります。

以下、私が感じている「中途採用」 と「新卒採用」のメリット・デメリットです。

●新卒採用

メリット

・スケジュールが固定されている
・入社月をフレキシブルに設定できる
 春学期卒業は5-8月開始、冬学期卒業は1-4月開始とタイミングを選べる
・一般的なSoftware Engineerのスキルを、コーディング面接を通して図られる
・夏休みにフルタイムのインターンシップ、学期中にパートタイムのインターンシップが可能

デメリット
・新卒のため給与水準は低め
・自身のスキル・専門を活かしにくい

●中途採用

メリット

・給与水準はエンジニアの標準給与になる
・自身のスキル・専門を活かすことができる

デメリット
・自分に適したポジションがあるか否かは完全に運次第。
・大半の企業は基本的に卒業まで待ってくれない。
・英語圏以外でのエンジニア経験をそこまで見てくれない?(自信なし)

新卒採用: 一般的なSoftware Engineerのスキルを見られる
新卒採用では特定のスキル・経験を候補者に求めるケースは少ないです。(PhD枠等を除く)

以下、AmazonとFacebookの新卒枠の募集要項を載せます。

Amazon, 2019 Software Development Engineer (United States)

BASIC QUALIFICATIONS
· Enrolled in, or received at a minimum a Bachelor’s Degree in a STEM related field such as computer science, computer engineering, or relevant.
· Programming experience in one of the following languages: Java, C++, or C

PREFERRED QUALIFICATIONS
· Enrolled in, or received a Bachelor’s Degree in Computer Science
· Experience with distributed, multi-tiered systems, algorithms, and relational databases
· Experience in optimization mathematics such as linear programming and nonlinear optimization
· Ability to effectively articulate technical challenges and solutions
· Adept at handling ambiguous or undefined problems as well as ability to think abstractly· Previous technical internship(s)
Facebook, Software Engineer, University Grad

MINIMUM QUALIFICATIONS
Experience in C++, Java, Perl, PHP, or Python
Must obtain work authorization in country of employment at the time of hire, and maintain ongoing work authorization during employment

PREFERRED QUALIFICATIONS
Bachelor’s or Master’s degree in Computer Science or a related field
Demonstrated software engineering experience from previous internship, work experience, coding competitions, or publications

こちらを見てわかるように、New Gradへの要件は比較的緩いです。
・CS学科・理工系学科に所属・卒業していること
・C++/Javaを使えること
・CSの基本を抑えていること

New Gradの面接では、候補者のテクニカルスキルをCoding面接を通じて見られます。

新卒採用:大学・大学院在学中はインターンシップ可能
アメリカの大学・大学院に通うメリットとしては、夏休みにフルタイムのインターンシップ、学期中にパートタイムのインターンシップが可能、という点も重要です。

アメリカでのインターンシップは通常2-3ヶ月間中にフルタイムで勤務します。

インターンシップをするメリットは以下です。
・アメリカでの実務経験をつめて、レジュメの見栄えが良くなる
・コネクションを作れる
・会社のカルチャーを知れる
・正社員と比べるとストレスレベルは低い
・給与が貰える。月$5000-$10000(50万-100万)ほど
・パフォーマンスが良いと、正社員のポジションをオファーしてもらえる

ほぼデメリットがないため、インターンシップをすることをお勧めします。

中途採用:卒業のタイミングまで企業側が待ってくれない
中途採用の場合、企業側は即戦力をすぐに採用したいと考えているケースが多く、通常は大学・大学院の卒業まで待ってくれるケースは少ないと思います。卒業2-3ヶ月前でないと、そもそも応募できないというケースもちらほら聞きました。一方、新卒採用の場合は、採用スケジュールが固定しており、かつ基本的に卒業後に入社日を設定できるのがメリットです。

以下、私が体験した米移民局(USCIS)のエピソードです。

USCISのOPTの手続きが遅すぎて勤務開始日を変更した話

私が通っていた大学院のコースが春学期卒業(5月卒業)で、OPTの開始日を6月初旬に設定していました。OPTの申請を慎重に済ませ、入社日の6月初旬までに間に合うように手続きを済ましていました。

しかし、6月になってもOPTの就労許可証(EADカード)が届かない!学校側やUSCISに問い合わせるも音沙汰なし。当時の就職先は、こういったビザのトラブルには慣れていて、人事担当者に連絡した所、勤務開始日を7月中旬に変えてもらいました。

結果、OPTの就労許可証が届いたのは7月の初旬でした。当時の就職先が大手企業だったので、入社日を簡単に変えることができましたが、全ての会社がこんなに柔軟ではないよなと感じています。

OPTの就労許可証を入社開始日までに得られずに内定取り消しになった、という話を残念ながら数件聞いたことがあります。中途採用の場合、入社日をフレキシブルに設定できるかは完全にポジションによるため、要注意かと思います。

中途採用: 英語圏以外でのエンジニア経験をそこまで見てくれない?
(※)私の周りのデータなので、根拠が無い点ご了承ください。。

私は日本でエンジニアの経験が3年ありました。また留学生の友人たちは、母国で数年エンジニアの経験がある人たちもいました。こういったバックグラウンドの人たちも、ことごとくアメリカの中途採用のポジションに書類選考の段階で落とされてました。留学生の友人ら(インドや中国)は、Microsoft/Oracle/IBMの現地法人でSoftware Engineerの経験が数年あったにもかかわらず、同じ状況でした。

これらの出来事より、企業側は海外での経験をそこまで見てくれてない可能性もある?と推測しています。現在私はGAFA (Google / Amazon / Facebook / Apple)で3年Software Engineer経験がありますが、企業側からほぼ毎日面接のお誘いが来ております。おそらくMSやOracleの現地(India, China)法人のSoftware Engineerの人たちとやってることは変わらないのに、この違いは不思議だと感じています。

新卒ソフトウェアエンジニアを多く採用している会社

大手テクノロジー企業・ユニコーン企業
IBM, Oracle, Cisco, Google, Facebook, Amazon, Apple, Microsoft, eBay, Infosys, PayPal等
Uber, AirBnb, Snapchat, Dropbox, Sales Force等

金融系企業
Bloomberg, Goldman Sachs, JP Morgan Chase, Capital One, Bank of America Merrill Lynch

他たくさん!

アメリカ新卒エンジニア採用スケジュール

大手テクノロジー企業, 金融系企業, ユニコーン企業はこれらスケジュールだと認識しています。
(フルタイムポジション・インターンシップポジションともにこのスケジュール)

9月: 新卒向けポジションがオープン
10月: 企業が各大学に訪問をはじめる
11月: 面接が本格化
12月: 内定が出始める
1月-4月: 企業が引き続き採用をする

現在Udemyで勤務されてる@haj_in_sfさんより、Start-up企業のインターン採用では上記よりタイミングが遅くなることが多いとご教示いただきました。またStart-up企業への売り込み方もコメントいただきました!

まとめ

上記、アメリカでの新卒ソフトウェアエンジニア就活に関して、記載させていただきました。
本記事はざっくりと基本的な情報をまとめただけの内容のため、後日私のエンジニア就活の実体験をまとめようと思っております。
もしこの記事に興味を持たれましたら、NoteやTwitterにてフォローしていただけると幸いです。

Twitter: https://twitter.com/engineer_jp_us
Note: https://note.mu/technologynote

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