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【母の介護について】…少しずつ。⑩

リハビリでも人に見られる大切さがあると思います。
母は、病院でのリハビリの時は、やる気はありましたが、まだまだ「こわいとか、転んだら大変」と言う気持ちで、トイレ・入浴の介助も、なるべく体格の良い方にお願いしたいと思っていたようです。
が、家に戻ってからは、慣れと安心感もあり、少し余裕が出て、だんだんと服装や、髪型などにも気をつかうようになり、リハビリ中は、私に見ててと言い、
父に見せるための動画を撮る時は、それを意識して、ポーズを決めてみせたり、リハビリを一生懸命やるようになりました。

父が家にいて、リハビリを見ている時は、がぜん張り切り、父もまた、声をかけ応援をしていました。

『母の場合は、70代での左片側麻痺で、手足の運動機能回復のためのリハビリが必要でしたが、話す・聞く・読む・書くなどの機能には問題はありませんしたので、時として、ケアに来てくれる方が、幼児に対するような話し方をしたり、顔の近くで大きな声で呼びかけたりする事を嫌いましたし、私たち家族も、それは必要のない"勘違い"だと分かっていました。』

母は、病気をしてからの方が、朗らかになりましたので、家族は、冗談を言い笑わせたりはしていましたが、対応は、普通にしていました。

ただ、やる気を持続してもらうために、リハビリを見守り、応援することを心がけていました。

理学療法士の先生が言われたことで、印象に残っているのは、
「すべては脳が決めています」と言われた事。
歩行も手足を動かすことも、すべて脳からの指令。
忘れてしまった身体の動かし方、ゼロに近くなった機能を、理学療法士の先生が、身体を動かしてくれながら、新たに、脳にインプットさせる、または、思い出させる。

先生が手や足を少しずつ動かしてくれることで、脳が動かし方を思い出す、又は覚える。脳が思い出せば、実際に動かす事ができるようになる。と言うイメージでしょうか?

先生方は、毎回根気よく、教えて下さり、母も、先生が帰ってから、踊りの振りを描くように、ノートに足の出し方を描いている事もありました。

"見られる意識、応援…"、その効果は大きく、退院当初は、足の装具をつけてのリハビリでしたが、だんだん、装具を使わなくても、麻痺している方の脚にも筋肉がつき、足首も直角に着くことが出来るようになりました。
1人で立ち上がったり、杖をついて自力で歩行ができる、つまり、介護をしなくてもよくなる日が来るとは、思いませんでしたが…、

リハビリを続ける中で、力を入れて立ち上がる事や、歩行練習用の手すりを使って、一歩一歩歩く、方向転換するなど、できる事が増えて行きました。


西川陽子

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