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「Add Ideas, Rearrange the Reality -巨人の再構築- 」| Passions Worth Spreading vol.7

If I have seen further it is by standing on yᵉ sholders of Giants. - 私が彼方を見渡せたのだとしたら、それは巨人の肩の上に乗っていたからである。-

(https://digitallibrary.hsp.org/index.php/Detail/objects/9792, (原文ママ))

これはかの有名な物理学者、アイザック・ニュートンが使用した言葉です。

普段、何気なく見えている景色や建物、何気なく触れている物理法則や論理構築方法。これらすべては、先人たちの努力や知恵が寄り集まってできたものなのではないでしょうか。
「巨人」、すなわち、「先人たちの業績や先行研究の蓄積」の肩の上に、現在の学術研究の視座が構築され、新たな知見を得ることができる。そう、ニュートンは語りたかったのでしょう。

私は、TEDxUTokyoを通じて、皆さんの「巨人」像すらも再構築したいのです。

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はじめまして!TEDxUTokyo実行委員会 2023 代表の鷲川紗弥(わしかわさや)です。

TEDxUTokyoは、カンファレンスイベントTEDの掲げる理念「Ideas Worth Spreading -広めるべき価値のあるアイデア-」への共感のもと、TEDからライセンスを受け、TEDxイベントの開催を軸として東京大学を中心に展開するコミュニティです。

TEDxUTokyoについて詳しく知りたい!という方は、ぜひ前代表の熱い想いが書かれたnote(https://note.com/tedxutokyo/n/n5dbb04cd5f36)や、2022年6月12日に安田講堂で開かれた、TEDxUTokyo 2022 “Patchwork”の振り返りnote(https://note.com/tedxutokyo/n/nda2fe98175c7)をご覧ください。

TEDxUTokyo 2022 “Patchwork”の様子

さて、TEDxUTokyo実行委員会は5年ぶりの復活から2年目を迎えました!ここでは、新体制となったTEDxUTokyo、そして私の想いについて綴っていきます。

「巨人」とは

先ほど冒頭で、「巨人」とは「先人たちの業績や先行研究の蓄積」だと述べました。
このように「巨人の肩の上で」という一節は、「業績」や「先行研究」といった単語で表現されることが多く、まさに「学問の中の」言葉としてみなされています。実際、Google Scholarという論文・学術誌検索サイトのトップページ(https://scholar.google.co.jp)にも、「巨人の肩の上に立つ(Stand on the shoulders of giants)」というサブタイトルがついています。


しかしこの捉え方は、何も学問の文脈に限ったものではありません。

定義を拡張すると、「巨人」とは、
”ありとあらゆる分野における過去の知識や経験の膨大な堆積が、時代と共に増えたり削ぎ落されたり意味付けし直されたりしながら形成されてきた、人類の集合知
だと言えます。この可塑性は、まるで人間のようです。

人類はその「巨人」の断片を学校・大学・社会をはじめとする日常生活で学んできており、この学びのプロセスや経験、知識そのものが1人1人の個性を育んでいます。そして、そのベースとなる個々人の価値観が析出した結果が、「巨人」の断片の取り方や見方、すなわち「巨人」像に他なりません。
私たちは、先人たちの積み重ねてきた知見はもちろん、これまでの人生で触れてきた人・事物の蓄積の上に、世界を見ています。
皆さんが今まさに、このnoteを読むにあたり使用しているスマホなどの電子機器が先人たちの創意工夫の賜物であるのはもちろん、そもそもこのnoteを読もうと思ったきっかけ、そしてこれを読んでどう思うかも、あなたがこれまで接してきた人・事物の影響を受けているはずです。

私の言う「巨人」像とは、TEDxFukuoka Anne Cresciniさんの『世界観を知ると人は変わる』というトーク(https://www.ted.com/talks/anne_crescini?utm_campaign=tedspread&utm_medium=referral&utm_source=tedcomshare)での、「世界観」という言葉に似た捉え方です。

ではなぜ、TEDxUTokyoを通じて皆さんの「巨人」像を再構築するような体験を届けたいと思ったのか。私の実体験に絡めながら語っていきます。

私の脳内図


「したいこと」がない 自分

大学1年生の私を一言で表すなら、『「したいこと」がない』 でした。

高校時代、部活でラクロスをやっていた私は、部員の取りまとめ役として、試合に勝つために、メンバーが気持ち良く過ごすために、自分なりに一生懸命取り組んできました。
しかしある時、親しかった友人に部活の取り組みや部員について否定されてしまいました。
「部活の取り組みも好きだし、全員がそれぞれ全力で頑張っている、そんな部員の皆も大好きなのに、内情も知らず何でそんなにひどいことが言えるんだろう...。」
私の「したいこと」が真っ向から否定された気分でした。
他にも、
一緒にいたくて仲良くしていた友達、食べたくて食べていた食べ物、着たくて着ていた服、やりたくてやっていた勉強、行きたくて目指していた大学、
自分の「したいこと」を否定される経験をし、最初はとても傷つき、その否定に対し反発しました。

皆さん誰しも、自分の「したいこと」を他人に否定されたことで悲しかったり、悔しかったり、イライラしたり...そういった負の感情を抱いたこと、1度はあるのではないでしょうか。

私は、そのように否定される経験を日常的に重ねるうち、次第にそのネガティブな感情すら抱かなくなっていきました。そしてしまいには、あんなにたくさんあった、自分の「したいこと」すらも分からなくなったのです。

「巨人」の背中を見ながら歩んできた私の人生の軌跡が、粉々になってしまった感覚に襲われました。

「したいこと」が行方不明になってしまった私は、そのことに危機感さえ持たずに日々生活を送っていました。


考える という動力

まさしく思考停止状態に陥っていた私に、再び考えることを駆動させたのは、TEDxUTokyoとの出会いでした。

あるメンバーは、大学をもっと面白い場所にしたい、という想いを実現するために、
またあるメンバーは、人生を変える1日を創りたい、という想いを実現するために、
TEDxUTokyoに打ち込んでいました。
そこには、私が好きだった『自分の「したいこと」に真っ直ぐ向き合い、そしてそれを他人に言葉や態度を用いて堂々と伝えているメンバーの姿』がありました。まさにこれこそが、TED、TEDxの素晴らしさだと感じています。

1人1人の「したいこと」をアイデアの形で価値あるものとして捉え、世界へ発信していく。

TEDやTEDxイベントは
約18分間、スピーカーが自ら、今まで「してきた」ことやこれから「したい」こと、自らの「アイデア」を誰からも否定されることなく伝えることができる。
ワークショップやエキシビション出展者も、存分に自らの「アイデア」を伝えることができる。
そして参加者自身も、イベントでの交流を通じ自らの「アイデア」を伝えることができる。
そんな場所です。

TEDxUTokyo 2022 “Patchwork”の様子  参加者のアイデアの発信の場でもあります


SNSが普及した現代社会に、否定されたらどうしよう、という恐怖なく人にアイデアを伝えられる場所が一体どれほどあるでしょうか。
ましてや、コロナの影響によるオンライン講義やハイブリッド講義の普及でガラパゴス化した大学は、対面での活動は愚か、アイデアを交わし合うプラットフォームとしての機能すら失いかけています。

本来、「したいこと」、すなわち価値あるアイデアを持つことは誰かの特権ではありません。
TEDのホームページのOur Missionにも

we're building a clearinghouse of free knowledge from the world's most inspired thinkers
- 我々は、世界中の最も刺激的な思想家たちによる、無償の知識の集積所を構築している -

(https://www.ted.com/about/our-organization)

という記述があります。思考停止に陥らず考えを巡らせ続けることこそが、価値あるアイデアを持つことを可能にしてくれるのです。
そして、価値あるアイデアに触れることが、思考を巡らせ続けることを可能にしてくれる。そう私たちは信じています。

このサイクルを絶やさない環境をTEDxUTokyoを通じて届けたい。この想いから、TEDxUTokyo実行委員会は
Mission:Add Ideas, Rearrange the Reality
というMissionを掲げています。
アイデアに触れることで、人々が既存の現実、世界観の組み替えを行う。今はまだ広まっていないかもしれないけれど、広めるべき価値のあるアイデアに焦点を当てることで、「巨人」に内在している知識の体系を組み直す。そうして再構築された新たな「巨人」の肩の上で、新たな価値観、そして新たな「巨人」像をもとに、人々が個性を発揮していく。そんなコミュニティを目指します。


「したいこと」と共に

巨人が再構築された後の景色は、一体どんなものなのでしょうか。

私たちは、
Vision:Ideas as Tickets for All
というVisionを掲げています。
アイデアという切符を手にし、個性豊かな自分なりの切符の使い方で、新たな景色から「したいこと」に向かって1人1人が進んでいく。そのような社会を目指します。

UTokyo、東京大学という場所は日本における学術知の集積点であり、多くの知が生み出されてきた場所です。しかしその門戸はすべての人に開かれておらず、多様性(ダイバーシティ)と包摂性(インクルージョン)の道半ばではないでしょうか。

「したいこと」、アイデアの発着点として、TEDxUTokyoがすべての人に届くことを願っています。


最後に

ここまで読んで下さり本当にありがとうございました。
皆様にTEDxUTokyoSalon、そしてTEDxUTokyoメインイベントでお会いできますことをとても楽しみにしております!

中高校生の方も大学生の方も社会人の方も、TEDxUTokyoコミュニティの一員として、ぜひ下記SNSもフォローしていただけると嬉しいです。

今後とも、応援よろしくお願いします!

2022年 11月1日 鷲川紗弥

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TEDxUTokyo 2022
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