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定年女子の実家じまい 実家を学童保育に? その2

実家を学童保育所として使いたいという申し出があり、喜んだのもつかの間、駐車場が1台分しかないため話は白紙に戻った。その数ケ月後……。

オシャレな小規模民間学童保育の広告

先日、新聞広告と一緒に入ってくるタウン誌に、小規模民間学童保育開設の広告が載っていた。かわいらしいロゴとフランス語風のおしゃれな名称。昔は保護者たちが必死に物件を探し、行政の補助を訴えて市会議員まわりをしたり、バザーをやったりして何とか運営してきたが、最近では企業も多く参入しているらしい。

うちの実家を見学に来たKさんだ!

広告にURLが載っていたので、ホームページを見てみた。教育理念に「世界の人々や多様な価値観・文化を持つ人と話し合い共生できる児童の育成に力を注ぐ」とある。あれ? どこかで聞いたような、と思って画面を下にスクロールすると施設長Kさんのポートレートがあった。昨年、学童保育として使う物件を探して私の実家を見に来られた人だ。
 
そうか、いい物件が見つかったんだ。ホームページには、施設内部の写真も載っている。年明けから内装がスタートしたばかりとブログに書いてあるように、床には養生のブルーシートが貼られ、ベニヤ板が壁に立てかけてある。壁はコンクリートの打ちっぱなしで天井はかなり高い。うちの実家では10人でもいっぱいだったろうが、ここなら20人くらいいても大丈夫だろう。今年の4月開設の認可も下りたようで、安堵したがちょっぴり寂しい気もした。

私に何かできることは? 

何か手助けできることはないだろうかと考え、Kさんにメールを送った。うちにある食器、遊び道具、座卓や本棚などの家具、母が遺した押絵や刺繍の作品、使ってもらえるものがあればお譲りします、という内容だ。さっそく返信が来て、備品は何もそろっていないのでお言葉に甘えたいとのこと。多文化、多世代共生の教室を目指しているので、押絵や刺繍をぜひ子どもたちに見せたいと書いてあったのがうれしかった。

相続登記もやってみた

うちの実家を学童保育に使いたいという話が出たとき、まだ相続登記をしていなかった。もし家をリフォームしたり、賃貸契約を結んだりということになっていたら、大急ぎで登記をしなくてはいけなかっただろう。私は専門家に任せるつもりでいたが、夫が「退職したらわしがやったるわ」というのでそのままにしていた。

しかし、夫は定年退職後も嘱託職員として働いているので一向にやってくれる気配がない。これまでは登記しなくても特に罰則はなかったが、2021年に義務化が決まり、2024年4月1日以降は10万以下の罰金が発生することになったので、私は重い腰を上げることにした。

それでもなかなか着手できずにいたのだが、そのとき受講していたライターの講座で「キーワードを選び、ターゲットの悩み、疑問に答える記事をわかりやすく書く」という課題が出たので、「相続登記・自分で」をキーワードに「相続登記を自分でやろうと考えている人(つまり自分)」をターゲットにした記事を書いてみることにした。

「相続登記・自分で」でヒットする検索上位の記事を片っ端から読み、自分なりの記事をまとめていく。どんな情報をどのように説明したらわかりやすいか、何の知識もない自分がネットの記事だけを頼りに手続きを完了できるか、を念頭に置いて書いてみた。その結果、何とか法務局に書類を受理してもらうことができた。その後、書類がひとつ足らないと連絡があったが、それは取り付けはしたものの不要だと思い、提出しなかった書類だった。すぐに追加提出し、無事に相続登記が完了した。

学童保育に、という話のおかげで、家財道具の一部を再利用してもらう目途が立ったし、ターゲットのニーズに応える記事を書くという課題のおかげで、相続登記をすることができた。今後のことはまだ何も決まっていないが、どこから手を付けようかと途方に暮れていた実家の片づけも、少し動き出したように思う。

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