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心の中に成瀬を持とう。 「成瀬は信じた道をいく」

「成瀬は信じた道をいく」を読んだ。


本作は「成瀬は天下を取りにいく」の続編だ。

前作を読んで、完全に成瀬あかりのファンになってしまった私。
このGW中にチマチマ読もうと買ってきたわけだが、その日中に読み終えてしまった。

「成瀬は〜」シリーズは、風変わりな女子学生、成瀬あかりが主人公の青春エンタメ小説だ。「200歳まで生きる」「笑いの頂点に立つ」「ぐるりんワイドの生中継に毎日映る」…などなど、やりたいことを見つけてはすぐに行動に移すのが成瀬あかりの特徴だ。成瀬あかりが持つ実直さと不器用さに、前作を読んだ多くの読者が魅了されたに違いない。

そして今日、第二作である「成瀬は信じた道をいく」を読み終えたので、その感想を記録しておく。

面白かった!
前作も面白かったが、私的には第二作の方が好きかもしれない。
前作では、成瀬が中学生〜高校入学後の話がメインだったが、第二作では成瀬が大学生になった時期の話が描かれていた。その分成瀬の行動範囲も広がり、前作よりも読み応えがあった。

第二作では、成瀬がアルバイトを始めたり、大津市観光大使に任命されたりなど、前作よりも話のスケールが大きくなっている印象だ。それでも成瀬は成瀬のまま変わらない。スマホは持たないし、独特の口調も変えない。そういった世間と成瀬のギャップが、この第二作ではより面白く描かれている。登場する成瀬以外のキャラクターも個性的であり、成瀬との掛け合いもいちいち面白い。個人的には、「やめたいクレーマー」でバイト先の客にいつもの口調で話しかけるシーンと、「コンビーフはうまい」で初めてInstagramについてレクチャーを受けるシーンがお気に入りだ。何度も読み返している。

思えばこの「成瀬は〜」シリーズでは、事件やトラブルなどはほとんど起こらない。誰も殺されないし、恋愛要素もほぼ皆無だと言ってもいい。あるのは成瀬あかりの突拍子も無い行動だけだ。「いつもと変わらない平凡な日常でも、自ら行動を起こすことでどんな面白い物語にもなり得るんだ」と、読み進めるたびに成瀬に教えてもらっている気持ちになる。

成瀬は「成し遂げたいことは日頃から口に出して種をまいておくのが大事」という考えを持っている。
私がこれまで何となく過ごしてきた日常の中にも、行動を起こせば花が咲いた種があったのだろうか。この作品には色々なことを教えてもらっている。私は成瀬あかりのように生きたかった。

成瀬あかりが持つ行動力と一貫性は、人生を楽しく生きる上で最も欠かせないものなのかもしれない。みんな、心の中に成瀬あかりを持とう。

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