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認知症の母:遠隔介護 お金対策はやっぱり現金!そして見えること。

2022年4月は、とてもたくさんの仕組みやルール決めをした。
後に続く成功した方法もあるが、失敗もあった。

母が「鍵がない」と言い始めたのと同様、「お財布がない」「お金がない」とも言い始めていた。母の買い物用のお金をどうするか、考える必要が出てきた。

母は何かと外出する。
犬の散歩もあるし買い物もある。天気がいいから散歩するとか、気ままな一人暮らしは母の生活そのもだ。それまでは大手スーパーマーケットの巡回無料バスを利用して少し遠い場所まで買い物に出掛けていたが、もうそれはできなくなっていた。行くのはもっぱら徒歩圏内のコンビニとスーパーだった。

近所なだけに支払いで迷惑がかからないか心配だった。レジ前で現金を出すのに時間がかかって慌ててさらに混乱することはないだろうか。
どうしたらいいんだろう。母も焦らずに支払える方法。

思いついたのは、Suicaでピッと支払う方法だった。
2万円も入っていれば1週間は足りる。
現金で複数のお札と小銭で支払うよりもいい気がした。

そこで、Suicaにセブンイレブンのマークを貼り、現金と一緒にお財布に入れた。

2枚用意


結果から言うと、これは失敗だった。

母は、
「このカードにいくら入ってるのかわからないと払えるのかわからない」
ともっともな疑問を持った。
そこであれこれ探してカードの残金がわかるやつを買った。

使い方を書いた

でも母はこれを使わなかった。

Suicaを知ってはいても日常から使ってなかった母には難しかったようだ。
「お財布にお札が何枚あるのか」が母には安心材料だったので、2〜3万円が常にお財布にあるようにすることで落ち着いた。
その後も特に支払いに困ることはなかったようだった。

念の為、近所のコンビニとスーパー3店舗ほどに挨拶に回り、事情と連絡先を書いたメモを渡した。母の住まいは大規模開発の住宅群の一部なので高齢者も多いせいか、どのお店も好意的に対応してくれて助かった。

そこのろ、母が
「誰も私を怒らないのよ。優しくしてくれるの」
と何度か言った。

母は自身の認知症を理解していたのでとても不安だったのではと思う。
それまで自立した自分にプライドを持って生きてきた人だ。

迷惑になりたくない。
ちゃんとしていたい。
失敗したくない。

と強がって必死だったと思う。かつてどんどん口うるさく嫌味な人になりいじわるばあさん化したのも、実はその強がりが原因だったのかもしれないと今は思う。

でも症状が進んで失敗しても誰にも怒られないし嫌な顔をされない。
それだけで母は安心できた。
「誰も私を怒らないのよ。優しくしてくれるの」
そう話す母に、私も安心した。

母が悪いわけじゃない。病気だから仕方ない。
母は地域に支えてもらっていた。

また、意外だったがクレジットカードも長いこと使うことができた。

それまでもクレジットカードをよく使っていたんだろう。
家族が同行して母の買い物をする際も便利だったが、母が自分の名前を漢字で書けなくなってきた時点で、クレカは使わないことにした。


認知症には『見えないものは ないのと一緒』と考えて、
透明のお財布にしてみたがこれも失敗だった。

丸見えの財布



流石に見えすぎて恥ずかしかったみたい…。
古銭だけなら透明でも良かったかもしれない。

この『透明』は失敗だったが、『透明』はとても有効だった。

バッグを『透明』にした。

「お財布がない」「お金がない」と言う困り事は、2年経った今でもこの『透明』のおかげでうまくいっている。

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