見出し画像

【森ノオトが認定NPOになりました!】

2023年12月1日付で、NPO法人森ノオトは認定NPO法人になりました。法人設立10周年の節目に、夢がひとつ叶いました。認定NPOはゴールではありません。ここからが新たなスタートだと思っています。だけど、認定NPOになるに至るまでの道のりを振り返ると、感無量で、本当に胸がいっぱいなのです。そのニュースはこちらからご覧ください。

所轄庁からその一報がもたらされたのは、12/5のJIKEマルシェでお昼ご飯を調達しようとキッチンカーに並び始めた時のことでした。当初「順調にいけば12/21までにはご連絡します」と言われていたので、驚きました。ちょうど今、法人設立10周年のバースデードネーションを行っていたタイミングで、このクラファンは返礼品ありなので認定の寄付控除には相当しないから、年内はクラファンを走り抜き、ゴール直近で認定の報告ができたらいいね、というシナリオでした。認定NPOはクリスマスプレゼントになるかな、と目論んでいたのです。

予想より早いサプライズで、心の準備ができていませんでした。その日、家に戻って在宅ワークを進めようにも、体の内側から震えがきて、胸の内から込み上げてくるものがあり、涙がほろほろとこぼれてきます。ああ、わたし、とってもうれしいんだ、感極まっているんだ、ということを素直に受け止めようと思いました。
翌水曜日の会議で情報公開の準備や、年内の寄付対応のオペレーションを確認し、ようやく今日、このおめでたいニュースを発信します。

https://syncable.biz/campaign/4135/report/8625#campaign-tabs


認定NPOになるには、さまざまな要件を満たさねばならず、高いレベルでの公益性や情報公開、法令遵守が求められます。何よりも大切なのは、実質が伴っていなければならないということ。認定になるための膨大な書類作成は要素の一つにすぎず、組織体制や事務力、労務環境の整備が必要でした。
私にとってこの10年、森ノオトを続けるためには、「働く場にする」ということに向き合わねばなりませんでした。ボランティア、業務委託、雇用スタッフも時給から固定給、フルタイムまで、多様な働き方、関わり方を作りました。認定を目指すにあたり、労働基準法に即した形にすべく、企画業務型裁量労働制を導入し、36協定を結び、労使委員会を開催し、有給休暇制度も設けました。フラットな仲間で時にママ友でもあるメンバーの間でも、理事は使用者という立場になります。労使委員会をやった時には、これは「大人になるための儀式」なんだなと思いました。


1年前、ハマちゃんの加入により、いよいよ本気で認定NPOを目指そうという時、大きな挫折がありました。森ノオトは正会員+マンスリーサポーターで150人いて、2019年以降100人以上をキープしていたので、認定NPOの絶対値基準であるPST(パブリック・サポート・テスト)の要件を満たしていると思い込んでいたのですが、森ノオトの実態ではそれがダメだったのです。
理由は、正会員・マンスリーサポーターの読書会やメディアおはなし会の参加無料、布市の参加費無料の特典があったこと。これらの特典は対価性がある寄付とみなされるので、PSTの基準を満たさないことがわかりました。いよいよ認定!というところで出鼻がくじかれ、これから会員制度を変更して、さらに2年100人以上のマンスリーサポーターをキープして、、、そこから申請して半年時を待つには長すぎる、法人設立10周年の節目に認定NPOになりたい、機は熟した、と思っていただけに、と愕然としました。

が、相談を対応してくださったセイエンの関口さんが「横浜市には条例指定NPOがある」と教えてくださいました。調べてみたら、行政との協働経験が豊富な森ノオトは、「行政の支持を受ける」団体として、条例指定NPOの道が開かれていることがわかりました。地産地消、資源循環、子育て支援、温暖化対策、市民ライターの育成、そして青葉区のまちづくり……横浜市と分野横断的にさまざまな仕事をやってきたことが、指定NPOにつながったのです。
ちょうど1年前、ハマちゃんと急ピッチで指定NPOの準備をして、1月に申請、並行して認定NPO申請の準備を進め、6月に指定NPOの議会承認。その結果が出る前にNPO総会を行い、条例指定NPOが出て数日後に認定NPOを申請しました。年内の認定が可能になる、ギリギリの最短スケジュールでした。あのタイミングで関口さんに相談していなかったら、ハマちゃんがいなかったら、2023年中の認定NPO取得は実現しなかったと思います。

認定NPOになったら、黙っていても寄付が入ってくるわけではありません。事実、法人設立10周年のバースデードネーションは、11月までほんの少ししか動きませんでした。スタッフもそれぞれに工夫していたけれど、正直、空中戦だったと思います(逆に、その時に察知してご寄付くださった方は、本当にすごいと思います)。
これまでは「伝える」まではしてきていたけれど、「お願いする」には至っていなかった。これまで関わってくださった一人ひとりに、その人との10年の関わりをふりかえりながら、個別にメッセージを送りました。1カ月で100人にメッセージを送るなかで、私たちは寄付によってどんな社会を目指していきたいのかが、どんどんクリアになってきます。ああ、これをするために、石がなかなか動かなかった10カ月があったんだなあ、と思いました。コアスタッフそれぞれが、自分の言葉を尽くし、「寄付をお願いする」経験が積み上がっていきます。伝える→お願いする→感謝する、このサイクルを細やかに回していく。認定NPOになったら、もっともっと、これをやらねばならない。いいトレーニングになっています。

現在、Syncableで行っているバースデードネーションは、返礼品ありの内容です。しかし、2023年12月1日以降の寄付者は、返礼品なしのご連絡をいただければ、2024年の税額控除の対象になります。若干ややこしめのタイミングでの認定だったので(笑)、オペレーションを整理するまで数日かかりました。11月末日までのご寄付の方には、お礼に森ノオトのオリジナルグッズをお送りします。
(オンライン決済の寄附システムの場合、着金日が寄付の受領日になります。2023年12月のご寄付は2024年1月の領収書発行となるため、寄附金控除を受けられるのは2024年分となります)

私は、10年本当にやりきった感慨でいっぱいです。組織に認定NPOが馴染むまで、もう少し時間がかかると思います。その整備をしっかりして、事務の土台を作って、うまく流れるのを実感してから、組織のトランジションと、私自身の次のフェーズを考えていきたいと思っています。

これまで森ノオトに関わってくださった全てのみなさんに、心からの感謝を申し上げます。

この記事が参加している募集

お金について考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?