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成績が良い子の特徴

「成績が悪い=不良」のイメージをもっていませんか?

勉強する意欲がないからこそ、成績が悪い。
これは単純な図式で、だれにでも理解ができます。

しかし、実際に教育現場で見ている限りでは、そんな単純な話でもなさそうです。
最近の子は、面と向かって先生に反抗してこない。

もちろん、裏で何を言っているかはわかりません。
ですが、いわゆる学園ドラマなどに出てきた「うぜーよセンコー!」なんて叫びながら物を壊して回る、尾崎豊型の不良は、もはや絶滅しています。

では、成績が悪いのはどんな子か?
実は、おとなしくて、まじめで、親の言うことをよく聞く子に多い。

逆に、頭がいい子、成績がいい子は、よく喋り、先生の話に相槌を打つなどリアクションも豊かで、良くも悪くも自我がはっきりしています。
親や先生の言うことを素直に聞くわけではありませんが、自分のやりたいことややるべきことがわかっているタイプ。

もちろん、みんながみんなそうとは言いません。
ですが、少なくとも私が見ている限りでは、どうしてもそう見えてしまう。

では、どうして「おとなしくてまじめ」な子の成績が悪いのか?
それは、知的好奇心や主体性の部分に問題があるのではないかと考えています。

「お勉強」だけが勉強ではない

成績がいい子は、なぜ成績がよいのか。
それは、当然ですけど、勉強するからです。

ただ、中には中高時代の私のように、勉強は全くしないでも、成績だけは常にトップテンに入るような学生もいる。
恥ずかしい話、私は高校3年生の夏に受験勉強を始めるまで、1秒たりとも自習をしていませんでした。

しかし、「お勉強以外の勉強」はしていました。
ゲームや吹奏楽の譜面に対して、常に考え続けていたのです。

例えば、私が遊んでいたRPGゲームをやるときは、常に段取りを考えます。
「とりあえず、次はこの依頼を終わらせて、その報酬をゲットする。報酬を売ったら大分お金に余裕ができて、新しい装備が買えるようになる。ついでにレベルも上げられて、そうしたらストーリーの続きを進めよう」というように。

最低限、「いま、自分はどんな状況か」「いま、自分の目標は何か」「いま、自分は何がしたいか」「やりたいことや目標の達成のために、何が必要か」などは常に考えながらプレイしていました。
自分の状況把握と、やるべきタスクの整理を、ゲームを通じて勉強していたわけです。

さらに、吹奏楽の譜面では、先生から言われないうちに、自分で工夫して曲をさらうようにしていました。
「この曲は、きっと先生はここで緩急をつけたいだろうから、クレッシェンドとデクレッシェンドをうまく使おう。そうしたら、きっと一時的に店舗が後ろに引っ張られるから、指揮者の先生次第で、少し早めに吹くか、あえて引っ張って吹くか決めよう」という感じ。

常に「どうすれば、より良い形で楽曲を提供できるか」を考えていました。
そして、自分なりにアレンジするときには、必ず理由をつけるようにしていました。
「この裏打ちは遅れそうだから、早めに打とう」「この連符は走りそうだから、表拍のタイミングでアクセントをつけて、テンポ感を確かめながら吹いてみよう」といったように。

スモールステップではありますが、問題を発見して、解決法を模索し、解決する流れを、吹奏楽の練習で再現していました。

この流れができていると、勉強に移っても成績がメキメキ上がる。
なぜなら、成績を上げるために必要な能力は、「現状把握」「問題発見」「計画遂行」だからです。

現状把握とは、自分の能力を点検して、どこに問題があるか発見する能力。
自分の長所となる科目、単元と、短所である科目を区分けして、特に弱みを発見する能力です。
「成績が上がる」とは「できなかったことができるようになる」ことを表すからです。
「もうできること」に用はありません。

次に分析した自分の弱みから、解決すべき問題を提起します。
「自分は英語が苦手だ。それは、英文法ができていないからだ」と弱みを見つけたら、これを改善するために解決すべき問題を考えるのです。
「英文法の得点率が悪いのは、特に助動詞の理解が浅いからだ」というように。

そして、何をすべきか把握したら、それらの問題を解決するためのスケジュールを組みます。
「まずは、英語をなんとかすべきだから、英語の対策をやろう。次に得点したいのは数学だから、数学をやろう」など、自分で自分を改善する計画を立てて、その通りに遂行するのです。

これらの能力が、ゲームや部活動を通じて養成できることがお分かりいただけたでしょう。
それならば、「勉強をしていないけれども、成績がいい子」がいても納得ですよね。

そして、その能力を発揮するために必要なのは、当事者意識です。
「自分で、現状をなんとかしよう」とする、主体性があるからこそ、状況は改善されます。

「親の言うことをよくきく、おとなしくて、まじめな子」には、これが欠けているケースが多いように思えます。
確かに、言われたことはやろうとするのですが、それ以上に動こうとしない。

そうなると、勉強のような、ある程度の計画遂行能力を要求される物事に、やがて対応できなくなっていく。
小学生(中学生)までは成績が良かったのに、中学(高校)に入ったら、成績が下落した……なんて話もよく聞くでしょう。
親や先生の状況把握能力を超えた時点で、勉強が対応不可能なタスクになってしまうためです。

もちろん、その状況からでも助かる手立てはあります。
「いわれたとおりにやっている」だけの子は、本来ならば躓いていたはずの単元を、理解しないままパターン把握で突破していると考えられます。
となれば、「どこを理解できなかったのか」突き止めて、そこまで戻って再履修すればいいのです。

とはいえ、自主性のない子には、そのようなことは難しい。
だから、「勉強しているはずなのに、成績が下落する」子が完成するのです。

成績を上昇させたいのであれば、とにかく自主的に何かをする能力を伸ばすことが重要です。
子どものやりたいことを全力で応援する。
ゲームでも運動でも部活でも、なんでもいいから、子どもが全身全霊で物事にぶつかる手助けをするのです。

そうした経験の中で、失敗も交えつつ、「どうすれば上達するか」を手探りながら学んでいきます。
そして、一度得た「上達のコツ」は、どの世界に行っても、基本的には変わりません。

状況把握、問題発見、計画遂行。
成績を上げたいなら、まずは自分自身の問題を直視して、向き合う姿勢が必要です。

時には「全肯定してくれる環境」も必要ですが、自分を甘やかし続けても、未来はありません。
一番重要なのは、自分に厳しくあり続ける姿勢なのでしょう。

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