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アルツハイマー病の原因と予防

アルツハイマー病の症状

アルツハイマー病とは、記憶や思考能力がゆっくりと進行的に低下していく、脳の病気のことをいいます。

アルツハイマー病の初期症状は海馬で始まります。海馬は記憶の形成に関する部分のため、新しい記憶が作られにくくなってしまいます。アルツハイマー病の症状というと、同じことを何度も話したり、ご飯を食べたことを忘れたりすることを想像する方も多いかもしれません。これらの症状は、記憶が作られないために起こります。

アルツハイマー病の症状が進行すると、脳の様々な部位を侵食していきます。感情をつかさどる扁桃体などが影響を受けると、いつもは穏やかだった人が感情をコントロールできなくなって、怒りっぽくなってしまうようなことが起こります。

また、思考に関する前頭前野に影響が出てくると、意思決定、計画立案、問題解決などを行うことが難しくります。そうなると、計画的な買い物ができなくなったり、道具の使い方がわからなくなったりします。

最終的には、古い記憶を貯蔵する部分も破壊されてしまいます。そうなると、過去の思い出を忘れてしまったり、長年一緒にいた人が誰かを思い出せなくなってしまいます。

アルツハイマー病の原因

アルツハイマー病の原因は、脳にアミロイドβと呼ばれるたんぱく質が蓄積することだと考えられています。アミロイドが蓄積すると、神経回路を阻害するようになったり、神経細胞を破壊するようになります。こうして、脳の機能が徐々に低下していきます。

アミロイドβが蓄積してからすぐに病気が発症するわけではありません。アミロイドβが蓄積し始めてからアルツハイマー病が発症するまでには、15~20年の時間がかかるとされています。また、認知症の初期症状が現れてから末期症状に至るまでは、8~10年の時間がかかります。

アルツハイマー病の予防

アルツハイマー病の原因はアミロイドβが蓄積することなので、アミロイドβが蓄積しないようにすることが一つの予防方法です。

アミロイドβは、質の高い深い睡眠中に、グリア細胞という脳の清掃役を務める細胞によって脳から除去されます。そのため、質の高い睡眠をとることが一つの予防方法です。科学は、人間の成人が健康を保つためには、7~9時間の睡眠が不可欠であることを示しています。睡眠はアルツハイマー病だけでなく、心臓病、がん、精神疾患などのあらゆる病気の予防につながります。

他には、有酸素運動をすることが効果的だと分かっています。動物を対象にした実験では、運動によってアミロイドβが減少することが分かっています。有酸素運動が効果的な理由は、運動をすることによって脳の萎縮を防げるからです。

他にも、健康的な食事(地中海食やMIND食など)や、新しいことを学ぶこと(行ったことない街を旅したり、本を読んだり、ピアノを習うなど)、社会的な活動をすることなどが、アルツハイマー病の予防になると言われています。

参考

  • Remember 記憶の科学

今日のカード

遺伝 / 生活習慣

メモ

アミロイドβは若い人でも蓄積するのか
アミロイドβは一日でも蓄積するのか
運動が脳に与える影響について、海馬に影響を与えるのか、他の部分にも影響を与えるのか

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