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徒歩日本縦断《京都➡島根編》3日目 『金の雨粒と厳しい峠越え』丹後半島

この日丹後半島を通過。
縦断の旅の中でも厳しい坂登りだった。
しかし、この日見た金の雨粒は記憶に残り続けた。

珍しく早起きし撤収。
前日2日が距離を稼げていないので、この日こそは距離を稼ぎたかった。
鳥取で一日観光する予定だったが、早くも日程が厳しい状況だった。

夜明けとともに出発。

朝の若狭湾はどこか神秘的で気持ちが良かった。

太陽が顔を出そうとしている。

日の出。
顔面に温かい日が差す。

太陽に照らされ、海から蒸気があがる。

大きな虹が。
奥の雲が暗く、怖い。

太陽が雲に隠れると寒くなった。

急に通り雨。
大きな雨粒が太陽に照らされ、
キラキラと輝く。
その光は強くピカッピカッと目に入ってくる。

金やダイヤはあまり見た事が無いが、
宝石を視界一杯に手に入れたような、
ゴージャスな空間だった。

雨が強くなって、まだ回転していないスーパーの屋根を借りる。
撮影できてないがかなりの土砂降りに。
かなり寒くなって、自販機でホットコーヒーを飲む。
冷たい手で抱え込むように缶コーヒーを握っているとすぐに冷えてしまい。
冷えた缶が体温をぐんぐん奪っていく。

結局なかなか雨が止まず1時間近く雨宿りした。

雨が止んでいるうちに、距離を稼ぐ。
丹後半島以外は雨ではなかったので、
雨雲レーダーを見ないと予想が難しかった。

車が来たら怖いカーブ。
場所によって、右側通行にしたり、見極めて端を通過する。

歩道が無い
交通量が少なくて良かったが、
車が多ければ地獄だった。

シャワーあがりで湯気だった山。

一本杉。

道が狭く、カーブが怖い。
音で対向車を見極めてさっさと通過する。

カートを引きずっているので右側、左側、右側とカーブは慎重にわたる。

伊根町あたりに入ると古風な建物が並ぶ。
まだ、ここも京都だった事を思い出す。

猿が屋根の上から見ている。

古風な建物が多いと思ったら、
伊根町は保存地区らしい。

これからはお店とか少なそうなところを通るので、
少し高そうだけどカフェでモーニングをとる事にした。

2階の入り口。

おしゃれな店内。
外国人観光客が伊根町にも来ていて、このカフェでも見かけた。

豪華なモーニング。
1000円
濃いコーヒーが沁みる。
ドレッシングが詰まっていて、
押したらブシュッと勢いよく発射して汚してしまった。
ウインナーが皮パリッパリに焼いていて美味しい。
フルールはマスカットが美味かった。

店内に子育て応援しているステッカー。
なんというか、こういうものが必要な事が悲しくもあるが、
あるだけで安心する人は多いと思った。

わざわざ店の外にでて泣き止ませていたり、
泣く子供を叱りつけてピリピリした親子など、
すべて周りを気にしての行動だと思う。

店内からの景色も良かった。

伊根町から離れる。
当分、お店はない所を通るのでそれなりに覚悟を決める。

ここから道が険しくなる。
とにかく坂が多い。
北海道や能登半島でもキツイ坂はあったが、
寒さと濡れた身体でまた違うキツさを感じた。

ただ、引いているキャリーカートのタイヤが大きいのが、
今までより良い点だった。

だいぶ上った。

登った道を下る。

車も少ないので、川端康成の雪国を聴きながら進む。

話がどこへ行くのかわからないまま聴いていたが、
人物描写が艶っぽく呼吸や心拍まで聞こえてきそうな描写、だけど距離感はどこか突き放したままで妙に引き込まれる。

晴れてくれた。
あたたかい日を浴びたい。

坂の途中、車では停車できそうにないところに
海道の石碑。

陸からはだいぶ遠いが魚の石像。
魚介類を運んだ道なのだろうか?

徐福上陸の地らしい。
しかも浦島伝説もここなのか。

徐福伝説は日本中であるから、古すぎてわからない。
徐福が帰って文献を残せば、卑弥呼より前の日本が解ったかもしれない。

日が出て、道も乾いてきた。

トンビ?鷹?が上昇気流にのってくるくると空に上がる。

休むところが無く、茂みで休憩。


聴いていた雪国もクライマックスに入って聞き入ってしまった。

ヒロインのツンデレ感。
ラブコメと違い、
人生をかけた生生しさが切ない。
なんで嬉しい言葉なんて置いて東京へ帰るの?
あの時、私がどれだけ嬉しかったか?
それがどれだけ辛かったか。

そして、突然の火事クライマックス。

旅が終わっても妙に残り続ける作品になった。

赤い

下ったばかりだが、あの坂を上るのか・・・。

お地蔵さん?
塗ったのは最近だろう。

あれはなんだろう?

虹。

また雨が降る。
吐く息がしろく。
飲み込むつばも冷たい。

晴れた。

めずらしく営業してくれているカフェを見つける。

「この辺りにお店はないけど、コツコツ休まずやってます」
との事で、ありがたく営業してくれていた。

中は広く、天井が高い。
靴下が濡れているのですが・・。と言うと
大丈夫ですよとストーブを2つ付けてくれた。
ありがたくストーブ近くでぬれている物を乾かせてもらった。

冷えた身体が温まるのを感じた。

ボリュームたっぷりのカレー。
これで600円。
辛さは甘口。
野菜はサービスで頂いた。
ありがたい。

玉ねぎがシャキシャキとして美味しかった記憶がある。

綺麗な花、花びらピンとしている。

会計をすませて帰るときに
頑張ってねと応援してもらった。

昔の写真みたいだ。といっても10年前ぐらいのようだ。

新500円をいつのにゲットしていた。
実はこの時に初めてみた。

お店の近くに公園があり立ち寄る。

だだっ広い道路に一人。

虹?

険しい崖が続く。
ダンプのおっちゃんに話しかけられるが、
微妙に聞き取れなかった。
適当に返事してしまう。

見晴らしのいい高台があり、
階段がきついのに登ってしまう。

バス停。
一日2本は来ているようだが、民家もないし誰が降りるのだろうか?

雲の隙間から太陽光がこぼれて神々しい。
濡れた地面が金色に光り、
黄金の道を歩いているような、
神秘的な時間を過ごす。
車が通過しなかったのも良かった。

日が暮れはじめ、疲れもたまってきた。

民家が見えてきた。
カイロが切れてきているので補充したい。
あとガス缶も欲しかった。

米軍のレーダー基地らしい。

米軍基地関係者お断りの看板。
過去になにかあったのだろうか?

野営地まで歩けそうになかったので、
急遽、お墓の奥にある浜辺で野営する事にした。

テントのなかで、濡れた服をようやく脱ぎ、
ペーパータオルで拭いて新しい服をきるとスッキリした。
やはり、濡れた服は気持ち悪く、疲れがたまる。

ホッカイロの残りがあと2つだと思っていたが、
残り一つだった。

夕方は風が強かったが、深夜には落ち着いた。

この日歩いた距離 39km

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