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宇都宮ライトレール線(LRT)に乗ってみた

【結論】 「交通系ICカード必須」


宇都宮ライトレール線

宇都宮ライトレール線(以下宇都宮LRT)は、2023年8月26日(土)に開業した日本で最も新しい鉄道です。富山県高岡市を走る万葉線以来、75年ぶりに開業しました。宇都宮駅から、芳賀町、高根沢町にある芳賀高根沢工業団地まで、14.6km、19停留所を48分で結びます。
運賃は150円~400円で距離によって変わります。中学生以上は大人料金、小学生料金は大人料金の半額、大人一人につき2人まで無料の幼児料金(3人以上は小学生料金)、1歳未満は誰でもタダです。

6時〜23時、7〜12分の間隔で運航しています。沿線には、宇都宮清陵高校、宇都宮大学、作新学院大学などのキャンパス、ベルモールという巨大ショッピングモール、キャノンの製造拠点、本田技研工業(HONDA)の開発拠点などがあります。学生、買い物客、就労者など、利用者の多く見込める場所にLRT
の停留所を作っています。
さらに、トランジスターに指定されている5つの停留所(宇都宮駅東口、宇都宮大学陽東キャンパス、平石、清原地区市民センター前、芳賀工業団地管理センター前)に、バス停、レンタサイクルを整備し、LRT と連携させて、宇都宮周辺の交通網を整備していました。

車両は、電気の力で動かしており、太陽光エネルギー、家庭ごみの焼却しているときに発生する熱を利用して電気を作っており、環境に対するムダを減らした設計になっています。

実際に乗ってみた

今回は、宇都宮駅東口から乗車しました。3両編成の車両は、黄色と黒色のコントラストが目を引きます。入口に段差がなく、車いす、ベビーカーの乗り降りもラクです。優先席だけではなく、車いす、ベビーカー優先のスペースもあり、バリアフリーを意識しています。車内は空いていると広々としています。

広々とした車内



座席は、自動車の革製のレーザーシートみたいでした。座り心地は、シートに柔らかさを感じ、広く、疲れを感じさせません。

宇都宮LRTは富山市内を走る路面電車に近いです。道路上の軌道区間、線路区間があり、宇都宮駅〜宇都宮大学陽東キャンパス間はバスのような雰囲気を味わえ、宇都宮大学陽東キャンパスから芳賀方面は、電車のような雰囲気を味わうことができます。
「ガタンゴトン」という線路を走るときの音、揺れも気にならないくらい小さいです。まるでプリウスに乗っているみたいです。

線路区間を車窓から望む

見えた課題

遅延が増えてしまうこと

専用レーンがあるため、渋滞にハマることがありません。しかし、遅延してしまう傾向がみられました。原因は、現金払いのできる場所が限られていることが一つだと思いました。

乗車するときは、Suicaなど交通系ICカードの準備をオススメします。ICカードであれば、どのドアからでも降りることができます。また、LRT独自のIC カード「totra 
」を利用すると、乗り継ぎのバス、地域内交通が200円割引されます。200円未満の区間であれば、無料で利用できます。(下車後1時間以内に乗換すること)
しかし、現金払いの場合、バスと同じく、運転席の前の精算機からでしか、運賃を支払うことができません。混雑していると、運転席まで移動するのに時間がかかってしまいます。券売機を発売して事前に精算できる仕組みを構築してほしいと思いました。

安全性

開業後2週間で2件自動車との接触事故が発生しました。停留所近くの駐車場に入ろうとしたときなど、間違えて自動車が軌道内に侵入してしまったことが原因です。幸い、ケガをされた方は出てません。しかし、分かりやすい標識の開発は必要だと思いました。レーン上に靴がハマってしまうケースも観られています。実際に運行して見つかった課題に対して、改善していき、よりよい交通手段になっていくことを願います。
開業直後とあってか、宇都宮駅から芳賀方面に向かう電車は、座れないほど混雑していました。

西口へ延伸計画

2035年までに、現在の宇都宮駅東口停留所から、宇都宮駅、宇都宮西口方面の繁華街、作新学院高校を通過し、教育会館まで延伸する予定です。大谷資料館へバスで向かうときに通った大谷街道では、道路の幅を広げる工事がされていました。そのため、大谷街道上をLRTが通ると思われます。西口延伸後、大谷寺、大谷資料館など観光地が多い大谷地区まで結ぶ計画もあります。

グッズを買ってきた

JR宇都宮駅構内にあるNewDaysでLRTグッズが販売されていました。今回は、キーホルダー、クリアファイルを購入しました。エコバッグ、トートバッグなどもありました。宇都宮が遠くて行けないという方も、オンラインで購入できます。詳しくは、下記のサイトをご覧ください。

なぜ、宇都宮に路面電車が誕生したのか?

全国的に人口減少、少子高齢化が課題になっています。自動車の普及により、市街地が郊外に広がりました。一方、高齢者、学生などバスを利用する方も見られます。しかし、一度に輸送できる人数が限られること、渋滞にハマり、時間が読めないことなどの課題があり、赤字が続きました。
LRTを利用することにより、渋滞にハマらず、一度に多くの方の輸送も可能になりました。LRT沿線に都市機能を集中させ、停留所を拠点として、バス、地域内交通を発着させて、拠点の周辺へネットワークを広げていくという、LRTを中心としたコンパクトシティー構想があります。これにより、自動車がなくても、誰でも移動しやすい街創りを目指しています。LRTが幹、バスが枝のような役割を果たしています。

今回は、宇都宮市と芳賀町を結ぶ宇都宮市さLRTへ乗ってみました。空いているときは広々としており、走行中の音、揺れが気にならないほど静かで快適な電車でした。
宇都宮市に誕生した新しい電車を一度は体験しませんか?

参考文献

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