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行きつけの美容院を変更したら、新NTRジャンルを発掘した

最近、行きつけの美容院を変えた。
変えるつもりはなかったが、たまたま予約が取れなかった日に他の美容院に行ったところ、そちらの方が気に入ったからだ。

別の美容院に通い始めて3ヶ月ほど経った頃、元々行きつけにしていた美容院から下記のようなメッセージが届いた。

「こんにちは!お久しぶりです。担当美容師の〇〇です。年末年始はいかがお過ごしでしたか〜?☺️」

このメッセージの真意は分かっている。何も私の年末年始の動向が気になったからメッセージを送ったわけではない。常連だった顧客が急に現れなくなったので、また来て欲しいという意味でのメッセージだろう。

このメッセージを見て、何も言わずに美容室を変えてしまったことに対する申し訳なさと罪悪感を若干感じた。しかし私は既に、他の美容院に3ヶ月も通ってしまっている。3ヶ月も通えば髪型もその美容院仕様になっているし、元の美容室で最後に切ってもらった頃の面影はないだろう。
他の美容院に染まりきった髪型で元の美容院に行ってしまっても、美容師はショックを受けるだけではないだろうか。

元の美容院に意を決して行ってみたとしよう。
店内に入ると、いつも私を担当してくれていた美容師が嬉々として私を迎え入れる。以前通っていた頃よりも丁寧に席へ案内する。
しかし、他の美容院に染まりきった私の髪型を見て、動揺を隠せない。
「...ッ!私の知らない刈り上げ...」
私の頭を触る手が震える。
動揺するのも無理はない。以前この美容院でカットすると約束していたヘアスタイルに、別の美容院であっさりとカットしてもらっていたからだ。
度重なるショックに胸のざわめきが抑えきれないが、どうにかして平静を保つ。

「...前回カットされてからどのくらい経ちますかー?」
どうにか言葉を絞り出す。
そこで私は得意げに、3枚の写真を美容師に見せる。
「1ヶ月前に切ってもらった時の写真なんですけど」
それは、別の美容院で施術後に送られてきたカルテ用写真である。この美容院でしたことのないヘアスタイルをした私と一緒に、ピースをした屈強な美容師らしき男が一緒に写り込んでいる。
「やはり別の美容師の男にっ...」
美容師は膝から崩れ落ちる。
これまで感じたことのない屈辱と敗北感。耐え難い悲しみが美容師を襲う。もう彼に鋏を握る力は残っていないようだ。

私は何も言わずに美容院を後にし、新しく行きつけとなった美容院に予約の電話を入れる。もうこの美容院でないと満足できない...

っていう新しいNTRジャンル「美容師NTR」を思いついたのですが、どうでしょうか。


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