新会社に賭ける想いと、事業選択・組織作り・資本政策について

やっとオフィス兼スタジオが完成が近づき、新会社のお披露目ができるタイミングがやってきました(写真は明け渡し時のスケルトン)。

これまでの振り返り

初めましての方もいらっしゃると思いますので、軽く自己紹介を。

1981年 静岡県浜松市生まれ
2000年 青山学院大学法学部入学(在学中はほとんど学校へ行かず脚本家や放送作家として活動)
2005年 大学卒業後、会計士試験専門学校のTACへ通う
2007年 公認会計士試験合格
2007年 PwCあらた監査法人(IFRSのコンサル、監査など)
2009年 GCAサヴィアン(M&Aアドバイザリー、事業再生など)
2011年 ハングリード取締役CFO(ECショップ支援事業)
2011年 ベストティーチャー代表取締役社長(最初の起業、テクノロジー×教育事業)
2016年 SAPIX YOZEMI GROUPに株式売却
2017年 代表退任
2018年 ティーンスピリット代表取締役社長(2回目の起業、テクノロジー×エンタメ事業)

30歳で起業した会社を5年経営した後に売却し、昨年末代表を退任した私は、これからの人生をどう過ごしていくか、次にどんな会社をやるかを考えていました。

まずやったこと

会社経営を要素分解すると、私の理論では「事業」「組織」「財務」の3つに分けられ、そのバランスをとることが最も重要だと考えています。

ざっくりですが、「事業」は市場選択・プロダクトの競合優位性・スケーラビリティ、「組織」は社長や役員陣などのメンバー・採用力・人事評価、「財務」は株式や借入での調達力・資本政策の巧拙、を意味するのですが、このうち私は「組織」に関するノウハウが乏しく、組織づくりやコミュニケーションが上手くないと自覚していたので、まずは組織や人事周りを極めるくらい勉強したいなと思いました。

そんな時に、キープレイヤーズの高野さんがFacebookでよく識学の記事をシェアしており、最初はサービス名もロゴも??だし(すみませんw)ピンとこなかったのですが、これも勉強だと思いとりあえず無料体験を受けました。

1時間コンサルタントと話しただけだったのですが、まじでぶっ飛びましたね。今までずっと悩んで、先輩経営者に質問したり本を読んだり、その手のセミナーを受けてもしっくりこなかったことが、初めて腹落ちしました。

今までの社会人生活10年で起こったトラブルや人間関係の辛さのほとんどは、自分の作為や不作為により「自分で」引き起こしていたんだなと思いました。

作為に関しては、例えば「なにかあったらどんどん指摘してね」みたいな心の広い上司を気取った発言を最初からしていたら、組織内での位置関係がずれて、組織がワークしづらくなるとか、

不作為に関しては、最終ビジョンや段階的なゴール、組織運営のルールを社長が決めて、それを完全結果の状態で認識の齟齬が起こらないように伝えていなければ、自分が思っていたことを部下がしないのは当たり前とか、

とにかく具体例を挙げたらキリがないのですが、識学の講義を受けるごとに目から鱗だらけで霧が晴れていきました。

識学のすごいところは、個々の人生観や組織哲学に関わらず、論理的にすべてのロジックが立てられているところで、ロジカルに物事を考え処理することが好きな私にはぴったりでした。

上の作為不作為の例で、「組織内での位置関係」「完全結果」みたいな単語をあえて入れているのですが、これは識学ファンならおなじみの「識学用語」であり、あまり公開記事で詳しく説明するのもあれなので、識学について詳しく聞きたい方は直接ご連絡ください。

社会人一年目にMECEやロジックツリー、各種思考フレームワークを勉強した時と同じくらい、識学の体系化された理論から学びを得ました。

また、最初の「事業」「組織」「財務」の3要素の話に戻ると、「事業」に関しては30歳で初めてIT業界に入った時に、プログラミングやデザイン、Webマーケティングなど1から狂気のように勉強して、実際に実務で経験してスキルが上がっていきましたし、「財務」に関しても会計士試験の勉強や監査法人・M&Aファーム勤務時代に、金融や財務に関してそこまでせんでもというくらい勉強したのですが、それと同じくらいの熱量でなんで「組織」について勉強してこなかったんだろう? と思いました。

自分は社長としての魅力があまりないとか、生まれつきコミュニケーションが下手とか、全く関係ないと思いますね。識学理論で論理的に組み立てていけば、どんな社長・上司でも組織運営を上手に行っていけると今は思っています。

つぎにやったこと

識学と出会い、「組織」に関して不安がなくなった私は、次に何の「事業」をやるか模索し始めました。

起業家が事業を選ぶ時は、だいたい2つのパターンに分けられると思います。

・時代の流れを読んで、これから来るであろう大きな市場で事業をする
・自分が好きで、やりたいことを事業にする

前者は、「これから5G時代だから」「AIやブロックチェーンはインターネット以来の革命だ」「バーチャルユーチューバーきてるわ」勢であり、ベンチャーでも新規参入がしやすく、かつ今後伸びるしかなく、VCから調達しやすい事業です。

後者は、家業をつぐ又はその周辺でテクノロジーと掛け合わせたり、ずっと〇〇をやってきたけど業界の負が大きいからそれを解消したい勢であり、よっぽど切り口が良かったり、テクノロジーで変えられる可能性が高い業界でないとVCからの調達は難しいでしょう。

上で唐突に「VCからの調達のしやすさ」という観点があらわれましたが、事業選択によってほぼ「資金調達のしやすさ」「優秀な人材のしやすさ」が従属的に決まってしまうという現実があると思います。「事業」が「財務」「組織」を規定してしまう、ということです。

ここはスタートアップ業界以外の方向けには丁寧に説明しないといけないところだと思いますが、これをやりたいという「事業」があったとして、それをやるためには資金や人材というリソースを調達する必要があります。

まず、資金調達(財務)からですが、資金を調達するには主に3つの方法があります。

・売上をつくる
・借入で調達する
・株式で調達する

最初の「売上をつくる」ですが、ここまでスタートアップ業界が盛り上がる前は、ほとんどのベンチャーはこれで会社を回していたでしょう。

自己資金で会社を作り、受託やライスワークもございで、時間がかかっても自分たちができるスピードで会社を成長させていく。

2つ目の「借入で調達する」ですが、2018年現在では資本性ローンや創業融資制度なども広がってきていますが、売上がほとんどなく、利益が出ていないベンチャーではあまり現実的な選択肢ではありません。

となると、3つ目の「株式で調達する」がキーになってくるのですが、株式に出資してくれる投資家は主にエンジェル投資家とVCに分けられます。エンジェル投資家は入れられても数百万〜数千万でしょうし、そもそも自分が投資した後のラウンドではVCにつなぐ前提です。一方、VCはファンドによりますが、数千万〜数十億の出資が可能です。

となると、VCから出資を受ける必要があるため、VCはどんな会社に出資したくなるかを考えなければいけません。

VCが出資するときは、出資時の時価総額を決めて出資してくれますが、当然それ以上の時価総額になって上場時またはM&A時に売却できる算段がなければ、出資する経済合理性はありません。

上場時に時価総額がつきやすいもの、M&A時に買収額が大きくなりやすいものに出資したいというのは大前提としてありますし、それは当然だと思います。

では、上場時に時価総額がつきやすいもの、M&A時に買収額が大きくなりやすいものとは何か? それは言うまでもなく、「これからもっと大きくなるであろう市場でのプレイヤー(できたらマーケットリーダー)」です。

どのくらいの知識の読者を前提にブログを書くか悩ましいのですが、時価総額とは基本的には将来キャッシュフローの割引現在価値であり、現在の売上・利益も重要なのですが、今後5年間でどのくらいキャッシュフローを稼げる見通しがあるかが問われます。

現在は良くても、今後シュリンクしていく業界で事業をやっている会社は、将来キャッシュフローがあまり期待できないため、時価総額は低くなります。よって、「これからもっと大きくなるであろう市場」で事業をしなければ、時価総額がつきづらいのです。

ここまでの話をまとめると、事業をやるには資金を調達しなければいけない→最短で調達するにはVCから→VCは上場時/M&A時に時価総額が上がりやすい事業に投資したい→これから大きくなる市場で事業をすべき、という流れが否応無しにあり、自分がどうかよりも市場性が優先される傾向があると感じています。

これは近年の音楽業界において、フェスに出ないと存在感を出せない→フェスではみんなで盛り上がれる曲が求められる→みんなで盛り上がれる4つ打ちやコールを入れやすい曲が増えて似通う、という流れに近いものがあり、自分たちが何をやりたいかよりもフェスにあった曲をやらないといけない、というのに近いものがあります。

もちろんそれは悪いことではないですし、ビジネスにおいても、特にこれをやりたいというものはなく、成長分野でその都度事業を作って会社経営をすること自体をやりたい起業家もいます。

ただ、未上場時の数十億〜数百億の時価総額を正当化できるくらい売上や利益が立つ事業分野は限られていますし、そもそも私自身大きくなりそうだからor儲かりそうだからで事業を選んでも、いまいちモチベーションが上がらないタイプなので、今回の起業でも市場性ではなく自分がどうしてもやりたいことで起業しようと決めました。

次に、人材採用(組織)ですが、優秀な人材を採用するには、優秀な人材が何に惹かれて入社するかを考えなければいけません。経験上、次の2つをどのくらい重視するかが人によって違う気がします。

・VCから多額の調達ができ、上場を目指せる会社で、給与やストックオプションなどの割り当ても申し分ない。市場が成長しており、事業機会が満載で、面白い仕事が次々に降ってくる
・自分がもともと好きな分野で、その仕事自体をしたかった

前者に関しては、財務(資金調達のしやすさ)とほぼイコールであり、市場性がある事業であることを重視する人です。後者に関しては、市場性よりも自分が好きかを重視する人です。

その両者のどちらが多いかがキモだと思うのですが、市場性がありかつ好きな分野だ、ということもありえるので、市場性がなくても好きだから入社する、という方の割合は感覚的には全体の10%くらいしかいないのではと思っています。

ただ、母集団が少なくても、旬な事業でないことを理解しつつも好きだからという理由で入社してくれた方は、ちょっとしたことでは動じないという良さもあります。

ここまで書いた通り、「事業」が「財務」「組織」を規定してしまい、事業選択が最も重要だということを理解した上で、次の事業を考えた結果、何度考えても音楽やエンタメくらいしか死ぬほど好きなものがなく、これ以外に思いつきませんでした。

皆さんご存知の通り、(日本の)音楽業界は斜陽産業と言われていて、ITサービスでのプラットフォームもほぼ外資に取られているので(YouTube、Apple music、Spotify、NetFlixなど)、起業する分野としては筋があまりよくないのは分かっていますが、それを踏まえた上でもどうしてもやりたいと思いました。

なぜ音楽やエンタメなのか? という新会社に賭ける想いについては、個人(私)〜会社(ティーンスピリット)〜アーティスト(SPECIAL NIGHT)という流れでインタビュー記事が上がっていますので、下記をご覧ください。

ティーンスピリット代表tmiyachiが初めて語る、“新年号世代”女性ダンスボーカルグループ「SPECIAL NIGHT」の全貌とは(BARKS)

2018年2月に会社を作った

まずやったことは、苦手意識があった「組織」に関して識学を受けてクリアにしました。つぎにやったことは、資金調達・人材採用の観点から検討しつつも「事業」をずっとやりたかった分野で選びました。

そして、今年の2月に法人を作り、アーティストのオーディション、育成、コンセプト作りなどをここまでやってきました。

最初は音楽業界や芸能界にツテがなく、ノウハウも全くなかったのですが、いろんな方と出会って教えていたただいたり、活動すればするほどこういうことを一緒にやりませんか? とお声かけいただく機会が増えたので、事業に関しては想定以上に楽しく進められています。

また、組織に関しても、今までの社会人生活10年であれだけ苦しめられたにも関わらず、識学理論を自分なりに応用して運営していますので、今のところ特に悩ましいことはありません。

また、個人でエンジェル投資を現時点で7社しているのですが、そこで出会った投資先の社長や株主仲間から学んだことも大きく、自分以外の会社の経営手法や表に出ないノウハウを取り入れながら走れているので、前の会社の時と比べてスキルが上がっているというのはあるかもしれません。

来年、弊社の女性ダンスボーカルグループ「SPECIAL NIGHT」のお披露目ができると思いますが、グループのコンセプトをどこまで社会の中で実現していけるか楽しみです。

今お仕事でご一緒したい方

最後に告知です。現時点で、弊社が出会えてないというか、お仕事でご一緒させていただきたいな、と思っている方です。

・ステージディレクター
歌だけダンスだけのトレーナーではなく、ライブ時の歌・ダンス・MC・ステージングを総合的に指導していただける方を探しています。

・アー写/ジャケ写のスチールカメラマン
お付き合いしているカメラマンはいるのですが、曲ごと・企画ごとに様々な表現をしたいので、いろんなカメラマンと仕事がしたいです。

・MV監督
こちらもお付き合いしている映像作家はいるのですが、曲ごと・企画ごとに様々な表現をしたいので、実写とアニメーションの両方ができてシームレスに成果物を作れるような映像作家と仕事がしたいです。

・イベンター/プロモーター
イベンター/プロモーターさんはどこか一社さんとがっつりお付き合いすることになると思うのですが、まだ決めていないのでいろいろなご提案をいただきたいです(アーティストのライブやレッスンを一度見に来ていただき、それで判断いただいても構いません)。SPECIAL NIGHTはアイドルではないので、アイドル系のイベント出演が不可になります。となると、かなりブッキングが難しいと思いますが、そこをどうするかも議論させてください。

BARKSのインタビュー記事や、こちらのブログ記事でご興味を持っていただきましたら、私のFacebookTwitter会社HPのお問い合わせのいずれかでご連絡いただきますと幸いです。

以上、noteでの初ブログでした。2社目起業してみて思ったのは、やっぱり起業って最高に面白いですね!!

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