見出し画像

アメリカでの生活にはSSNが無いと始まらない

やっとSSN、ソーシャルセキュリティーナンバーのカードが届きました。ていちょうです。

medium.com

SSNとは

SSNはソーシャルセキュリティーナンバー、社会保障番号のことです。まぁ詳しくは調べてくださいなんですが、ざっくり言うとアメリカのおける自身の全ての情報が紐づけられる9桁の番号です。銀行口座、クレジットカード、電気代、運転免許などなど、あらゆるものに紐づきます。一生涯有効なので、私は今回取得したことで一生この番号が使えますし、逆に一生この番号から逃れられません。

分かりやすい使われ方としてはコロナの給付金のようなものがあり、国籍と銀行口座が紐づいているので国からのお金は自動で振り込まれます。日本だと給付金を配る時に「どこに振り込みますか?」という口座のお伺いが郵送されてきたと思いますが、アメリカでは最初から紐づいているのであれが不要です。

SSNを取得するには

アメリカ国民(市民と呼ばれますけど)は出生時に国籍とセットで自動取得です。もちろん取得しない選択肢もあるらしいですが、よほどのことがない限り取得するでしょう。

外国人の場合は、SSNを取得できる人とできない人がいます。SSNはお金関係の管理のためのものなので、アメリカでお金を稼ぐ人に必要な番号です。つまりはアメリカでの就労を許可された人のみが申請することができます。旅行者や、その他就労できないビザでアメリカに滞在できる人は申請できません。

私はJ1ビザで働いているので(正確には研修ですが)申請できましたが、私の妻は就労できないJ2ビザなので申請できませんでした。一応J2ビザでも就労許可(EAD)を取ればSSNが申請できるようになります。

SSN無しの生活はとどうなるか

入国して1週間後くらいにSSNの申請をしたんですが、届いたのは6週間後の今週でした。その間はSSN無しで生活していたわけですが、それなりに不便でした。

SSNが無いということはアメリカの社会システムと私の間のつながりが無いということで、アメリカ社会におけるあらゆる信用が無い状態です。

公共料金のアカウント

家を探して、電気、ガス、水道と契約をするわけですが、SSNが無いと諸々がネットで申し込みが出来ません。電話申し込みが強制されます。一応日本語通訳が使えますのでなんとかなりますが。また、申し込む時もデポジット(保証金)が必要でした。

運転免許が取れない

これ一番困る。運転免許の申請にSSNが必須なのです。カリフォルニア州では転居から9日以内にカリフォルニア州の運転免許を取得することが義務付けられていますが、そもそもSSNが申請から届くまでに1か月くらいかかるので、海外赴任者は最初から詰んでいます。

さらに運転免許を発行するDMVという組織はネタにされるくらい仕事が遅いことで有名で、会社で私の隣にいるオーストラリア人は最初の申請から免許を取り終わるまでに1年以上かかったと言っていました。自動車学校のような場所に通ったわけではありません。日本でいう免許センターの一発試験に当たるものを受けに行っている感じなのに1年です。なんだそれは。日本の免許センターの待ち時間が可愛く感じられます。

IDが無い

カリフォルニア州の身分証は運転免許と一体化されています。つまり運転免許証が無いということは有効な身分証がパスポート以外に無いということなのです。私はパスポートを常に持ち歩くという超絶リスキー行動を強制されます。

一応、運転免許証の機能のない、ただのIDを取ることも可能ですが多分それが届くころには仮の運転免許証兼IDが手に入っているので多分私の場合は取る意味がありません。

SSNの取得方法

①申請する

番号を振ってみましたが実質①で終わりです。ネットで申請するか、各所にあるSSN申請用の役場的なオフィスに行くかして申請します。ここの方法は多分年によって移り変わるので公式ページ参照です。
申請書、入国、ビザ関係の書類、パスポートなどを持っていきます。申請費用は無料です。
ちなみにオフィスへ行く際はマスク必須です。無い場合は受付の人がくれます。

②待つ

申請のときは「4週間以内に届かなかったら連絡してね」と言われましたし書類にも書かれていました。そして案の定4週間で届きませんでしたので電話しました。そしたら「あと2週間待って!」と言われました。マジかよ。

結果的に6週間経って届きました。アメリカだな。

ちなみに、同期A、私、同期Bの順番で2日ずつくらいずれてSSN申請してたんですが、実際に届いた順番は同期B、私、同期Aでした。というか同期Aに関してはまだ届いていません。

なんで申請が遅い側から届くんだよ……内部の処理どうなっとんねん……

SSNが届いたら

いろいろなところに登録が必要です。まずは会社です。税金とか保険関係に必要ですからね。多分。

あとアメリカのクレジットカードを持っている場合はクレジットカード会社もです。以前記事にしましたが、アメリカはクレジットヒストリーがほぼ命です。そしてクレジットヒストリーはSSNに紐づけられます。SSNとクレジットカードを紐づけることで、クレジットヒストリーが構築できます。そしてこれはSSNが有効である間、つまり私が日本に帰っても一生涯有効です。

クレジットヒストリーがなければクレカが作れず、クレカがなければクレジットヒストリーが作れないというアメリカにおける有名な鶏卵問題がありますが、一旦クレヒスを作れてしまえばこっちのもんです。今後もしアメリカで生活しようとなった時、強くてニューゲームが可能な状態にできるということですね。

まぁ、クレヒスが悪くなってもリセットは出来ないということなのでそこは気をつけないと駄目なんですが。

SSNは金庫にしまえ

SSNがあらゆる情報と紐づいていると言いましたが、割りと問題がありまして、SSNで何でもできるのに、SSNカード自体に個人判別機能が無いのです。写真も無く、ICチップも無く、パスワード認証もないただの番号が書かれた紙ペラです。「SSNを知っているのは、そのSSNを持っている1人だけ」という前提でシステムが運営出来上がっています。

よってのカードもしくは番号を悪意を持った第三者が手に入れると、大変とても非常にかなり厄介なことになります。セットで後をつけられるなりして住所を知られた日にはもう最悪です。

明日からその人はあなたになりすますことが可能です。

まぁ今は色々対策されているかもしれませんが、給付金を横取りされたり、クレカや借金を勝手に作られたり、そういう事例がたくさんあります。それほど重要な情報です。そのくせ至る所で番号必須だから意味分からないんだよなぁ……

その点日本のマイナンバーカードは顔写真とパスワード認証付きなのでだいぶマシですね。マイナンバーを知られても、カードを盗まれても認証機能があるのでここまで簡単にクリティカルなダメージは発生しません。

上司からは「そのカードは絶対に落とさないようにね。いろいろ悪いことできるから。」と言われました。

「タンスの奥にしまっておきます。」と答えました。ちなみにまだ財布の中にあります。

さいごに

あと運転免許証を取得してしまえば、やっとアメリカ人同等のスタイルで生活を送ることができる、アメリカ生活スターターセット(居住地、車、クレカ、ID)が揃うことになります。

スターターセットが揃うまでが長い……

まぁ本当はスターターセットの中に「英語」も入るんですが、それが揃う日はきっとこないので置いておきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?