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天地人コンパスの新ツール「断面図可視化ツール」を使用して、パリオリンピックのマラソンコースを徹底調査

天地人は、衛星データを使った土地評価コンサルを行っているJAXA認定ベンチャーです。地球観測衛星の広域かつ高分解能なリモートセンシングデータ(気象情報・地形情報等)や農業分野の様々なデータを活用した、土地評価サービス「天地人コンパス」を提供しています。

今回の記事では、無料でもお使いいただける「天地人コンパス」に新たに追加された「断面図可視化ツール」で2024年に開催される「パリオリンピック」のマラソンコースについて分析します。


天地人コンパス「断面図可視化ツール」とは

断面図可視化ツールは、地球上のある2点間の凹凸や距離、地形をより詳しく分析できるツールです。地球上のあらゆる場所をさらに詳しく分析できます。

このツールは、月面版の「天地人コンパス MOON」にて開発した「クレーター断面図作成機能」を「天地人コンパス」に応用したものとなります。

天地人コンパス MOONとは
天地人コンパス MOON は、地球観測衛星のビッグデータをはじめとする様々なデータをもとに、解析、可視化、データ提供を総合的に行う土地評価サービス「天地人コンパス」の月版です。
登録なしでご利用頂けます。

『天地人コンパス MOON』
・料金:無料
・対応ブラウザ:Google Chromeを推奨、PCのみ対応
・サイトURL:https://moon.compass.tenchijin.co.jp/

断面図可視化ツールでは、選択した2点間の高低差や地形を把握することで、例えば、
・散歩ルートや登山計画を作成するといった日常的な利用
・転居の際の買い物、通勤・通学ルートを直線距離だけでなく高低差を意識した物件探し
・登山が難しい標高が高い世界中の山々の地形を把握するといった非日常を味わう使い方
など、様々にご活用いただけます。
 
下記は富士山の登山ルートの断面図を示したものです。
五合目付近(標高2300m)付近から急勾配になっていることがが分かります。

【ルート選び放題】「断面図可視化ツール」の使い方

まず天地人コンパスの基本的な操作方法はこちらをご覧ください。

では断面図機能の使い方をご紹介します。

  1. 検索したい地点を入力します。

2. 下記のレイヤーを選択して、自分のお好みの地図画像にします。

3. 左上の断面可視化ツールボタンを選択します。

4. 断面図を調べたいお好きなルートを選択します。
  a. スタート地点をクリックします。

  b. 経由地点もクリックをします。

  c. ゴール地点はダブルクリックをします。

5. 選択したルートの断面図を見ることが出来ます。

パリ五輪のマラソンコースで断面図を可視化

パリ五輪のマラソンコース

2024年8月10日(男子)、11日(女子)に開催されるパリオリンピックのマラソンコースの断面図を可視化してみました。

まずは、公式のルートがこちらです。ルーブル美術館やベルサイユ宮殿などパリの街並みを楽しむことができるコースになっています。

出典:Paris 2024

天地人コンパス「断面図可視化ツール」でパリ五輪のコースを可視化

天地人コンパスでルートを作製し断面図を可視化したものがこちらです。


15km地点から35km地点までが上り下りの激しい坂道となっています。特に22km地点付近の急勾配がかなり険しいことが分かります。

衛星の情報から得られた過去のパリの地表面温度と降水量

ここでパリの地表面温度と降水量を見ていきます。

地表面温度とは
衛星から得られる、その地点の地面の温度を指します。日射量などの影響を受け、天気予報等で使用される気温=大気の温度とはことなります。

まずは2023年です。8月は7月よりも地表面温度が低くなっています。また、特徴的なのが降水量が7月と9月と比べて圧倒的に低いことです。このことから、晴天での開催が期待されます。

【パリ】2023年7月から9月の地表面温度(℃)と月間降水量 (mm)

ちなみに2022年と2021年のデータは下記の通りです。この2年間8月は降水量が少ない代わりに地表面が30°を超える猛暑が続きました。2024年は温暖化せず選手にとって出来る限りベストなコンディションで開催されることを祈ります。

【パリ】2022年7月から9月の地表面温度(℃)と月間降水量 (mm)
【パリ】2021年7月から9月の地表面温度(℃)と月間降水量 (mm)

過去の開催地の地表面温度・降水量との比較

2021年の東京オリンピックと2016年のリオオリンピックのマラソンコースの地表面温度・降水量をパリの条件と比較していきます。

まずは、2021年東京オリンピック。8月の東京の暑さを避けるため開催地として札幌が選ばれましたが、地表面温度は30°越え、降水量も多く湿度が高かったと予想されます。実際のオリンピック当日は記録的な猛暑となり、男子マラソンでは106人中30人が完走できませんでした。

【札幌】2023年7月から9月の地表面温度(℃)と月間降水量 (mm)

続いて、2016年にオリンピックが開催された8月のリオのデータです。2016年のデータがないため、2021年から2023年の7月から9月のデータを見ていきます。地表面温度については札幌よりは快適と言えるでしょう。7~9月は乾季に当たると言われていますが7月や8月に降水量が多い年もあるようです。

【リオ】2021年から3年間の7月から9月の地表面温度(℃)と月間降水量 (mm)

まとめ

今回は「天地人コンパス」に新搭載された「断面図可視化ツール」の紹介をしました。
また、新機能を活用してパリオリンピックのマラソンコースの断面図と地表面温度、降水量を分析しました。さらに、パリオリンピックのマラソンコースと、過去2回のオリンピックを、衛星から得られた気象情報から比較しました。パリのコースは比較的降水量が少なく、他の開催地よりも地表面温度が低い傾向にあることがわかりました。パリオリンピックは選手の順位のみならず断面図やコースの景色も楽しみたいですね。

『天地人コンパス フリープラン』
・料金:無料
・対応言語:日本語、英語
・対応ブラウザ:Google Chromeを推奨、PCのみ対応
・サイトURL:https://compass.tenchijin.co.jp/
・お問い合わせ窓口:info-compass@tenchijin.co.jp

(PRチーム インターン松戸)