sijimi

つい先日義務教育から解放された者です。 週一回投稿目指しています。頑張ります。 SNS…

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つい先日義務教育から解放された者です。 週一回投稿目指しています。頑張ります。 SNSはすごく苦手です。仲良くしてください。

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ハサミ

これはその名の通りなんでも切れるはさみです。 物理的に存在するものじゃなくても切れますよ。 思考でさえもできるのかって?もしかすると・・・ やっぱりでしたか。お客様は悪い考えをお持ちだったようです。 まぁ、もう切っちゃったんで大丈夫ですけどね。 えっ、何を切ったかって?これはいけない。今の記憶も切らなくては。 おっと、切りすぎてしまいました。 これですか?これはその名の通りなんでも切れるはさみです。

    • 誑島霧子

      女子生徒A 「キリコ? ああ、誑島さんのことですか。なんて言うか、ハキハキしてる方ですよね。あんまり話したこと無いですけど、クラスの人気者って感じがします。成績は……あんまり振るわないみたいですけど、憧れの的って感じがしますね」 女子生徒B 「霧子! 何アンタ、霧子のこと調べてんの? やっぱ霧子モテモテだねぇ……え?みんなに聞いてんの? ストーカーかなんか?あっははは。冗談だって。霧子!? サイコーの友達だよ。あははははは」 女性教師A 「性教師A誑島さん。そうですねえ。

      • 御伽白昼夢

         老夫婦の朝は早い。山奥、レンガ造りの家に住まう結婚四十五周年を迎える白雪夫婦は、午前四時半に起床の後、身支度を整え、午前五時にはお湯を沸かして、日課となっているコーヒーを楽しむ。  その後はラジオ体操、部屋の換気と、チェックリストをつぶすように彼らは日課通りの行動を行う。月曜日、天気は晴天、御伽話の導入としてはできすぎといえるほどの光景だった。  そして、老夫婦の夫である白雪七人は、家の傍らにある木造の物置からまさかりを取り出し、それをかついだまま森へと向かった。  現代日

        • オープナー

           時間以上に長くて面倒な一限目がようやく終了した。現代文の高畑がにらみつけていた居眠り生徒はチャイムの音と同時に活気を取り戻し、号令が終わるとすぐさま廊下に出ていった。  一分とたたず騒がしくなる廊下の様子を想像しながら、次の時間の準備をする。教科書とノートを出すだけで済むことだったが、面倒だなと思って後回しにする。  代わりにカバンの中から銀色のオープナーを取り出した。先週道端で拾ったオープナーだった。学校に持ってきたのは今日が最初。金属光沢が教室の蛍光灯を反射して私に笑い

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        ハサミ

          サラダバス【648文字】

           真っ暗な部屋に帰宅。片手にはコンビニ弁当が収まったレジ袋。テレビをつけて温めた弁当を機械的に口へと運ぶ。  この後シャワーを浴びて五時間弱の睡眠、起きたら速やかに準備をして最低限の朝食を食べて出社して。  自然とため息が出て、涙が出てくる。  私は戸棚からサラダバスを取り出した。全裸になって浴室へと向かう。  浴槽に4分の1ほどの冷水をためた後、ビート板に似た深緑の固形物を冷水へと投げ入れ、丁寧にかき混ぜる。  かき混ぜていると、しだいに固形物が無数の葉っぱへと変

          サラダバス【648文字】

          二人っきりの部室

           部屋の中、静かに西日が差す。シューズの底面が床へ擦れ、甲高い音が部室に広がる。足の甲から足首にかけて少しずつ紐を締め上げていく。やがて隙間なく足に密着した靴が完成する。足首を動かしてみる 「うん、ぴったり」  足首を包んだ靴下から膝にかけての輪郭をゆっくり人差し指でなぞる。少し日焼けした右足がそこにあるのを確認すると、満足して人差し指は右足を離れる。  ユニフォームが入った手提げ袋の中からハーフパンツを取り出し両足をくぐらせる。シューズが少し引っかかる形になったので、順序が

          二人っきりの部室