第18回『唯一この人には勝てないと思ったホストの先輩』

うぃす!

大阪男塾の塾長です。

たっつんからホストのいろはを教わった僕は、数カ月で免許皆伝となりました。

詳しくは第17回をどうぞ。

面倒見が抜群のたっつんは「次、お前が弟子入りするホストを紹介したる」と、ある人に繋いでくれました。

紹介されたのは、一義さんという先輩ホスト

一言でいうと、めっちゃオーラがあって格好良い人。

一瞬で「あっ、華がある」ってわかったっすね。

彼は香川県出身、元暴走族で少年院に入ってたことのある元ヤンっす。

そのわりには、人当たりが柔らかかったっすね。

一義さんから最初に告げられたこと。それは「たっつんから教わったことは全て忘れろ」でした。

よく自己啓発本で「コップに入っている水を捨てないと、新しい水を入れられない」って書かれてあるっすけど、まさにあれっすね。

とはいえ、たっつんからの教えで為になることももちろんあったので、すでに血肉になっていた部分だけを残して、あとは忘れて、どんどん自分を更新していったっす。

一義さんを一言で表現するならば、スーパーストイック・ホスト。

興味があったんで、お願いして一義さんの一日を、一度見学させてもらったことがあったんすね。

「スーパーホスト一義に一日密着してみました!」って感じっす。

まず驚いたのが、お客さんの女性からかかってくる電話の数。

ひっきりなしにかかる電話、全部にしっかり対応してるすよ。

それと一義さんが僕と比べて、圧倒的に勝っているところがありました。

彼は無類の女好き。

僕も女性は嫌いじゃないっすけど、「一義さんにはさすがに勝てんわ!」って思ったっすね。

当たり前っすけど、ホストのお客さんは女性ばかり。「女好きという強烈なマグマが、仕事のエネルギーに変わるんや!」ってことを一義さんから教わりました。

一流のアスリートほど負けず嫌いって聞くっすけど、それはホストも同じ。

トップレベルのホストは、例外なく負けず嫌いっすね。

一度、一義さんと僕の家で『桃鉄』で遊んだことがあったんすが、僕も負けず嫌いなので、一切手を抜きませんでした。

僕が連戦連勝してたら、一義さんがすくっと立ち上がって「アホか! 桃鉄なんぞ、やってられるかい!」って、そのまま部屋をスタスタ。

ちなみに「桃鉄しようや?」って、誘ってきたんは一義さんだったんすけどね。

例えテレビゲームでも、勝たないと気が済まない人だったんすよ。

仕事に話を戻すと、とにかくやれることは全てやるって感じの人でした。

当時はネットが今みたいに使えず、スマホもなかったんすね。

その時代に友達募集の雑誌に投稿して女性と知り合い、その人達を自分のお客さんにするという、どのホストもやっていなかったアプローチをしていたのが一義さんだったんすよ。

彼の言葉で最も印象に残っている一言を紹介するっす。

「人がやっていないことをやれ。ただし人がやっていることも当たり前にやれ」っす。

これを聞いたとき「なるほど!」と思ったっすね。

人がやっていないことばかりをやるんじゃなくて、みんながやっていることは当たり前にやった上で、やっていないことを見つける。

これはどの世界にも共通する、成功の秘訣なのかもしれないっす。

他にも「もらった給料は、次の仕事につなげるために全て投資する」など、たっつんとはまた違ったやり方を色々教わることに。

一義さんのもとで勉強させてもらったのは、2004年の1月から8月まででした。

一流ホストの仕事の流儀を学んだことで、僕の売上はさらに伸びていったっすね。

ちなみに2007年11月開催の第4回全日本ホストグランプリで、見事優勝を飾った一義さん。

全国から集まった2万人のホストの頂点に立ったんすから、すさまじーっすよね。

「やっぱ半端ないわ、この人!」って思ったっすね。

僕はあんまり「この人に勝てない」って思わないんすけど、一義さんは唯一「ホストとして勝てないかも?」って思わされた人だったっすね。

上には上がいることを痛感しながら、一義さんからは色々吸収させてもらって、ほんまに、ありがたかったっす。

一義さんのおかげで、ホストとしてまたステップアップできました。

最後まで読んでもらって、あざしたぁ!!

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