8日目

朝のサイクリングロード。
海沿いにAlvvaysの”Easy on your own?”を聴きながら駆け下る。

風が冷たい。真っ白な日差しを、まぶたで感じる。

イントロの、「ｷｭｩｩ~~ﾝ」というラジオの受信ノブを回した時の効果音が曲中で鳴り、僕の意識は、曲中の世界にワープする。

空の青と、海の青が、いい感じに手伝ってくれて、恍惚とする。
かすかに見える江ノ島は、そのときは、どこかの国の知らない名前の島になっている。

僕の思う「いい曲」には、世界観がある。
その曲を聴いているとき、僕が今生きている世界と、その曲が鳴らしている世界が、同時に存在して進行している。
小説だって、アニメだって、映画だって、いい作品はみんなそうだ。

現実よりも、作品が作り出す世界のほうが居心地がよくって、そこから出てこないという選択肢もあるだろう。

けれど「僕だって自分の思うように世界を描いていいんだ」というメッセージとして受け取ることもできる。

僕はやっぱり作り手でいたい。
自分がいいと思えるものを、自分のために作っていたい。

こうやってブログを書いているのも、その1つなんだと思う。