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「その島のひとたちは、ひとの話をきかない」

こんにちは。

前回からどのくらいでしょう?

来週月曜日から新しく始めるお仕事準備でネットからの引きこもり生活してました~。リアルはいつもと変わらず朝晩のパブロフ散歩行って週末買い出しして、そっちは引きこもってませんでした(^.^)/

おかげさまで寝だめならぬ「インプットだめ」ができました。ので、仕事とはいえ、せっかく集中砲火的インプットしたので感想など書き留めていこうと思い…ひさびさにnoteに戻ってきたヨv( ̄Д ̄)v イエイ

タイトルにしたのは書名です。

著者の森川すいめいさんは精神科医。どうしたら自殺する人をそうならないようにできるか?あるとき岡檀(おかまゆみ)さんの自殺希少地域の人たちにはどんな特徴があるのかを調べた研究に出会った衝撃から、自身もそこに行って現地の人と対話をすることにした。

この本は、その現地の人たちと森川さんのかかわりから、どんなことが「生きやすさ」につながるのかを考察したことが綴られています。

なんとも地味~な装丁と一見シニカルそうなタイトルがなんとなくミスマッチなのか?それとも表紙の無機質な写真どおりちょっと暗そうな内容なのか?どっち?的な半分興味半分ノルマだから読むか的モチベーションで読んだんですよね。

そしたら、心の隣にそっと置いて行くような落ち着いた静かな静かなモノローグのような語り口に、知らないうちに引き込まれてあっという間に読み終えてしまいました。

書かれているのは、その土地土地で出会った人たちとの短い会話や出来事のなりゆきが淡々と、そして森川さんがそこから考えたこと。読んでいると会ったことのないその人々がありありと立ち上がって来て、つい私もそこに行ってみたくなる、そんな気持ちに自然になりました。綴られたエピソードは特段に愉快とか珍妙とか、テレビだったら絵になりそうなものはひとつもないんですけどね。

最寄りコンビニから何十キロも離れた片田舎の宿で夕食にありつけず、困っていたら、現地の人たちがあれこれと手配して町の食堂まで送り届けてくれた。そこでやっとご飯を食べたら今度は帰りの足がないことを食堂のご主人が察してまた宿まで送り届けてくれた。とか。

まあ、こう書いてしまうと『それがどうした。』って感じですけど、その場が展開するごとに森川さんが出会う土地の人たちの些細なふるまいや声のかけ方に、小さな違和感を持つ。それは、ふと自分の身の回りを見渡したとき、『こんなことをさらりとやってくれる環境ってあったかな~???』っていう新鮮味を帯びている。

そういう新鮮な違和感が読みながら何度も行ったり来たりする本でした。

そして、何より森川さんの「自殺しようとする人をなんとしても助けたい」というその静かなる固い意思。その発露が、この浮足立ったところがひとつもない出会い旅となって文字となってここにこうして出版されました。そういう本です。

旅した森川さん自身も驚いているように、私もやはり「自殺希少地域」の住民たちのもつコミュニケーションスキル…というか生き方ポリシーみたいなものにはかなりの驚きを持ちました。一般論で決めつけてはいけない理由がここにある。自殺する人が少ないってことは『きっとあんななんだろう、こんななんだろう。』という勝手な予想は、ほんとに勝手だったなと思い込みを見事にひっくり返されていく、そこもちょっとした新境地発見のような快感でした。

たくさん心に刻みたいセンテンスはあるのですが、中でも一番なところ。お習字が上手だったら色紙にでも書いて額に入れて飾りたいと思ったところを引用させてくださいね。

相手は変えられない、自然は変えられない。
変えられるのは自分。
だから、工夫をしよう。受け入れよう。ありのままを認めよう。
そして、自分はどうしたいのかを大事にしていく。
人生は、短いのである。生きてそして必ず生を終えるときがある。
さまざまなことがある。
それを間近でみている。
(p.175より)

こちらの記事に、森川さん自身の過酷な生い立ちの一端が書かれています。

こちらは後編。オープンダイアローグとの出会いと森川さんが続けていらっしゃる活動など。

ここまで読んでくださってありがとう(*´▽`*)

ではまた(@^^)/~~~


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