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アメリカで運転免許を取った話(Los Gatos, カリフォルニア)

タイトルにあるとおり、やっと正式な運転免許が取れました。この記事ではカリフォルニアでの免許の取り方と、私が実技試験を受けたLos Gatosの試験コース(2023年4月時点)などをご紹介します。

アメリカの運転免許試験

まずアメリカの運転免許試験について、日本と違う部分をざっくりまとめておきます。

  • 管轄が警察ではない
    日本だと免許センターを運営しているのは県警ですが、アメリカの運転関連の手続きはDMVという組織が管理しています。免許センターみたいな場所もあります。ちなみに仕事がクソほど遅いことで有名です。私もこの度そう思いました。

  • 一発試験が基本
    日本だと自動車学校に通って実技試験まで終わらせ、免許センターで筆記試験を受けて取得、という流れが多数派だと思います。アメリカは実技試験もDMVで行います。日本で言う一発試験のスタイルが基本です。

  • 実技試験は自分の車で、公道でやる
    日本では実技試験で自動車学校の車(一発試験の場合は免許センターの車)を使いますがアメリカでは自分で試験用の車を用意してDMVまで持っていく必要があります。つまり既に免許を持っている知り合いがいないとここで詰みます。また、実技試験は普通に公道で行われます。

Step1 申請

まずはDMVに「運転免許を取りたいです」と申請します。さすがアメリカ、ネットでできます。

ちなみにやることはざっくり言うと以下の4つです。

  • 取りたい免許の種類を選択や、自分の個人情報の書き込み

  • パスポートやビザの画像をアップロード

  • 住所を証明する書類のアップロード

  • 筆記試験の予約

Step2 筆記試験

まずは筆記試験を受ける必要があります。
勉強はカリフォルニア州の運転者用ハンドブック(日本語版)があるのでこちらを通読すればOKです。めっちゃ長いですけど。

https://www.dmv.ca.gov/portal/file/california-driver-handbook-japanese-pdf/

筆記試験の受け方は2つあります。

  • DMVの建物へ行って受ける(予約ありなしが選べる)

  • Web受験

私は一番近くのDMV(サンタクララ)に行って受けてきました。Web受験したとしても合格後にDMVに行って書類を提出する必要があるので行ったほうが早いかなと。

ちなみに予約して行きました。DMVは仕事が遅いことで有名と言いましたが、その結果DMV名物である大行列が発生いたします。予約なしだとそれに並ぶ必要があるので可能なら予約していきましょう。

ちなみに筆記試験のときに開店ダッシュをしようと始業時間ぴったりにDMVに行ったのですが、すでに駐車場がいっぱいでした。これは場所によると思いますが。

流れは以下のような感じでした。

  1. 並ぶ
    予約といえども予約している人の列に並ぶ必要があります。予約の時間が来ればスタッフに行って列をスキップ出来ると思います。

  2. 受付
    申請時にアップロードした書類を、窓口で実際に提出します。あと申請費用を払います。41ドルでした。デビットカードで払いました。筆記試験や実技試験はそれぞれ3回くらい落ちると申請からやり直しなのでこのお金ももう一度払い直すことになります。

  3. 筆記試験
    筆記と言いつつパソコンのタッチパネルで選択肢をポチポチして受けます。ちなみに試験は3択の選択式です。そして日本語で受けることが可能です。最高。カリフォルニアドライバーハンドブックを通読すればOKです。

  4. 写真を撮る
    合格したら写真を撮られます。私はこのタイミングで写真を撮ることを知らずに適当な格好で行ってしまいました。最悪だ。

  5. 仮免の発行
    今取った写真が入った仮免が発行されます。ただの紙束です。仮免は「カリフォルニアの免許を持っている人が同乗していれば運転できる。」というものです。日本のように「仮免練習中」のような表示は不要です。「仮免で練習して実技試験受けに来てね」という意味です。これでDMVでやることは終わりです。

  6. 実技試験の予約
    家に帰ってネットから実技試験の予約を行います。DMVならどこでもOKです。私は一番空いていたLos GatosのDMVを予約しました。

Step3 練習する

本来はここから仮免で運転練習です。私は国際免許片手に既に1000マイルくらい運転していたので練習済です。ちなみに「カリフォルニアに引っ越した人は9日以内に免許を取ってね!」という絶対無理なガイドラインが存在するので既に住所を持っている私が国際免許で運転してたのは割りとグレーです。でも9日以内は無理だって。

Step4 実技試験

Los GatosのDMVへ行きます。このとき私は仮免状態なので、免許を持っている誰かに同乗してもらって向かう必要があります。でなきゃ無免許運転なので。同乗者の免許チェックもあります。私は上司についてきてもらいました。同乗してきた人は試験が終わるまでDMVで暇することになります。申し訳ねえ。

受付

予約をして行きましたが案の定予約者の行列に並ぶ必要がありました。ひとしきり並んだ後、実技試験の人は行列をスキップして直接試験受付に向かっていいことが分かり上司と一緒に文句を言いながら窓口へ向かいました。

窓口では仮免、試験に使う車の車検証、車の保険の証書を提出し、同乗してきた人の免許の確認も行われます。それが終わったら実技試験の採点用紙をもらって、外に出て車に乗り込み、試験待ちの車の列に並びます。ちなみに結構待ちます。1回の試験が20~30分くらいなので、並んでいる車が何台あって、試験官が何人いるかを観察すれば待ち時間は予測できます。私は30分くらい待ちました。

試験待ちの車の列

試験開始

列を進んで前まで来たら、エンジンを切って、窓を開けて試験官を待ちます。試験官がやってきたら試験開始です。

  1. 採点用紙と諸々の書類を試験官に渡す

  2. ライト、ワイパー、ホーン、パーキングブレーキ、スイッチ類、手信号の確認
    ライトは、ヘッドライト、ウインカー、ハザードランプ、ブレーキランプを点灯させます。スイッチはデフロスター、パーキングブレーキの場所を指差して確認します。手信号は日本の手信号と一緒で、左折、右折、減速停止を実演します。

  3. 試験官がエンジンを付ける

  4. 走行開始
    試験官の指示に従って公道に出ます。言われたとおりに曲がって、言われたとおりに駐車して、言われたとおりにDMVまで戻ってきます。走行コースはYoutubeにも上がっています。私は下の動画で予習して試験に臨みました。

ちなみに今回の試験では上の動画と少し違うコースでした。具体的には、動画だとチェリーブロッサムロードを最後まで直進しますが、今回は1つ目の交差点(ラウンドアバウト)で右折しました。あとは動画と同じでした。

今回の走行ルート(左下がDMV)

試験終了

  1. 終了
    DMVに戻ってきて、採点用紙とその他書類を返され合否を通知されます。15個の減点までセーフです。私は2個減点で合格でした。

  2. 最後の手続き
    窓口に戻って試験官から受け取った書類を提出すれば終わりです。仮の免許証がもらえます。仮免ではなく、本物の免許証が届くまで使える仮の本物の免許証です。説明が難しい。

  3. 帰宅
    この間、ずっとDMVで待っていた上司に謝りつつ自宅へ帰ります。

  4. 免許証が届くのを待つ
    2週間くらいで届くらしいです。全く信用していませんが。

渡された採点用紙

さいごに

12月の終わりごろに渡米し、4月の初旬に運転免許が取れました。3ヶ月半かかりました。長過ぎる。

べつに試験が難しいというお話ではなく必要書類の送付待ちや、アポイント待ちなどの待ち時間がほとんどでした。特に免許の申請に必要なSSN(ソーシャルセキュリティーナンバー)が全然届かなくてな……。SSNが無くても免許は取れるらしいのですが、どうせ面倒なことになるので律儀に待った結果こうなりました。

場所や時期にもよるでしょうが、初めて渡米し初めて運転免許を取るという場合は覚悟してください。長かった……。

長くなりましたが、やっと免許が取れたよというお話でした。

補足:「カリフォルニア」とタイトルに書いた理由

アメリカは州によって法律が異なります。もはや別の国です。よって運転免許の制度も州によって異なります。結果、カリフォルニア州で取れるのはカリフォルニア州の運転免許ですので明記しておきました。

まぁ、どこかの州の運転免許があれば、アメリカ国内はどこでも運転できちゃうザル制度なんですが、一応別の州に引っ越したらその州の運転免許を新たに取りましょうね、というルールになっています。少なくともカリフォルニアはそういう決まりです。

また、他の州の免許を持っていれば日本の免許更新みたいな感じでその州の免許がもらえます。私はもちろん何ら持っていないのでしっかり試験を受けました。

ということで今回紹介した試験内容はアメリカ全土で通用するお話ではないかもしれないということを前提にご覧いただければと思います。

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