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証券アナリスト試験合格までの道のり

今年、長年目標としていた証券アナリスト二次試験に合格することができました。受かるとは1ミリも思っていなかったので、いまだに驚いています。
人に教えられるほど優秀な者ではありませんが、これから受験する人、受験を考えている人の参考になればと思い、合格までの経緯を以下にまとめることにしました。

一次レベル(2019-2021)

すべては2019年度の一次レベル講座に申し込んだ所から始まりました。
一次レベルの通信講座だけで5~6万円かかり、二次試験合格まで最短でも1年半〜2年と長い道のりですので、なかなか決意が固まらず、何年か思案した末にようやく重い腰を上げたのでした。

働きながら複数科目を同時に勉強したら自分の狭い狭いキャパシティを超えることは目に見えていたので、時間をかけて1科目ずつ受験することにしました。

講座に申し込んだ翌2020年から受験可能になるも、2020年春試験はコロナの影響で中止。2020年秋試験から半年ごとに財務→経済→証券分析(旧カリキュラム)の順で受験し、1年半かけて3科目に合格しました。CMAの目玉である証券分析から勉強を始めるのが王道ではあると思いますが、一番ボリュームが多い上に難解で、いきなり挫折するリスクがあったので、後回しにしました。二次試験と重複する内容が多い証券分析を最後に持ってきたのは、悪くない判断だった気がします。(一度に全科目受けて、サクッと合格してしまう人は本当に優秀ですね。心から憧れます…)

勉強方法としては、TACのテキストに目を通した後、過去問3年分を完璧になるまで繰り返し解きました。TACさまさまです。重要論点や暗記事項はノートにまとめ、試験直前まで繰り返し読み直しました。

TACのテキストでよく分からない所は、インターネットで調べました。YouTubeにも非常に分かりやすい動画があり、良い時代に受験したな〜と思いました。おすすめの動画チャンネルは最後にまとめて貼っておきます。

二次レベル(2022-2023)

一次レベルの全科目に合格したのが2021年で、すぐに二次レベル講座に申し込みました。2023年から二次レベルの試験制度が変更になることは既に発表されており、旧カリキュラム(当時の現行カリキュラム)で受験できるのは2022年の残り一回だけでした。本当はここで合格しておきたかったのです。なぜなら新カリキュラムでは「数量分析と確率統計」という科目が加わり、数学に苦手意識がある私にとって不利になることが予想されたからです。

しかし2022年は公私共に非常に忙しく、休日も働かないといけないような状況でした。5月の大型連休に勉強する時間が取れなかったことは致命的でした。ひとまず足切りにかからないように職業倫理のテキストを読み、残った時間で財務の過去問を少し解いた程度で試験に突入することになってしまったのです…。午前の試験は分かる問題だけ回答し、午後の試験は放棄し、不合格Dという悲惨な結果に終わりました。

その後、配偶者に合わせて海外転居することになり退職。正直、もう一次試験合格だけでいいかな〜という気持ちにもなっていたのですが、時間に余裕ができたこともあり、2023年6月の二次試験に再び挑戦することにしました。CMAは海外からも受験できるので、非常にありがたかったです!

前置きが長くなりましたが、2次レベルは全科目を同時に受験しなければならず、一年に一回の一発勝負というところが厳しいなと思います。半年かけて念入りに準備するつもりが、気がつけば2月も半ばになってから慌てて勉強をスタート。科目ごとにかけた時間としては財務分析(1ヶ月)、市場と経済の分析(0.5月)、数量分析と確率・統計(0.5月)、証券分析とポートフォリオ・マネジメント(2ヶ月弱)という感じでした。

勉強方法は1次レベルと同様で、TACのテキストに目を通した後、過去問3年分を繰り返し解きました(「数量分析と確率・統計」は、過去問がないのでテキストを読んで練習問題を解いただけです)。ただ、1次レベルだと同じような問題が繰り返し出ますが、2次レベルだと切り口を毎年変えてきたり、暗記では対応できない記述問題も多いため、過去問を一周するだけでも大変でした。解き直す頃にはもう忘れている…という忘却との戦いでもありました。

新カリキュラム試験の傾向と対策を知るための参考になればと、5月頃にはT予備校の模試も受験しました。(といっても、海外ですので答案を返送することはしていません。)

繰り返し解いたのは過去問3年分とこの模試だけで、あと2年分は一回ずつ解いただけで時間切れになってしまいました。そして過去問を遡れば遡るほど、見たことのない論点が登場し、底なし沼のような恐怖を感じました。1次レベルの時とは違い、数年分の過去問を解いただけでは論点をマスターしたという自信が持てない気持ち悪さがありました。そして本番では、過去問で遭遇したものの自信がない論点と見事に再会し、戦慄が走りました…。

こんな感じでも合格できたので御の字ですが、反省点としては、
・最低でも、もう1〜2ヶ月早く準備を開始し、より多くの過去問にあたり、より多くの論点をしっかりと習得すべきであった。
・特に、苦手な論点を理解が曖昧なままにせず、解けるようになるまで努力すべきだった。(時間切れになりそうだったので苦手な論点のいくつかは捨てて、他で稼ぐことにしたが、本番は苦手な論点のオンパレードだった)
・新科目なので対策が難しかった面はあるが、数量分析と確率・統計も入門書(テキスト)を読むなどしておけば、基礎的な知識を問う問題くらいは解けて、得点源となったかもしれない。
ということが挙げられます。

2次試験は、質・量ともに普通の受験生が時間内に解き切れるようには設計されていません。毎年のように問われるオーソドックスな論点をまずはしっかりと押さえることが重要だと思います。その上で、なるべく多くの過去問にあたり、解ける問題を増やす努力が必要だと感じます。多くの受験生(特に文系)にとって一見難解で、苦手に感じるであろう分野(数量分析と確率・統計、国際金融、年金ALMなど)が狙われやすく、逆に言えば差をつけるチャンスですので諦めないで頑張った方が良いと思います。また、記述式問題は、とりあえず何か書いておけば部分点が貰えるかもしれません。

試験中に泣きたい気持ちを堪えながら、半分諦めかけていた私が言うのもなんですが、最後まで一点でも多く稼ごうとする気持ちが大切だと思います!!

おすすめYouTubeチャンネル

ここからは、私がお勧めするYouTubeチャンネルを紹介していきます。

おかねのおにいさん
ファイナンスの難しい概念をここまで分かりやすく、面白く教えられる方って他にいらっしゃるんでしょうか?ちょっと感動を覚えるレベルです。「ローリング効果」「ローリングイールドと純粋期待仮説」「デュレーションとコンベクシティ」など、歌や視覚的な工夫が満載で、脳内で鮮明にイメージが湧くようになりました。試験中も動画を思い出しながら解いていました。このチャンネルがなければ合格はなかったかも。お礼を伝えたいです。

Kanbayashi
経済学部卒でない私にとって、「経済」で問われるミクロ経済やマクロ経済の理論はピンと来ないものが多く、予備校のテキストを読んでもさっぱりでした。そんな時に見つけたのがこちらのチャンネルでした。手書きのメモを元にした丁寧な説明が分かりやすく、大変勉強になりました。

しし丸の証券アナリスト学習室
私がこちらのチャンネルに出会ったのは二次試験が終わった後でした(涙)。一次試験に頻出の重要論点を図解入りで分かりやすく説明してくれるのが良いと思いました。しかもお笑い芸人の川島さんのような美声で、癒されます。一次レベルの学習中に出会いたかった!!