鉄馬(tekihei2317)

なるべくポジティブにもネガティブにも盛りすぎないように気をつけています。

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最近の記事

【詩】ヒヨドリ

もうじき満開を迎える桜の木に 小柄なヒヨドリが一羽やってきた 好物の桜の花の蜜を吸いながら 枝を揺らしてダンスを踊っている 鳥にとっては全てが自分の庭で また全てがみんなの庭でもある 体力が許す限りどこへだって行ける 人の方が窮屈に生きているだろうか 彼らに何をするのが好きかと聞くと 歌、踊り、食べることと答えるだろう 彼らが餓死するのを見たことはない 自然が全てを与えてくれるのだから 人は満たされてただ生きること以上の意義を求めるが 食べ物を探し回ることが不幸だとどう

    • 人として正しいこと、今やりたいこと

      稲盛和夫氏の本に「経営の素人の時は人として正しいかどうかを基準にしていて、その考えはずっと変わっていない」と書かれていた。人として正しいことと言えば、正直、親切、公平、寡欲などが思い浮かぶ。道徳の授業で習うようなことだ。これらは論理で導けるものというよりは、人間の生物的特徴から導かれるものなのではないかと思う。 進化の理論は、人間も生物の一種に過ぎないという事実をまじまじと突きつける。行動を引き起こす欲求の仕組みはかなり原始的で、線虫でさえも周りに餌があるという情報に反応し

      • 【詩】登山

        久しぶりに近所の山に登ってみる 長時間運動する時気をつけるのは 焦らずペースを一定に保つことと ゴールだけを目的にしないこと 目的地に着くのはもちろん目的だが 過程の気持ちを蔑ろにするのは損だ 景色を眺めて一歩一歩を踏みしめる 本当の幸せはそこにあるのだろう 道中の看板にはこう書かれていた 「美しい自然を、楽しく歩こう」 これ以上なくシンプルな言葉だが これ以上重要なことはないだろう 山に登ったり登山道を整えるのは 生産性はゼロでお金にもならない なのになぜ人々は続けて

        • 【短編】恩と金(2910文字)

          2XXX年、大国ジパングの南にエトン共和国と呼ばれる国があった。二国は全く逆の経済システムで成り立っていた。ジパングの通貨「エン(円)」とエトンの通貨「オン(恩)」は、1エン = -1オンというレートで取引された。ジパングが黄金の国と呼ばれ経済的に豊かだったのに対し、エトンは経済的には豊かではなかった。しかし、自然や人の温もりに恵まれていた。 オンにはエンと同じように、硬貨と紙幣があった。ジパングでは、サービスを受け取る側がエンを支払う。逆にエトン共和国では、サービスを行う

        【詩】ヒヨドリ

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        • 日記的なもの
          23本
        • 学んだこと、考えたこと
          12本
        • 旅の記録
          6本
        • 読書記録
          12本

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          言葉の曖昧さと、実践の明確さ(科学と哲学とプログラミング)

          2023年末に人生での心の重要さに気づく機会があり、それから心や認知、意識について学び始めました。 心は、脳という形のあるものが生み出す形のないものです。そのため心の研究は、科学と哲学の2つが交わる領域です。私は科学者や研究者が書いた本を読むのが好きだったので、主に科学の方面から心について学ぶことにしました。 ■ 科学者から見た哲学 何冊か本を読んでいるうちに、心について学ぶという目的からは外れるのですが、科学者の哲学に対する考え方に共通点が見られることに気づきました。

          言葉の曖昧さと、実践の明確さ(科学と哲学とプログラミング)

          多可町に行ってきた(サイクリング記録)

          しばらく長めの距離を走っていなかったので、サイクリングに行ってきました。行ったのは兵庫県の多可町です。地図で兵庫県を縦に走っている道路を見て、このあたりはまだ通っていないので行ってみることにしました。前回100km弱をサイクリングしたときは道がほぼ平坦なのもあり余裕があったので、今回は距離を伸ばして往復130kmくらいのルートを設定しました。 相生市→姫路市→加西市を通り、西脇市の端を一瞬通ってから多可町に到着します。獲得標高は行きが↑300m↓200mだったので、往復で約

          多可町に行ってきた(サイクリング記録)

          【詩】思考中毒

          頭の中をじっと観察すると 思考は無意識に起こると気づく 経験して感じたことや 本で読んだことを混ぜ合わせて せっせとお喋りをしている 考えるのが辛いときもある 同じことを結論が出ないまま 何度も何度も繰り返すから 本来、命を保つために 備わった機能なのだから 使い方を間違っているのだろう しかし、考え抜いたその先に 自分でも驚くような 発見に辿り着くこともある 読んで、考えて、話して、書いて 納得のいくものが出来たときの 喜びはどんなに大きいか 今日も苦痛と快楽を

          【詩】思考中毒

          押し入れから3DSを引っ張り出して遊んだ

          昨年末にゲーム好きの友人と会ってから、Steamでゲームをして遊んでいました。ゲームといえば携帯ゲームというイメージだったので、PCでゲームをするのは新鮮でした。Steamではローグライクと農場シミュレーションのゲームをやっていたのですが、しばらくすると無性にRPGをやりたくなってきました。Steamで面白そうなRPGを探すものの見つからず(見つけてもWindowsでしかできなかったり)、パソコンでRPGをするのは断念しました 数年ぶりに、押し入れから3DSを引っ張り出して

          押し入れから3DSを引っ張り出して遊んだ

          【読書記録】天を味方につける生き方

          表紙のたくましい筋肉と、スピリチュアルなタイトルを見て若干読むのをためらっていたのですが、良い意味で裏切られる内容でした。引き込まれて、一気に読み切りました。 以下の動画でも、本書と共通する内容が話されています。 著者のYoutubeチャンネル: 本の内容著者の山納銀之助さんはエコビレッジビルダー(他にも色々な肩書きがある)で、暮らしに必要なものを自然のもので手作りしたり、自給自足が可能な村づくりをしている方です。タイ、ミャンマー、タンザニアなどでエコビレッジ作りをした

          【読書記録】天を味方につける生き方

          人類の起源、自己家畜化説とは

          Humankind 希望の歴史を読んでいます。 上巻の内容は、大雑把に言えば「ほとんどの人間は善良である」ことを様々な例を通して説明しています。人間に対する悲観的な見方を形成する原因となった思想や研究に反論したり、人間が生来親切で争いを好まないことを説明します。 その中でも最も印象に残ったのは、人間の起源に関する話です。いわく「人間はフレンドリーな個体が生き残るというルールに従って進化してきた」ということ。どういうことなのか、整理してみます。 進化論のおさらい ざっく

          人類の起源、自己家畜化説とは

          【詩】思い描く

          人が何かを始めるときは 頭の中で一度、思い描く 思い描いたからといって 必ず出来る訳ではないけれど 思い描くことが出来なければ 進むことは出来ないのだ 人が空を飛ぶのは、まだまだ先だと 考えられていた時代に 飛ぶことを成功させたのは 心から飛びたいと思った人だった 飛べる根拠などなかった 飛ぼうと思ったから飛べたのだ 有限の知識と、無限の想像力で あなたは何を思い描く? (書いた日: 2024-3-19、テーマ: 想像力が大事)

          【詩】思い描く

          無気力だった私へ、人生の目的を

          無気力に包まれ布団から出られなかった半年前の私は、「どうせ死ねば全てなくなるのに、何かをすることに意味があるのか?」という問いに答えられずにいた。色々な答えがあると思うけれど、本を読んだり経験に照らし合わせて考えた答えを、当時の私に返してあげようと思う。 平凡すぎるかもしれないが、私の答えは「生物として自然なことだから」になった。この世に生を受け、時間が経って寿命になれば去っていく。それが自然の理だから、従っておくのがよい。今までの私は人間の理性を過大評価していたけれど、人

          無気力だった私へ、人生の目的を

          楽観性を測ってみよう!(オプティミストはなぜ成功するか)

          「オプティミストはなぜ成功するか」を読んでいます。日本語タイトルはキャッチーですが、原題は”Learned Optimism: How to Change Your Mind and Your Life”です。 無力感やうつ病などの原因となりうる悲観主義から抜け出し、適度に楽観的になるためにはどうすればいいのかなどが書かれています。 本書には、楽観性を測定するためのテストがあったので、やってみました。48の質問に答えて楽観性を測定することができます。この記事では、測定方

          楽観性を測ってみよう!(オプティミストはなぜ成功するか)

          無職は恥ずかしいことなのか?

          先日、アパートの内見に行ってきました。今は実家で暮らしているのですが、住む場所を変えてみようと思い引越しを計画しています。 不動産屋さんに案内してもらったのは、田舎には珍しい(?)家具家電付きの物件です。共用スペースがあって、そこに洗濯機や本棚、テレビが置かれていました。ホテルやシェアハウスのような雰囲気がありました。 部屋を案内してもらったあと、廊下で話をしました。そこで、 「今日はどちらから?」「兵庫県からです」 「何の仕事をしていますか?」「リモートワークをして…

          無職は恥ずかしいことなのか?

          考えることを料理にたとえる

          瞑想は好きだけど、苦手だ。瞑想には色々な種類があると思うけれど、とりあえず体を落ち着かせて何かに意識を向け続けることだとする。瞑想をしていると、気がついたら意識が他のことを向いていて、考え事を始めている。僕が瞑想を知った本には「瞑想が下手な人ほど、気がそれたことに気づくチャンスがあるから効果的である」ということが書かれていて、勇気づけられた。あまりに制御できないから、考えることは自分の意思でやっていないと思えてくる。 考えることを、料理で例えてみることにする。(僕も含めて)

          考えることを料理にたとえる

          穴を掘って埋める一日

          一日を終えて、布団の中に入る。なんとなくモヤモヤしていたので、心の声にじっと耳を澄ましてみると「次に何をすれば満たされるだろうか」「あれをやって、これをやって…」とささやいていることに気づいた。欠乏感を感じていること、行動の動機が未来への期待になっていることを認めなければならなかった。 なぜ欠乏感や期待をもとに行動したくないのかというと、それが穴を掘って埋めるようなものだからだと思う。もちろん、物理的・社会的には前に進んでいるのだけれど、精神的には減らしてから元に戻している

          穴を掘って埋める一日