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【娘におくる手紙】1歳6か月、どんな色がすき

これは、母から娘への手紙です。
2022年の夏、ひいおばあちゃんの生き写しみたいにそっくりな顔で生まれてきた娘。まばたきするくらい早く過ぎていく日々を書き留めて、娘が大きくなった時に渡せるよう、手紙にして残すことにしました。

▼1歳5か月、うたのおかあさん

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こんにちは。今月も手紙を書きます。

相変わらず歌が大好きなあなたは、どこでも歌をうたってと言ってきます。
家のなかだけでなく、保育園の帰り道やスーパーのなかでも。

近所のスーパーでは、スーパーのテーマソングに合わせて身体を揺らしながら『あ!!(お母さんもうたって!)』とおねだりです。
あなたのリクエストにはいつでもできるだけ応えるようにしているけれど、さすがにスーパーの歌をうたいながら店内を歩く勇気はなくて、『今日はヨーグルト買おうかー。どこかなー。』などとあなたの好きな食べもので気を引いてごまかしています。
どこでも歌いたがるあなたですが、電車やバスのなかは近くに人がたくさんいて緊張するのか、歌おうって言わないね。意外と空気を読むタイプなのかもしれません。

お気に入りの曲のなかでも最近の一番は、「どんな色がすき?」

「♪ どんないろーがすき?」

のうしろに色の名前を入れて歌うので、色の数だけ歌が続いていきます。

おうちにある12色のクレヨンを眺めながら一緒に歌うのがお決まりで、お母さんが歌うとあなたは『あった!』と言いながら得意気にその色のクレヨンを差し出してくれます。

毎日何回も歌いながらクレヨンを眺めているうちに、12色全部の色が分かるようになって驚きました。

色が分かるようになると、クレヨンを手に取るだけではなく、ことばもついてくるようになりました。

あかー
あぅー  (青)

に続いて、数週間後に

いーろ (黄色)

が言えるように。

はじめに言えたのが赤青黄色の3色だったので、「これって色の三原色だよね?」と、ちょっと感動しました。
でも、それを得意げにお父さんに伝えたら、色の三原色は「赤青黄色」じゃないよって。「シアン・マゼンタ・イエロー」なんだって。
プリンターで印刷するときに聞くあれですね。
理系なお父さんらしい細かい返しでした。

お母さんはひとり博識ぶった感動をしてしまいましたが、赤青黄色で大きく間違ってはいないので、まあいいでしょう。お母さんは大雑把です。
それどころか、「あなたは1歳半で色の三原色を発見した」と大げさに表現して楽しんでいます。
親ばかとはこういうことかもしれません。

あか、あお、きいろ、は、もちろん ” 発音しやすいことば ” だから最初に言えたんだろうけれど、それ以上に強く印象にのこる色なんだと思います。

あなたに色を選んでもらうと、必ずこの3色のどれかを選びます。
クレヨンだけじゃなく、洋服や食べもののパッケージ、このあいだ突然雨に降られてビニール傘を買ったときも、『あぅーーー!あぅーーー!』と言って青い水玉の傘を離そうとしませんでした。
(小さい傘で、あなたを抱っこしながらさしたら結局かなりぬれました。笑)


おもしろいなぁと思うのは、ピンクも「あかー」なこと。
保育園の体操帽子、あなたの学年はピンク色で、それをかぶっては嬉しそうに『あーかーー!』と頭を指さしています。
クレヨンで「ピンクはどれ?」って聞くとピンクを指さすから、ピンクという色があることも、どんな色なのかも分かっている。
だけどこのピンクの帽子は、あなたにとっては「赤」。
あなたにとってピンクは赤の仲間、赤の一部だというのがよく分かります。

目下、あなたの感心ごとは形やそれが何なのかより、” 色 ”。
あなたがいろんな色をみて『あかー』『あおー』という度に、あなたに見えている色の世界をおすそ分けしてもらっている気がします。

もう少しすると、赤からピンクがうまれたり、青が水色になっていくはず。
それは、ことばが言えるようになるだけじゃなく、あなたの色の世界がもっともっと細かく描かれていくことなんだと思うと、次は何色を教えてくれるのか、とても楽しみです。

それでは、また書きますね。

母より


 最近は ” おしごと ” に興味深々です

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原田 理恵 | 喫茶 手紙寺分室 note 編集長
「誰かの想いを翻訳・編集して磨き上げ、多くの人に伝えていく」が信条。旅と、時間が経って朽ちた風合いや佇まいがあるものがすき。ペンのインクはブルーブラック派。喫茶で最高のクリームソーダを出すのが夢。
Smiles: Project & Company 所属。

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