アメリカのクレジットカードは基本リボ払いな話
最近アメリカのクレジットカードを作りました。トップの写真は良いのが思いつかなかったのでフォルダの1番上にあったスタンフォードの美術館です。ていちょうです。
アメリカはクレジットカード一強
アメリカの決済手段としてはクレジットカード決済の一強状態です。現金が使えないお店が割りとありますし、100ドル札を出した日には怪訝な目をされて機械にかざして偽札確認をされる始末です。QRコード決済は出来るかどうかもわかりません。なんの表示もねぇ。
ちなみに海外あるあるである「大きい金額のお札を出して会計を断られる」ということはまだ経験していません。まぁなるべく細かいので出そうとはしていましたが。
学生の時に行ったシンガポールでは、スーパーで50ドル札を出したら「もっと細かいの出せ」と断られたりしました。そこらへんはまだアメリカの方が寛容かと思います。まぁアメリカは州を跨げば法律も違う別の国なので、地域差は有ると思いますが。
なお中国はスマホ決済一強、日本は未だに現金至上主義と言えます。
中国はクレジットカードが広まらなかったのと、現金の信頼性が低かったため。日本は治安が良く現金の信頼性も高すぎたためですね。
その感じで考えると、アメリカのクレカ一強状態は、治安の悪さと大抵の人がクレジットカードを持てるという経済状況に由来するのだろうなと考えています。
カードがないとホントに困る
以前の記事でも書いた通り、私はあらゆる手続きが遅れたせいでアメリカ生活序盤に銀行のデビットカードが手元にありませんでした。その結果現金生活を強いられていたのですが割りと困りました。
カードしか使えないお店
先程も現金が使えないお店が割りとあると言いましたが、割りとあります。デパートに入っている小さなカフェみたいなところでよく使えないお店があったりします。日本にもあるタピオカ屋さんのGong chaがあったので買おうとして現金を出そうとしたら「あ、キャッシュは無理っす」と断られました。
カードしか使えないセルフレジ
アメリカのスーパーなどではかなりの割合でセルフレジが設置されています。そしてかなりの割合で現金非対応という所感です。
普通の有人レジは割りと並ばなきゃいけないのと、レジの人がめっちゃ話しかけてくるんで英語ができないうちは気まずいんですよね。「よう。調子どうだい?」みたいにマジで話しかけてきます。まぁそれがアメリカの「いらっしゃいませ」くらいのやつなのでしょうがないのですが。
最近は「あ、いい感じっす。調子どうすか?」と適当に返せばいいと学んだので成長を感じています。ちなみに注意ポイントとして、ここであまりにも英語できる感を出してしまうと追加でさらに意味分からんくらい速い日常会話をぶつけられるので適度にたどたどしく返しましょう。
25セント硬貨が厄介過ぎる
これは私の性格でもありますが、一番のストレスはこれ。25セント硬貨でした。
現金で生活しているとお釣りでコインが増えがちなので、なるだけ端数をぴったり出そうとしていたのですが25セントが私の脳内計算を邪魔するのです。
以前の記事でも述べたとおり、アメリカの中で25セント硬貨は超メジャーなので、お釣りは可能な限り25セント硬貨で帰ってきます。なおかつ50セント硬貨がほぼ出回っていないことも理由ではありますが。
そして日本人の私には25区切りの通貨形態があまりに感覚にあわず、結構な率で25セントで払うのを忘れます。
例えば端数が28円を少ない枚数で払おうとしたとき、日本人だったら10円2枚、5円1枚、1円3枚で払うと思います。言わずもがなこれが最適です。端数が28セントのとき、日本に慣れた私は上記同様の組み合わせで払おうとしてコインを探します。
しかしこれがアメリカだと28セントを25セント1枚と1セント3枚で払うのが一番枚数が少なくなるのです。
気持ち悪い!!!!
ちなみにこの「どうすれば一番少ない枚数で支払えるか」というのは最適化問題として真面目に研究されている分野でもあります。それほど厄介でもあるということです。
そんなこんなで私の財布の中には支払いに使われなかった25セント硬貨がどんどん増えていくのでした。
まぁこれは慣れの問題でしかないんですけどね。
とりあえずデビットカードがあればOK
デビットカードは自身の銀行口座と紐づいていて、支払ったその場でその分が引き落とされるカードなわけですが、クレジットカードと同様に使えます。ですのでとりあえずアメリカの銀行口座を作られた方はデビットカードさえ持っていればカード社会の波に乗れるということですね。
じゃあなぜクレジットカードを作ったのか
デビットカードで事足りるのになぜクレジットカードを作ったかというお話ですが、それは今後のためにクレジットヒストリーが欲しかったからです。
クレジットヒストリーとは
その人の社会的な信頼度を表す指標です。クレジットカードを使い、ローンを組み、遅れなく返済していくことでスコアが高まります。
なお、このクレジットヒストリーは日本で言うマイナンバーであるソーシャルセキュリティナンバーに紐づいてしまっているので、間接的にクレジットヒストリーと自分の戸籍も紐づいてしまいます。逃れられない。
このスコアが高ければ多額のローンが組めますし、クレジット上限枠も増えます。さらにもっと良いクレジットカードが申し込めるようになります。お金に関しての信頼度が高まるということですね。
卵が先か鶏が先か
ちなみにここで問題になるのが「クレジットヒストリーがないとアメリカのクレジットカードが作れない」というバグです。
本当にこれはよく言われるバグなんですが、「クレヒスを作るにはクレカが必要なのに、クレカを作るのにクレヒスが必要」という「じゃあ永遠にクレカ作れないじゃん」という割と詰む状況が存在します。特に海外移住者はこうなります。
そんな時にJAL USAカードとANA USAカード
そんなお悩みを解決するのがこの二つ。クレジットヒストリーだけでなく、日本での勤務先や年収を考慮してカードの承認をしてくれます。
会社の司令でアメリカ赴任してるんだったら普通に通ると思います。
このカードで支払いをし、クレジットヒストリーを構築、そして次なるもっと良いカードの申し込みへ繋げる。というような流れですね。
まぁ私は1年しかアメリカにいないので帰国後適度なところで解約するんですが。
アメリカのクレカは特典が充実
らしいです。詳しい人によると。
キャッシュバックがすごいとか、ポイント還元がすごいとかそんな感じらしいです。ですのでもう作れたら勝ちみたいな感じなんですかね。知らんけど。そこまでアメリカいないし。
タイトルの件
で、ここでやっとタイトルにある話に戻るんですが、アメリカのクレカの日本との大きな違いとして、「その月の返済額はその月に決められる」というものがあります。
日本だと、お店での支払いの時に、一括か分割が決まり、それを翌月あたりに必ず返済する必要があります。というか勝手に引き落とされます。
アメリカでは何も聞かれずに一括払いにされて、後から手動で請求額のうちいくらを返済するかを決められます。
請求額はネットで見れるのですが、そのうちの何ドルを払うかを毎月自分で決めて、手動で払うのです。
「これ以上は払ってね」という最少返済額は決められていますが、それ以上であれば返済額はいくら良いのです。もちろん繰り越した分には金利がかかりますが。
最少返済額すら返済しないとクレジットヒストリーにキズがつきます。もちろん全額返済するとプラス評価です。
会社の人からは、毎月の返済額は預金と相談して手動で決めて、その手続きを忘れた時のために自動で最少返済額が引き落とされるように設定することをおすすめされました。
何もしなければ毎月定額の引き落としでなんでも買えちゃいますね。
素晴らしいですね。
なんか聞いたことありますね。
リボ払いですね。これ。
そう。これつまりデフォルトでリボ払いにして、預金あるときは手動で返済しようぜ、って運用なんですね。
金融に詳しそうな会社の人が言ってたので、多分これがアメリカンのスタンダードな運用なのでしょうか…
クレカに見る文化の違い
最後に、クレカの話を聞いていて思ったのは借金に対する意識の違いです。
クレジットカードというのはいわばただの借金です。捉え方はそれぞれですが、日本では「借金良くない」「クレカ持ちすぎは良くない」などよく聞きます。まぁ防犯の観点や、日本が治安良いので現金持ってても大丈夫なことにも由来してるとはおもいますが、基本的に一般的には「借金怖い」な感じだと思います。私は親からそう育てられました。
しかしアメリカでは「借金しようぜ!」な空気を感じます。借金して、返済するとクレジットヒストリーがたまるのでさらなる借金ができます。そして沢山の借金が出来ればあらゆる投資が出来ますし、家や車を早めに手に入れる事ができます。借金に前向きなんですね。
借金の金利は、前借りしたお金によって得られる機会、経験に対する対価なんですよね。そういう「形のない物」に対する捉え方の違いなのかなとも思いました。日本人が人件費を無視しがちみたいな話にも通じているなと。
借金への前向き加減は日本でも経営者とか前向きだとは思います。一定額を超えた借金はその人の社会的信用ですしね。返ってこなさそうなところにお金を貸す人はいませんし。
ちなみに私にクレカ作れと激推ししてきた会社のオーストラリア人は、5枚のクレカを必ず毎月使うという運用でクレジットヒストリーを高めています。「クレヒスを貯めるためには最低クレカは5枚必要だ。そして毎月使う。いいか?このグラフを見ろ、これはな……」と仕事中に自身のクレヒスのグラフを見せられながら熱弁されました。
まぁ英語だったので半分くらいしか分かりませんでしたが。
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