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入稿原稿の作り方について

ちょっと自分用の備忘録も兼ねて営業や工務の方など製版部に作業依頼をされる方に入稿する際にお願いしたいことを書きます。会社によって作業形態も様々だと思いますのであくまで参考程度として。

  • 納期や仕様はきちんと伝えてください。

  • 品質要求度の高いものは画像処理者に先方の指示が正しく伝わるように打ち合わせてください。

  • 作業内容は指示書や、原稿・カンプなどに読みやすく書き込んで下さい。直接書き込めなくて付箋等に書き込む場合はテープで止めるなど剥がれ落ちないように気をつけてください。

  • 表裏関係や天地の紛らわしいものは、原稿を貼り合わせたり咬方向を原稿に書き込んでください。

  • 責了紙は製版・印刷の後工程が見て理解できる見やすくわかりやすいシンプルな原稿を作るように心がけて下さい。

  • 修正帰校の際には修正箇所を明記してください。修正内容が不明だったり、修正指示が漏れていたりすると現場が混乱してしまいます。

  • 色見本・面付け見本・加工見本などは明記して下さい。 不要な原稿は添付せず必要な物のみ添付して下さい。

  • 五月雨入稿は避けて原稿はできるだけひとまとめにして入稿して下さい。

  • 重要原稿に関してはケースに入れるなど特に注意してください。

  • 面付けの指示は明確にして下さい。印刷機によって刷版の仕様が変わるためどの印刷機(外注も含めて)で印刷するのか明記してください。

  • 後加工によっては色調修正や面付け時に必要な作業が発生すると思います。きちんと作業時に後加工の内容を伝えてください。


(列挙しだすときりがなくて項目が多くなると投げ出す営業さんもいたなぁ‥
守ってもらえないと意味がなくなるし)

データと(できるだけ)原寸出力紙。できればデジタル検版のためのPDFやjpeg画像などの添付。

端物かページ物(冊子・本)か
ページ物なら台割や折丁が必要です。製本方法も明確に。例えばPUR製本だとノドに塗り足しをつけるなどの製版処理も必要になります。装丁類も後加工などに応じた面付けの指示をきちんと行ってください。三つ折りなどのサイズも分かるようでしたら指示しておいてください。

使用する用紙
用紙の種類によっては画像の色調整も変わります。特殊な用紙などの場合できれば用紙の見本も一緒に入稿してください。軟ビやPET素材など仕様によって表刷りなのか裏刷りなのかの指示が必要な場合があります。

使用インキや刷り順
蛍光インキやSRインキなど使用インキによっては製版処理も調整が必要になります。特色インキを使用する場合、例えば金銀などのインキは印刷の刷り順によってトラップやノセなどの処理の仕方が変わります。原稿を見せた上で印刷現場と刷り方を確認して入稿してください。

後加工
例えばPP加工などを行えば印刷物の全体に濃度が上がります。グロスPPかマットPPによっても変化が異なります。あらかじめその濃度変化を考慮した処理が必要になります。トムソン抜きや箔押しやエンボス加工などの加工も面付けの際、咬や針方向、アキの指定など細かな指示が必要なはずなので打ち合わせた上で指示してください。


まだまだ細かいことを書き出すときりがありません。本当は入稿用のデータの作り方なども書きたい気もしますが会社によってもそれぞれ異なるでしょう。
DTPデータの作り方に関しては@akatsuki_obanaさんが詳しく書かれています
製版現場は入ってくる原稿によって作業効率が大幅に左右されます。製版現場の人間は印刷現場が困らないような原稿を作るように心がけています。製版現場に原稿を入稿される際にもスムーズに仕事ができる原稿作りを心がけてくださるようお願いします。

参考(責了紙の作り方)

品質を繋ぐ校・責了紙の作成について
校・責了紙の正しいつくり方について



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